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C


さらっと聴いたときのアルバムの印象を簡単に紹介します。


*** canta(u)tore ***
Carlo Fava / Carlo Muratori / Cesare Basile / Checco Loy / Ciro Sebastianelli / Claudio Baglioni / Claudio Fucci / Claudio Lolli / Claudio Mattone / Claudio Rocchi / Claudio Sanfilippo / Cristiano De Andre' / Cristiano Prunas

*** canta(u)trice ***
Carmen Consoli / Caterina Caselli / Cristina Dona'

*** gruppo ***
i Califfi / i Camaleonti / Capricorn College / Cattivi Pensieri / Circo Fantasma / Circus 2000 / i Cocai / Collage / Comunicazionecorrotta / Consorzio Acqua Potabile / Coro Exodus / Corte dei Miracoli / i Cugini di Campagna





I CALIFFI / FIORE DI METALLO (1973)   alla "Musica"
プログレッシヴ・ロックのジャンルで扱われるグループですが、プログレっぽさが希薄というか、けっこう普通のロック。曲によっては大幅なパイプ・オルガンの導入とかもありますが、そのパイプ・オルガンが、あんまり壮大には響かない。彼らの基本って、おそらくポップス・グループなんでしょうね。いや、ロック・グループなのかな。そのへんのスタンスの曖昧さが、もうひとつ人気があがりにくい要因かもしれません。 (NUOVA FONIT CETRA/WARNER FONIT: 8573 82054-2 / ドイツ盤CD) (2004.07.25)



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I CAMALEONTI / IO PER LEI (1968)
 元il Volo(イル・ヴォーロ)のギタリストで、その後カンタウトーレとしても活躍しているMario Lavezzi(マリオ・ラヴェッツィ)が、il Volo以前に参加していたことで知られているグループのセカンド・アルバム。
 基本的にはオルガンを多用したビート・ロックといえるでしょう。さすがにいま聴くと、かなり古さを感じさせます。演奏やアレンジも粗く、流麗なイタリアン・ミュージックとはいえませんが、それでもメロディはイタリアらしい美しさとドラマ性を持っています。数曲ではストリングス・オーケストラも使われ、古い映画音楽のような哀愁もありますが、曲によってはアートロック風な雰囲気も色濃くあり、その点でも時代を感じさせるといえます。どちらかというとイタリアン・ファンよりは、Vanilla Fudge(ヴァニラ・ファッジ)などのファンのほうが楽しめそうです。
 学生だったころに古い時代のロックにも親しんだ自分は、こういう音楽もそれなりに楽しめるのだけど、音像のすっきりした最近の音楽しか聴いたことのない若い音楽ファンにとっては、きっと野暮ったくて面白みのないタイプの音楽になってしまうのでしょうね。
 1曲目はProcol Harum(プロコル・ハルム)の曲のイタリア語カヴァーですが、クラシカルな美しさが光っています。(2000.02.11)

I CAMALEONTI / AMICIZIA & AMORE (1974)
いわゆるコーラス系のポップス・グループですが、このジャンルで大成功したPooh(プー)などとくらべるとメロディもアレンジも田舎くさく、かなりザラザラしています。そのあたりが味ともいえますが、いま聴くと「古さ」を感じさせる原因ともなっています。
ストリングス・オーケストラも導入されて入るものの、初期のPoohのように分厚くドラマティックなものではなく、味付け程度。もともとCamaleonti(カマレオンティ)は、初期のころはProcol Harum(プロコル・ハルム)のカヴァーなどをしていたこともあるし、けっこういなたい感じが好きなのかもしれません(異論はあるかもしれませんが、Procol Harumの音楽はいなたいと自分は思っています)。
歌メロに大きなドラマなどはないのだけど、ひとつひとつのフレーズにはイタリアらしい美旋律があり、それが連なって曲になっているので、イタリア好きにはアピールしやすいでしょう。曲によっては重たいギターも入り、1960年代から70年代にかけてのイタリアン・ビート・ポップ的な要素も感じられます。
全体にこじんまりとしていますが、美しさと哀愁がある、愛らしい作品です。ところどころにプログレッシヴ・ロック風の演奏やアレンジも聴かせますが、演奏力は高くなく、ドタバタした感じがするところも逆にほほえましいです。
ポップス系のグループではあるけれど、位置的にはけっこうロック寄りといえそうです。感じとしては、ポップス・ファンに愛されるというよりはプログレッシヴ・ロック・ファンに愛されるポップ・ロック・グループといったところでしょうか。(2003.06.15)

