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さらっと聴いたときのアルバムの印象を簡単に紹介します。
updated 2007.04.22
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★AMEBA4 / AMEBA4 (2006)
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ブーツ型をしたイタリア半島のかかとのあたり、プーリア州(Puglia)バーリ(Bari)出身の4人組グループ、Ameba4(アメーバ・クアットロ)のデビュー・アルバムです。2006年のサンレモ音楽祭新人部門参加曲「Rido... forse mi sbaglio」も収録されています。
サンレモ参加曲もそうでしたが、基本的には1980年代ごろのイギリスのニューウェーヴを思い出させるような感じでしょうか。ミディアムからスロー・テンポの曲が多く、演奏形態はニューウェーヴ風だけど、メロディにはもっと昔のブリティッシュ・ポップ風なやわらかさがあります。M4「Via da noi」などは8分の6拍子の露骨にオールド・ファッションドなロッカ・バラードで、いまどきこんなのありかとも一瞬思うのですが、かえっていまの時代にはこういうのも新鮮なのかもしれませんね。
こういったブリティッシュ・ポップ/ニューウェーヴ風なグループは最近のイタリアに多いように感じますが、Ameba4の音楽はイギリスぽい装いを聴かせながらも根底にイタリアの濃い血が流れているように感じられるところが好ましいです。イギリス風の曲でも、歌メロのどこかにイタリアらしい伸びやかなメロディが挟み込まれていたり、醒めた若者風な曲でもちょっと歌い上げるパートがあってイタリアの情熱がこぼれてしまったり。こういうところ、好ましい。
曲調にバリエーションがあまりないので、アルバムを通して聴いてるとだんだんどれも同じに聴こえてきてしまうところがあり、これは今後の課題だろうな。また、このアルバムではプロデュースとアレンジをCorrado Rustici(コッラード・ルスティチ)が手がけているのですが、今後もCorradoがかかわって、彼らを育ててくれるのか。そこもポイントになるかもしれません。 (SUGAR / WARNER MUSIC ITALIA: 3312098036 / EU盤CD)
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★GIANNI DRUDI / ...IL GOLIARDICO DRUDI!! (1993)
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自分は初めて聴くGianni Drudi(ジァンニ・ドルーディ)ですが、1980年代から音楽活動を始め(デビュー・シングルが1988年、デビュー・アルバムは1992年リリース)、現在も活動中(2006年に『Double Face』という2枚組をリリースしているようです)。これまでにアルバム10枚以上がある、ちょっとしたベテランのようです。このアルバムにスパニッシュ・ヴァージョンが収録されている「Fiky fiky」という曲が有名らしい。
う〜ん、どうなんでしょ。あまりイタリアっぽさのない人のように思います。アメリカや南米(ラテン)の雰囲気が強い感じ。M2「Mai dire tv」など、ほとんど古いロカビリー/ロックンロールといった感じで、まるで「ダイアナ」のようです。
M3「Scendi dal fico!」やM7「Tirami su la banana...」、M8「Melodia」などでは、曲や声にどことなくUmberto Tozzi(ウンベルト・トッツィ)風というか、Sergio Caputo(セルジォ・カプート)風な雰囲気があり(かなりアメリカ寄りではありますが)、それなりに聴かせます。M3のメロディはGianna Nannini(ジァンナ・ナンニーニ)を思わせるところもあるし。一方、M4「Me tira...」、M5「Come e' bello lavarsi!」は南米・ラテンなリゾート感満載。ゆるいレゲエのリズムや木琴(鉄琴?)の音色、海の音や鳥の声のSEなど、明るい陽のさすのんびりとした海辺に寝そべってフローズン・カクテルでも飲みたい気分になります。M6「Ma che cazzo dici?」ではラップを聴かせ、M9「L'oroscopata!!!」はカンタウトーレ風な雰囲気もあるフォーク・ロック風な曲なのだけどアレンジは歌謡曲。もうなんだかわかりません。
けっきょく、アルバムとしてどうしたいのか、Gianni Drudiの作風がどういうものなのか、よくわからないのですが、とりあえず全体にゆるく楽しげな雰囲気が漂っている(イタリアぽさはなし)ので、天気のいい日にだらだら聴くのがよさそうです。 (PIANOFORTE / DISCHI RICORDI: CDSNIR 25149 / イタリア盤CD)
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★PAOLO MARINO / SENZA FRONTIERA (1992)
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Paolo Marino(パオロ・マリーノ)という名前を聞くのは初めてな気がするのと、某インターネット・ショップのニュー・リリースのコーナーにあったことから、新人カンタウトーレのデビュー・アルバムかもと思って入手したのですが、どうやら旧譜のCD再発だったようです。このアルバムをプロデュースしたPiero Cassano(ピエロ・カッサーノ)のサイトに記載がありました。それ以外の情報は、オフィシャル・サイト等がないため、バイオグラフィもディスコグラフィもわからないのですが、どうやらこのアルバム1枚のみで消えてしまったようです。
