MiniRevueTitle


BELARUS


さらっと聴いたときのアルバムの印象を簡単に紹介します。


Pesniary




Песняры (PESNIARY) / Олеся (1974)   alla "Musica"
旧ソ連・ベラルーシのロック・グループ。ところどころでビート・ロック風になったりサイケデリック風なニュアンスがあったりと、1960年代後半から70年代にかけて出てきたイタリアン・ラヴ・ロック・グループの初期のころの姿となんだか重なります。といっても、そこは旧ソ連。イタリアとは違ったもの悲しさを存分にまとった哀愁がたまりません。また、曲のメロディはポップス風でも、そこに重ねるコーラスが妙にクラシックぽい合唱スタイルなので、ヨーロッパの古い歴史を感じさせる奥行きと深みと趣が醸しだされます。もちろん、オーケストラも入っています。 (DREAM SOUND STUDIO: no number? / ロシア盤CD) (2006.03.21)

PESNIARY / GUSLIAR (1980)
旧ソ連のベラルーシという国のグループだそうです。グループ名はペスニァーリと読むらしいです。アルバムにはアルファベット表記もありますが、オリジナル表記はもちろんロシア語で、グループ名は「ПЕСНЯРЫ」、アルバム名は「ГУСЛЯР」と書くようです。ぜんぜん読めません。
アルバム1枚で1曲という大作が収録されているのですが、これがすごいです。ヨーロッパの映画音楽を思わせるような美しくなめらかなストリングス・パートがあるかと思うと、テクニカルなパートあり、ヴォーカル・パートもあり、それらがバランスよく配置されていて、まったく空きません。とくにヴォーカル・パートでは混声合唱も導入され、ときにクラシカルに、ときにフラワーに、世俗と神聖のあいだを行ったり来たりします。
ひと言でいえば合唱入りのプログレッシヴ・ロックなのですが、ヴォーカル・パートは合唱ポップスでもあるといった感じです。ブラスの入ったパートではOsanna(オザンナ)風のドロドロした面を見せるかと思えば、Maxphone(マクソフォーネ)のように清清しかったりもします。
全体で1曲とはいっても、実際はいくつかの曲が切れ目なくつながっているような感じです。Yes(イエス)「Close to the Edge」のような圧倒的な構成力はありませんが、けっしてバラけた感じはなく、上手に順序だててあります。短い時間軸のなかで、静と動、緩と急、明と暗が現われては消え、機器の心を揺さぶります。これがイタリアなら、もっとパッショネイトになるのでしょうが、そうならずにクールな力強さを感じさせるところがロシア風といえるのかもしれません。
ロシア語(ベラルーシ語?)のヴォーカルも独特の味わいがありますし、もうひとつかっちりとクリアにならないところが、いかにも東欧ぽくて好ましいです。(2003.06.15)



INDEX A B C D E F G H I J K L M N O P Q R S T U V W X Y Z



Musica

Pensiero! -- la Stanza di MOA

(C)MOA

inserted by FC2 system