I CAMALEONTI / MASTERPIECE (2000)
 i Camaleonti(イ・カマレオンティ)は1960年代後半から70年代にかけて活動していたグループ。初期のメンバーのなかに、のちにil Volo(イル・ヴォーロ)のメンバーとして活躍し、その後カンタウトーレとしても有名になったMario Lavezzi(マリオ・ラヴェッツィ)がいたことで、プログレッシヴ・ロックのファンのあいだでも名前が知られていますが、グループがアルバム・デヴューしたときにはすでに、Marioはグループを抜けていたようです。
 このCDはWARNER FONITの廉価のベスト盤シリーズ『Masterpiece』の1枚。主に1960年代の曲が中心に収録されています。時代柄ということもあり、ビートポップ的な要素も強くありますが、ゆったりしたメロディとおおらかなオーケストレーションを配した曲も多く、なかなかドラマティックです。
 メロディアスながらも、もうひとつスッキリとしない、どこか野暮ったい曲の展開・構成は、たとえば初期のIvan Graziani(イヴァン・グラツィアーニ)Hunka Munka(フンカ・ムンカ)などにも通じそうなイタリアらしさに満ちています。情熱的でざらざらした感じのヴォーカルも、あのころのイタリアン・ロックらしい魅力があります。英米の60'sと伝統的なイタリアン・メロディ、そして、このあとに花開くイタリアン・プログレッシヴの息吹がほどよく混じりあった、いま聴いても魅力的な音楽を演奏するグループです。
 ただ、音源が古いのでしかたがありませんが、あまり音がよくないのが残念です。演奏はあまりうまくありませんが、それなりの味があります。
 なお、M2の「L'ora dell'amore」はイギリスのProcol Harum(プロコル・ハルム)「Hamburg」のイタリア語カヴァーですが、Procol Harum独特の英国的気品とイタリアの情感がうまく調和した、とてもよい出来に仕上がっています。(2001.10.20)



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BARIMAR E CAPRICORN COLLEGE / LP DI PRIMAVERA (?)
 Capricorn College(カプリコーン・コッレジェ)といえば、コアなイタリアン・プログレッシヴ・ファンには多少、名前が知られたグループです。ファーストは日本盤CDも、いまはなきエジソンのプログレッシヴ・ロック・シリーズとしてリリースされました。
 このアルバムは彼らのセカンドですが、内容的には、プログレッシヴ・ファンにアピールするところは少ないでしょう。Barimar(バリマール)という人物との協作になっていますが、アルバムにキーボードとしてクレジットされているこの人が何者なのか、よくわかりません。
 収録された曲にはインストゥルメンタルもありますが、基本的に演奏力が低く、またプログレッシヴ・ロックというよりはイージーリスニング的でもあり、楽曲としての魅力に乏しいといえます。やはり彼らのベースはコーラス系のポップス・グループなのでしょう。ところどころでNew Trolls(ニュー・トロルス)を2回りくらい小粒にした感じのメロディ運びやヴォーカルが聴けます。
 イタリアの古いカンツォーネが持っていたような可愛らしさと美しさ、それにおとなしめの哀愁が魅力といえますが、演奏のチープさ、とくにキーボードの音づくりとアレンジに対するセンスのなさが残念です。いいアレンジャーがついて、豪華なオーケストラが入れば、けっこう王道のカンツォーネ・イタリアーナとなりそうな曲もあるのですが。ただ、ちょっと詰まった感じのひび割れ声は、イタリアらしくてなかなかいいです。
 聴きどころはそれなりにあるものの、やはりB級なアルバムでしょう。プログレもちょっと好きな、古いカンツォーネ・イタリアーナのファン向けでしょうか。(2000.04.15)



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CARLO FAVA / L'UOMO FLESSIBILE (2004)   alla "Musica"
プロデュースとアーティスト・ディレクションをBeppe Quirici(ベッペ・クィリチ)が担当しています。どことなくクールなジャズっぽさのような雰囲気をまとったポピュラー・ミュージックになっています。テレビよりも劇場のほうがにあいそうな感じ。クールさの内に秘めた情熱、渋いロマンティシズムといったものを感じさせ、いい感じです。落ち着いた大人のカンタウトーレらしい味わい深さが楽しめます。ロマンティックな都会の夜のような感じで素敵です。 (EMI MUSIC ITALY: 07243 473455 2 4 / EU盤CD) (2006.02.25)



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CARLO MURATORI / STELLA MARIS (1996)   alla "Musica"
 アコースティックな演奏によるトラッド・フォーク的な音楽ですが、曲によっては初期のAlan Sorrenti(アラン・ソッレンティ)のような、あるいはSaint Just(サン・ジュスト)のような浮遊感があります。地中海風味もあり、意外と拾いもの的な感じのある作品です。(2000.08.13)