曲を聴いてみると、それも致し方なし、といった感じです。自分で作詞作曲をする(作曲にはPiero Cassanoも協力しています)カンタウトーレですが、そこから生み出された曲は、平均点はクリアしているけれど、これといって個性のないもの。ほのかにひび割れた歌声はイタリアらしい心地よさを持ってはいるけれど、こういった声の人はMassimo Di Cataldo(マッシモ・ディ・カタルド)などをはじめイタリアには多数いて、やはり平均点といった感じです。悪くないのだけど、聴きどころというか、Paoloならではの個性が感じられないのが残念です。
とはいえ、アルバムとしては、ほどよく都会的に洗練されたロック色が強めのポップスと、ゆったりとメロディアスなバラード系の曲とが、よいバランスで配置されていて、気持ちよく聴けます。あまりイタリアぽさは強くなく、ゴスペルチックなコーラスが入るなどアメリカ系哀愁の匂いが強めです。声も曲もそれなりによいので、BGM的に聞き流す分には悪くないと思います。LPの内容をそのままCD化したようで、とくにボーナス・トラックなどもないため、収録時間が40分程度というのもコンパクトで、自分にとっては好ましいです。 (FIVE RECORD / CGD: CD FM 8013-2 / イタリア盤CD)
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★RICCARDO SINIGALLIA / INCONTRI A META' STRADA (2006)
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Riccardo Sinigallia(リッカルド・スィニガッリァ)は、元Tiromancino(ティロマンチーノ)の主要メンバーだった人だそうです。 2003年に『Riccardo Sinigallia』でソロ・デビューし、この『Incontri a meta' strada』はセカンド・アルバムになります。
とてもアンビエントな印象を持ったアルバムです。水面に広がる波紋のように透明でやわらかなピアノ、おだやかにつづられるシンプルな歌メロ、けっして歌い上げることのないヴォーカル。この3つの要素を中心に、静かに、ある意味淡々と、同タイプの曲が連なります。ところどころでリズムの入った曲もあるのですが、全体の印象は透明で、どこか幻想的。1曲ごとを切り出して聴くのではなく、10曲40分のアルバムを通して、曲同士の流れやつながりに身をまかせ、空間に広がっていく音の中でたゆたうことで、じんわりと良さが身体にしみこんでくるタイプのアルバムでしょう。
たとえば一時期のBraian Eno(ブライアン・イーノ)やHolger Czukay(ホルガー・チューカイ)のような、あるいはCocteau Twins(コクトー・ツインズ)や、さらにはウィンダム・ヒルのような要素もあり、また幻想フォーク風な部分もあります。M9「Impressioni da un'ecografia」などでは初期のAlan Sorrenti(アラン・ソッレンティ)を思わせる浮遊感と高揚感もあったりします。いわゆる「ポップス」「ロック」とはちょっと違った、耽美な雰囲気を漂わせる音楽なので、聴き手を選ぶとは思いますが、なかなか気持ちのいい作品です。(SONY BMG MUSIC ENTERTAINMENT: 82876865982 / EU盤CD)
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★ROCCO DE ROSA / ROTTE DISTRATTE (2002)
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Rocco De Rosa(ロッコ・デ・ローサ)は、主にジャズやワールド・ミュージックの分野で活躍しているらしいピアニストらしいです。このアルバムは、彼のピアノを中心に、ヴァイオリンやキーボード・オーケストレーションなどを配した、いわゆるウィンダム・ヒル系のような感じのものでした。
ただ、Il manifestoレーベルからのリリースですから、ただ心地いいセミ・クラシックやヒーリング系というわけではなく、エスニックでエキゾティックな雰囲気も織り込まれています。とくにヴォーカル(何語でしょうか?)やスキャットの入るM1「Rotte Distratte」、M5「Flumina」、M8「Dalgar」などは太古の森から響く祭典の歌やトラッドが入り混じったような神秘の響きがあります。どことなくDeep Forest(ディープ・フォレスト)などに通じるところもあるかもしれませんし、あるいはKate Bush(ケイト・ブッシュ)などを思い起こすかもしれません。また、ハープの響きが美しいM4「Di Ritorno」は、同じIl manifestoからアルバムをリリースしているハープ奏者、Vincenzo Zitello(ヴィンチェンツォ・ジテッロ)の作品を思い出させます。
他の曲も、ピアノの透明な音色にヴァイオリンやハーモニカ、トランペットなどが響きあい、おだやかで心地のいい音の空間が楽しめます。 (IL MANIFESTO: CD099 / イタリア盤CD)
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★EDUARDO BORT / EDUARDO BORT (1974)