CARLO MURATORI / PINCA POLONICA (2000)   alla "Musica"
 南欧の哀愁を感じさせる曲、地中海の海と空のキラメキを思わせる曲など、いわゆるイタリアン・ポップスのファンよりは、トラッド系のワールド・ミュージックが好きなファンのほうにアピールすると思います。アコースティック楽器による丸みと緊張感があわさった演奏、低くおだやかなヴォーカル、ゆったりしたリズムとメロディは、トラッド的、民族音楽的な色彩を強く出していますが、全体から受ける印象はけっしてシリアスではなく、ポップな雰囲気を持っています。(2001.06.17)



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CARMEN CONSOLI / CONFUSA E FELICE (1997)
アコースティックな「Bonsai」という曲で始まり「Bonsai」で終わるアルバム。きっと盆栽のことなのだろうけれど、とくに日本風な曲というわけではありません。
Carmen Consoli(カルメン・コンソリ)って、イギリスのゴシック系ニューウェーヴなどに似た曲を得意としている印象があるのですが、このアルバムでは、それほどニューウェーヴ風という感じはしません。重いベースやドラムを中心としたロックなのは変わりませんが、アコースティック・ギターの音色などが、ゴシック風、ミステリアスというより、このアルバムでは女性的な優しさ、暖かさを持っているからでしょうか。
唯一無二ともいえる個性的なヴォーカルは健在ですが、この歌も自分が聴いたことのある彼女の他のアルバムにくらべると、とても女性的ななまめかしさを感じます。
個人的にCarmenって、声はとても好きなのだけど、曲や「歌唱」の面であまり起伏がなく平板な感じがして、なんとなく退屈に思っていました。しかしこのアルバムでの彼女のヴォーカルには「歌」を感じますし、演奏にも感情の揺れや起伏のようなものを感じます。
重厚なロックからミステリアスな雰囲気を持ったニューウェーヴ風のもの、アコースティックな響きのもの、趣のあるバラード、ポップなリズムを持ったものなど、曲のバラエティや配置もよく、Carmen Consoliというアーティストの持つちからと魅力が存分に発揮されているアルバムではないかと思います。 (CYCLOPE RECORDS/POLYGRAM ITALIA/POLYDOR: 537 179-2 / イタリア盤CD) (2004.05.09)

CARMEN CONSOLI / MEDIAMENTE IATERICA (1998)
 Laura Pausini(ラウラ・パウジーニ)が中堅シンガーになったいま、Carmen Consoli(カルメン・コンソーリ)、Irene Grandi(イレーネ・グランディ)、Giorgia(ジォルジァ)あたりが、若手の女性シンガーのなかでは人気・実力ともに評価されているようです。それぞれに曲のタイプが違いますが、ジャズ・ヴォーカル風のGiorgiaと明るく元気なロック・ヴォーカルのIreneがどちらも“アメリカン”なイメージを持っているのに対し、Carmenはブリティッシュなイメージが強いと思います。
 少し薄もやのかかったようなヴォーカルには落ち着いた湿り気があり、かといって暗いわけではなく、力強さや元気さもあります。ディストーションのかかっていないエレキ・ギターのカッティングには重さと軽やかさが同居しています。ヴォーカルもそうですが、こうした演奏スタイルにも、とてもブリティッシュ・ニューウェーヴ的な匂いを感じます。局のタイプは違いますが、ところどころでイギリスのニューウェーヴ・グループのAll About Eve(オール・アバウト・イヴ)を思い出しました。
 あまり感情を強く乗せないクールな歌い方が魅力的です。もちろん、スローな曲ではそれなりになまめかしさを感じさせますが、甘い歌を聴かせたりはしません。そのあたりのスタンスと、声の質の感じも、やはり全体的にイギリス的です。
 イタリアらしさとか、イタリアならではといったものを求めるのは難しいかもしれませんが、ロック作品としてよくできたアルバムだと思います。(2002.07.21)

CARMEN CONSOLI / L'ANFITEATROELABAMBINAIMPERTINENTE (2001)   alla "Musica"
 ブリティッシュ・ニューウェーヴ風の雰囲気がクールでかっこいいCarmen Consoli(カルメン・コンソリ)のライヴ盤。バックにオーケストラを従え、主に生楽器とオーケストラの演奏に乗せて歌うという、ふつうのロック系シンガーのライヴ盤とはちょっと趣の違うアルバムです。もともと、どこかイギリスのAll About Eve(オール・アバウト・イヴ)などにも通じそうな、ミステリアスでゴシックな雰囲気を漂わせているCarmenですが、スタジオ盤と違い、バックがロック・バンドではなくオーケストラになったことで、ミステリアスさがより味わい深くなり、よりヨーロッパ的に響きます。(2003.01.26)



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Caterina Caselli / Primavera (1974)   alla "Musica"
 カテリーナ・カゼッリ(Caterina Caselli)は、もともとビート・ポップス歌手だったそうですが、このアルバムは全面にクラシカルなオーケストラを配した、非常にドラマティックで感動的なアルバムです。(1998.01.04)



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CRISTINA DONA' / NIDO (1999)   alla "Musica"
Afterhours(アフテルアワーズ)Manuel Agnelli(マヌエル・アニェッリ)がプロデュースとアレンジを担当しています。いわゆるカンツォーネ的なところはまったくなく、実験的な色彩の強いものになっています。曲調的にはフォーク風であったりロック風であったりニューウェーヴ風であったりしますが、どれも素直でないアレンジやSE等が加えてあります。Cristina Dona'(クリスティーナ・ドナー)のヴォーカルも、ときにアンニュイでエロティックになったCarmen Consoli(カルメン・コンソリ)のようであったり、Brigitte Fontaine(ブリジット・フォンテーヌ)イタリア版といった感じであったり、可愛らしくキュートであったりと、変化があって魅惑的です。 (MESCAL/SONY MUSIC: 508827 2 / EU盤CD) (2006.07.02)



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CATTIVI PENSIERI / UN'INCREDIBILE STORIA (1996)CATTIVI PENSIERI / UN'INCREDIBILE STORIA
 Cattivi Pensieri(カッティヴィ・ペンシエーリ)というのはたぶん、グループ名なのだと思いますが、パーマネントなグループなのかどうか、よくわかりません。ジャケットには金髪のお姉さんが中心にどんと写り、背景にはフォーカスをぼかして顔がぜんぜんわからない状態で男性4人が移っています。ブックレット内にも金髪姉さんの写真ばかりで、男性陣の写真はすべてぼかしてあるため、顔の判別ができません。
 推察するに、Cattivi Pensieriというのは、この金髪姉さんを売るためのユニットなのかもしれません。バックの演奏陣はスタジオ・ミュージシャンなのでしょう。形態としては、日本のZard(ザード)と同じスタイルをとっているような気がします。それにしても、金髪姉さんの名前くらいはどこかに書いてあってもよさそうなものです。
 音楽的にはポップで明るく楽しげなもの。ラップ風のヴォーカルも入り、軽やかでリズミカルな曲が収録されています。アメリカ的な音楽ともいえますが、メロディや演奏のやわらかくなめらかな感じは、ヨーロッパ的、イタリア的です。金髪姉さんのヴォーカルも、けっしてうまくはないし、ヴォーカリストとして力量・声量があるというわけでもありませんが、キュートで嫌味がありません。脅迫的なところはなく、逆に甘えた感じもなく、個性は強くないけれど、はつらつとしたなかに楽しげな感じがうかがえます。(2001.02.18)



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CESARE BASILE / STEREOSCOPE (1998)
 粘り気のあるテンションのゆるい(低いではない)エレキギター・サウンドが中心のロックヴォーカル・アルバム。けっこうイナタイ感じがします。
 Cesare Basile(チェザーレ・バジレ)の歌い方は、抑えめの声に力を入れたようなもので、天真爛漫に喉を開きっぱなしで歌うイメージのあるカンツォーネ・イタリアーナからは遠い位置にあります。いくぶんブリティッシュ・ニューウェーヴ的な印象もあり、その意味ではあまりイタリアン・ポップスらしいとはいいにくいです。それでも、あちらこちらに、おだやかに流れる川のような美しさをたたえたメロディがあり、やはりメロディの国イタリアのアーティストだなと感じさせます。
 ロックにしろラップにしろ、曲のなかに必ず流れるようなメロディが潜んでいるのがイタリアのポピュラー・ミュージックの特徴だと、自分は思います。最近はそうでないアーティストも増えてきてはいるようですが、日本のイタリアン・ポップス・ファンの多くがひかれているところは、その部分にあるのではないでしょうか。その意味でいえば、このアルバムも、イメージ的にはブリティッシュな雰囲気が多分にあるロックですが、やはりイタリアのポピュラー・ミュージックのひとつだといえるでしょう。何曲かは非常にフォーク・ロック的な素朴さを感じさせるものもあり、そういった曲ではよりイタリアを感じさせます。
 数曲でMario Venuti(マリオ・ヴェヌーティ)がゲスト参加しています。(2000.06.17)