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スペインのギタリスト/コンポーザー、Eduardo Bort(エデュアルド・ボルト)のファースト・アルバム。メロトロン入りの作品として、古くからプログレ・ファンのあいだで知られてますね。実際、アルバムの後半(LPのB面)ではぶわぁーっと鳴り響くメロトロンが堪能できたりしますが、自分としては「だから、どうだ?」という感じもあります。King Crimson(キング・クリムゾン)をはじめとしたイギリスのグループなどにくらべると、メロトロンの使い方が野暮ったいし、無理やりメロトロンな感じがしないでもありません。
それよりも自分には、どことなく夢見がちで、サイケ・フォークの香りも漂うアコースティック・ギターの音色のほうが心地よく感じられます。とくにアルバム冒頭のアルペジオは、星の瞬く夜に溶け込んでいきそう。ちょっと意識がとんでっちゃってるようなヴォーカルとともに、幻想的です。他の曲でも、アコースティック・ギターの音色が聴こえるパートは、ほんのりサイケデリックな香りを漂わせつつドリーミー&ミステリアスな雰囲気もあり、初期のPink Floyd(ピンク・フロイド)風というか、いろいろな国に発生したPink Floydフォロワー第一世代が奏でるような音楽に似た印象があります。
それ以外のパートは、けっこういなたくてハードな古いブリティッシュ・ロックといった感じでしょうか。オルガン・ロック・グループがたくさんあった頃のイギリスの音に近いように思います。
ちなみに、未確認情報なのですが、彼は日本で演奏したことがあるらしいです。どこかの有名なお寺で、5000人のお客さんがいたとか(あるページに his tours of Japan, playing in the major buddhist temples there to 5,000 people! と書かれてます)。 (FONOMUSIC: CD-1050 / スペイン盤CD)
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★JOZEF SKRZEK / KONCERT SWIETOKRZYSKI (1983)
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ポーランドのプログレッシヴ・グループSBBのキーボーディスト、Jozef Skrzek(ヨゼフ・スカルツェク)が1983年にワルシャワのホーリー・クロス教会で礼拝のあとに行なったコンサートを録音したものだそうです。いわゆるライヴ盤ということなのでしょうが、会場が教会ということもあってか、また演奏される曲の雰囲気にもよるのか、観客の歓声や拍手といったものは入っていません。そもそも観客がいたのかどうかもわかりませんが。
完全なソロ・コンサートだったようで、演奏者はJozefただひとり。ひとりでオルガンとシンセサイザーを演奏し、ときどきヴォーカルもとっています。古い教会につきものの大きなパイプ・オルガンがあるようで、これがとても荘厳に、美しい音を響かせます。ときには木のやわらかいぬくもりを感じさせ、ときには金属のきらびやかな音色を奏で、ときには地響きのような重厚さを響き渡らせます。
こういったオルガンのパートはいいのですが、シンセサイザーのパートが自分は苦手。なんだかグニョグニョやっているだけで、音楽として楽しめません。そして意外とこういったパートが多いのが、ちょっと自分にはつらいです。また、リズム・セクションがいないのも、自分にはつらいところ。
主にポーランド語(ですよね?)で歌われるJozefのヴォーカルは、どことなく牧歌的な雰囲気もあり、また言語の持つ響きそのものも味わいがあって、なかなか好ましく感じます。チャーチ・オルガンの響きのうえに彼の素朴なヴォーカルがのるパートがもっと多ければ、そしてそこに簡素でもいいのでリズム・セクションが入っていれば、自分にとっての好み度はもっと高くなったのになぁ。 (WYDAWNICTWO 21: 21.010 / ポーランド盤CD)
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★畑亜貴 / 棺桶島 L'ILE AUX TRENTE CERCUEILS (1999)
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リリース当時、プログレ・ファンのあいだではけっこう話題になった作品だったように思います。中古で安く売ってたので、聴いてみました。
自分は、だめだ、これ。出だしはTeru's Symphonia(テルズ・シンフォニア)風に展開していくのかなと思ったのだけど、実際、テル・シン風のファンタジックでドリーミーな音世界が広がるシンフォニック・プログレッシヴ系の音楽なのだけど、このヴォーカルがどうしても好きになれません。歌謡曲のような、アニメ主題歌のような声と歌い方。実際、この人はアニメやゲーム方面での活動が多いようで、当然といえば当然なのかもしれませんが、自分はだめです。ヴォーカル・ラインも歌謡曲風だし。そういう意味では、ジャパニーズ・シンフォ・プログレのひとつの典型かもしれません。
ファンの方によると、破滅型の歌詞が素晴らしいといった評価があるようですが、自分、歌詞ってほとんど聞かないし、あまり興味がないんです。それに、正直にいってこの人、歌詞カードなしで聞いてると、よく聞き取れないし。
ストリングスやキーボードや東洋系の管楽器なども導入され、シンフォ・プログレ、シンフォ・ポップスとしては興味深い演奏だと思います。でも、おそらくファンの方にとってはもっとも魅力的な部分であろう彼女の「歌」が、自分の好みと大きくはずれてしまっています。なんというか、おたがいに出会う相手を間違えた、といった感じでしょうか。 (AMZPHERE WORKS / ARCANGELO: ARC-1046 / 日本盤CD)