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LOY & ALTOMARE / PORTOBELLO (1973)   alla "Musica"
Checco Loy(ケッコ・ロイ)Massimo Altomare(マッシモ・アルトマーレ)によるデュオ?アルバム。収録されている曲はどれも、アコースティック・ギターを中心にしたフォーク・タッチのもの。ときどき思い出したようにエレキ・ギターの音も聞こえますが、基本的にはアコースティック・ギターとベース、ストリングス・オーケストラをバックにふたりが交互にヴォーカルをとったりコーラスを聴かせたり、といったかたちになっています。ときおり使われるフルートの優しい音色もどこか幻想的に響きます。 (URLO / CGD: 9031 75238-2 / イタリア盤CD) (2007.07.18)



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CIRO SEBASTIANELLI / CIRO SEBASTIANELLI (2000)   alla "Musica"
主に1970年代から80年代にかけて活動していたカンタウトーレです。ちょっとFausto Leali(ファウスト・レアーリ)を思わせる、ワイルドさをたたえた力強いしわがれ声で歌います。曲調も、ポップで軽やかなものを中心に、ところどころむかしのシティ・ポップスを思わせるところもありますが、緩急のはっきりしたドラマティックなものもあります。ほどよく熱く、ほどよく哀愁があり、イタリアらしいメロディ展開もあり、歌唱力も充分。イタリアン・ポップス/カンタウトーレらしい魅力を持った人だと思います。惜しむらくは、このCDに収録されているのがオリジナル録音ではないことでしょう。そのうえ、新規に施されたアレンジのセンスが悪すぎです。(D.V.MORE RECORD: CD DV 6427 / イタリア盤CD) (2003.09.07)



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CIRCO FANTASMA / NINNA NANNA PER LA CLASSE OPERAIA (1997)
 「幽霊のサーカス」というグループ名から、ゴシック的な、陰鬱なユーロピアン・テイストにあふれた音楽が聴けるのではと期待したのですが、意外と普通のギター・ロックでした。アルバム・タイトルも、中途半端な語学知識から“Operaia”をオペラ・ミュージックと関連づけてイメージしていたのですが、これは「労働者」という意味の単語で、オペラとはなんの関係もありませんでした。
 というわけで、アルバム・タイトルは「労働者階級のための子守唄」と訳せばいいのでしょうか。そういわれると、このアルバムで聴かれる音楽は、タイトルにはあっている気がします。アコーディオンを使ってそれとなく哀愁を出したり、カントリー・ミュージック風な曲を取り入れたりしているところは、肉体労働の合間もしくは労働後の疲れた身体に染み渡りそうです。
 全体的にはざらざらとしたロックで、暗いユーロピアン・テイストを持った音楽です。ポップス・ファン向けではないでしょう。たとえばTelevision(テレヴィジョン)Tom Verlaine(トム・ヴァーレーン)などが好きな人は楽しめるかもしれません。(2000.02.11)



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CIRCUS 2000 / CIRCUS 2000 (1971)
古い作品だからしかたないのだけど、すごく時代を感じます。ちょっとざらついた低めの女性ヴォーカル、サイケ風味のギターとリズム、どちらも、いかにも1960年代〜70年代という感じ。オランダのEarth & Fire(アース&ファイア)の初期や、フランスのSandrose(サンドローズ)などを思い出してしまいました。
歌詞が英語ということもあり、イタリアらしさもあまり感じません。でも、こういった音楽が嫌いかというと、じつはそんなこともなくて、ちょっと怪しげな雰囲気漂うサイケ風味ロックが意外と心地よかったりします。時代を感じるといっても、少なくともSandroseほど古臭い音とは思いませんし、なかなか力強い女性ヴォーカルも悪くありません。
演奏はけっしてうまくないし、曲自体もこれといって優れているとは思わないのだけど、ひとつひとつのメロディが愛らしく、なんか味わいがあります。曲によってはフルートなども導入され、ちょっとした幻想味も醸します。
古い時代のサイケ・ロックなどを愛すべきものとして楽しめるなら、このアルバムも楽しめるでしょう。 (AKARMA: AK 1021 / イタリア盤CD) (2004.03.13)



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CLAUDIO BAGLIONI / same (1970)
 Claudio Baglioni(クラウディオ・バッリォーニ)のファースト・アルバム。ところどころにClaudioらしいメロディは見えかくれするものの、全体的にはカンツォーネ・テイストの強い、わりと普通のイタリアン・ポップスになっています。
 このアルバムからは、のちの大成功は、あまり予見できません。アレンジや曲想も、いまとなっては古臭い感じがします。それでも収録曲のうちの何曲かは、80年代、90年代のライヴでも歌われ続けているので、本人にとっては思い入れのある作品なのでしょう。
 のちの作品では、カンツォーネ・テイストを残しながらもアーティスティックな感性を存分に発揮した、王道のポップ・イタリアーナへと成長していく彼ですが、このアルバムの時点では、そのままカンツォーネ風だったり、劇伴風だったり、60年代ポップス風だったりと、まだ彼の個性が確立していません。ただし、独特のひび割れ声は、すでに強いインパクトがあります。
 それぞれの曲はそれなりに美しさとかわいらしさを持っているので、ひとつの音楽作品として聴けば、イタリア好きな人には楽しめるでしょう。でも、Claudioの実力はこの程度のものではないことを、Claudioのファンはみな、知っているはずです。その点を割り引いて聴くならば、秋から冬の夜に似合うような、心休まる作品だといえるでしょう。(2000.02.11)

Claudio Baglioni / Un Cantastorie dei Giorni Nostri (1971)
 オーソドックスで、いわゆるカンツォーネに近い感じの曲が多いです。美しいオーケストレーションにバックアップされ、奥行きのあるアルバムになっています。のちのアルバムにくらべると、感傷的な度合いが強いですね。
 ちなみに、自分の持っている CD(RCA/BMG 74321450642 / イタリア盤)は、どうやらオリジナルの LP とは収録されている曲順が違うようなのですが、なぜだろう?(1998.12.06)

Claudio Baglioni / Questo Piccolo Grande Amore (1972)   alla "Musica"
 本領発揮の3rd アルバム。オーソドックスなよさを残しつつも、アルバム全体で劇的なストーリーを表現する、豊潤でドラマティックなアルバムになっています。また、非常に映像的なアルバムでもあります。未熟ながらも情熱的な愛と青春を感じさせる名作。(1998.12.06)

CLAUDIO BAGLIONI / GIRA CHI TI RIGIRA AMORE BELLO (1973)   alla "Musica"
以前はこのアルバム、『Questo piccolo grande amore』『Sabato pomeriggio』にくらべると少し落ちるかなと個人的には思っていました。なんとなくアレンジ面でやりすぎてしまった、いろいろ詰め込みすぎてしまった、それに対して個々の曲の魅力が薄いのではないか……というふうに感じていたんです。
しかしいま、改めて聴いてみると、このアルバムもそれらに負けない、もしかしたらそれ以上にクウォリティの高い作品ではないかと感じられます。以前は気になったアレンジの派手さも、じつはとてもよく練り上げられていて、曲と曲をつなぐだけでなく、アルバム全体のストーリーを展開させ盛り上げるのに大きく寄与していると感じられるようになりました。(RCA RECORDS: PD70740 / ドイツ盤CD) (2003.09.07)

本領発揮第2弾。前作に引き続き、アルバム全体が大きなストーリーを持っています。曲の印象も前作の延長上にありますが、前作よりはいくぶん明るめです。アレンジ面で多少詰め込みすぎたかなという感じもしますが、やはり名作。ローマの街をコラージュしたジャケットも秀逸です。(1998.12.06)

Claudio Baglioni / E Tu... (1974)   alla "Musica"
 前2作にくらべると、ずいぶん前向きで明るい印象を持ったアルバム。RCA 時代の Baglioni は内省的なイメージが強いのですが、このアルバムにはリラックスした印象があります。肯定的な優しさにあふれた、若さと瑞々しさがひときわストレートに伝わってくるアルバム。(1998.12.06)

Claudio Baglioni / Sabato Pomeriggio (1975)
 ルイス・エンリケス・バカロフ(Luis Enriques Bacalov)による艶やかなオーケストレーションが麗しいアルバム。前作の持つリラックスした感じと、それ以前のアルバムに見られたドラマ性が、1枚のアルバムの中で融合しています。聴きやすさと芸術性を併せ持った名盤。(1998.12.06)

Claudio Baglioni / Solo (1977)
 このアルバムを最後に、CBS に移籍します。前2作に比べると、全体的に内省的な感じで、初期の頃に印象が近いといえます。1曲目「Gagarin」は往年のバッリォーニらしい名曲で、サビの唄い込みは感動的。この次のアルバムでの変貌が信じられないくらい、奥行きのある名盤です。(1998.12.06)

Claudio Baglioni / E Tu Come Stai? (1978)   alla "Musica"
 CBS 移籍後の最初のアルバム。これまでからは想像もつかないような、カラフルでクリアなギターから始まり、おしゃれでポップな曲、美しいバラードなど、さまざまなタイプの曲が聴けます。アルバム全体としてはまとまりがなく、過渡期的作品かと思います。(1998.12.06)

CLAUDIO BAGLIONI / STRADA FACENDO (1981)   alla "Musica"
 アップテンポのポップ・ナンバーからスローなバラードまで、いろいろなタイプの曲が収録されていますが、そのどれもが、こちらに手を差し伸べるような親しみに満ちています。たとえば、明るい太陽の下でともに青春時代を過ごした友人に、ある程度の年齢になったときに久しぶりに会ったなら、このような気分を感じられるのではないでしょうか。
 収録曲それぞれが完成度の高い名曲ぞろいで、同時にアルバムとしても、曲調のバランス、配列ともによく考えられていて、1枚を通してドラマを感じられる名盤だと思います。(1999.09.12)

CLAUDIO BAGLIONI / LA VITA E' ADESSO (1985)
 RCAレーベル時代の情緒の強い音楽から、CBSレーベル時代の垢抜けたポップスへと変換していったClaudio Baglioni(クラウディオ・バッリォーニ)。CBSからの3作目になるこのアルバムでは、都会的なすっきりとした響きが多く聴けます。
 このころになると、初期のころにくらべて声に重さがなくなり、いくぶん細くなってしまったようで、RCA時代の力強くも情感にあふれたヴォーカルが好きな自分としては、少し残念でもあります。ただ、ポップな曲想には、この声のほうがあってはいるのかもしれませんが。とはいえ、もちろん、声にも曲にも彼らしい奥行き、広がり、情感は失われていません。
 シンセサイザーの音づくり、アレンジが、いまとなってはちょっと安っぽく、薄っぺらに感じるところもありますが、圧倒的なロングトーン・ヴォーカルが聴ける「Tutto il Calcio Minuto per Minuto」や、ライヴでも盛り上がる「La Vita e' Adesso」など、名曲も多く収録されています。(1999.12.05)

CLAUDIO BAGLIONI / ASSOLO (1986)   alla "Musica"
 バック・ミュージシャンなし、CD2枚分フルタイム、およそ2時間を、ギターとキーボード、ピアノの弾き語りで歌いきってしまうライヴ盤。シンガーとして、そしてコンポーザーとしての彼の生の魅力がひしひしと伝わってくる、Claudioファン必携のアルバムです。(2000.02.11)


CLAUDIO BAGLIONI / OLTRE (1991) *日本盤
 熱心なファンの間では最高傑作との声も多い『Oltre』。オリジナルはCD2枚組の大作ですが、日本や、イタリア以外のヨーロッパなどでは、1枚ものに編集されてリリースされました。1枚ものといっても収録時間は約1時間と、非常に密度の濃い、充実した内容になっています。また、編集に際しては、たんに曲をカットするだけでなく、曲の並び順にも変更が加えられています。
 オリジナルの2枚組は、作品としてのクオリティは非常に高いながらも、いくぶんボリュームがありすぎて重い印象があります。しかし編集盤では1枚にシェイプアップされ、曲の配置もそれにあわせて変更されたことで、メリハリの利いた内容となり、聴きやすさが強まっているように思います。全体の構成がシンプルになったことで、1つひとつの曲の持つメロディや、Claudio Baglioni(クラウディオ・バッリォーニ)のヴォーカルの魅力も、よりわかりやすく浮かび上がってきているのではないでしょうか。
 この作品には、すっきりとした音像、なだらかで広がりのあるメロディ、奥行きのあるアレンジ、そして伸びやかなヴォーカルと、Claudioの作品の持つ優れた面が凝縮されているといえるでしょう。それゆえ、質感や密度が高すぎると感じる点が、オリジナルの2枚組には多少ありました。その点で、もしかしたら先にこの1枚に編集されたものを聴いてから、改めてオリジナルの2枚組を聴いたほうがわかりやすく、楽しめるかもしれません。
 Pino Daniele(ピーノ・ダニエーレ)Paco De Lucia(パコ・デ・ルチア)、Youssou N'Dour(ユッスー・ンドゥール)といった大物ゲストが参加していますが、Claudioの圧倒的な存在感の前では、彼らもかすんでしまいます。(2000.03.12)

Claudio Baglioni / Assieme (1992)
 ライヴ盤。日本盤もリリースされました。CBS 移籍後の曲が中心に収められていて、RCA 時代の曲は3曲しかありません。曲のよさ、唄のうまさは当然ですが、それ以上に、会場との一体感が素晴らしいです。観客の歓声、唄を盛り上げるコーラスが、まさに感動的。彼がスーパー・スターであることが実感できます。(1998.12.06)

Claudio Baglioni / Ancorassieme (1992)
 『Assieme』の好評を受けてリリースされたライヴ盤。こちらは1970年代の代表曲が半分ほどを占めています。フル・アレンジの曲は、オリジナルとくらべると貧弱な感じはぬぐえませんが、アルバム最後の、ギター弾き語りを中心にした名曲メドレーは、観衆の大合唱が感動的です。
 スタッフにサロ・コゼンティーノ(Saro Cosentino)の名がありますが、L'ottava からミニ・アルバムを出したあの Saro でしょうか?(1998.12.06)

CLAUDIO BAGLIONI / IO SONO QUI (1995)
 全体的にリラックスした空気が感じられるアルバム。アレンジ的には重みや厚みがあまりありませんが、Claudio Baglioni(クラウディオ・バッリォーニ)の場合、声自体に厚みと広がりがあるので、このようなアレンジでも説得力は充分です。
 アルバム全体を大きく4つのパートに分け、幕間をセレナーデふうの小曲でつなぎ、アルバム全体でのストーリー、統一感を出しています。それぞれの曲は都会的に洗練された、1980年代以降のスタイルになっていますが、幕間のセレナーデは昔の彼を思い出させるようなロマンティックなものになっています。そして、アルバムの最後ではこのセレナーデは通常の長さを持った1曲として演奏され、ドラマティックなエンディングを迎えます。
 自分としては全体的に、もう少し彼の圧倒的な“唄”を表現するような、力の入った熱唱やロングトーンなども期待したいところです。そういう点ではいくぶん、自分にはおしゃれすぎかな。(1999.07.03)

CLAUDIO BAGLIONI / ATTORI E SPETTATORI (1996)   alla "Musica"
 『Io Sono Qui』のあとにリリースされた、軽やかでポップな、おしゃれな感じライヴ盤。非常にリラックスした空気が感じられます。ただ、ハウス・ラップ的な極端なアレンジが施された70年代の名曲「Poster」はいかがなものかなぁ。(2000.02.11)

CLAUDIO BAGLIONI / ANIME IN GIOCO (1997)
 いろいろなカバー曲を集めた企画ものアルバム。彼の自作曲は入っていません。Claudio Baglioni(クラウディオ・バッリォーニ)はイタリアでテレビ番組を持っているらしく、番組に出演したゲストなどとデュエットしたものを収録しているようです。多分、番組からみの企画盤なのでしょう。
 カバーを集めた企画アルバムという性格上、収録されている曲は派手な感じのものが多いです。もちろん、彼のヴォーカルの素晴らしさはこのアルバムでも発揮されていますが、これから彼のアルバムを聴こうという人にはおすすめできません。彼のことですから当然、アルバムとしてのクオリティは、そこらの中堅シンガーには負けませんが、あくまでも企画ものであるととらえたほうがいいでしょう。(1999.08.15)

Claudio Baglioni / Da Me A Te (1998)
 シングル、なんだけど40分以上も収録時間があります。「Da Me A Te」という曲を中心に、その主題となるメロディをさまざまなテーマ(ヘヴィ・メタル風、オーケストラ風、など)のもとにアレンジした、ある意味ではコンセプト・アルバムとも呼べるもの。シングルではあるけれど、ミニ・アルバムでもあるように思います。(1998.12.06)

CLAUDIO BAGLIONI / VIAGGIATORE SULLA CODA DEL TEMPO (1999)   alla "Musica"
 1900年代最後を飾るこの作品は、表面的にはデジタル・ロック的な音触や、ハウス的であったりオリエンタルなエキゾティシズムを感じさせるアレンジなど、80年代以降のいろいろな音楽のエッセンスを吸収したことをうかがわせるものになっていますが、ベースとなっているメロディと唄は、まぎれもなく彼のものです。シンガー/コンポーザーとしての彼を愛しているファンなら、間違いなく楽しめるはずです。(2000.01.10)

CLAUDIO BAGLIONI / ACUSTICO - SOGNO DI UNA NOTTE DI NOTE (2000)   alla "Musica"
 2000年の夏からスタートしたアコースティック・セットのライヴ・ツアーを収録した2枚組CD。アコースティック・セットといっても完全なアンプラグドではなく、ベースや一部のギターなどにはエレクトリックが使われています。
 ガット・ギターの優しい音や、多少硬めできらびやかなアコースティック・ピアノの音などに包み込まれたClaudio Baglioni(クラウディオ・バッリォーニ)の歌は、いつもどおりの深みと暖かさを持っています。1970年代の初期の曲から99年の最新盤収録曲まで、幅広い年代から選曲がされています。11月半ば過ぎにリリースされたこのアルバムは、ファンにとっては素敵なクリスマス・プレゼントになったことでしょう。(2001.01.21)

CLAUDIO BAGLIONI / INCANTO tra pianoforte e voce (2002)   alla "Musica"
 2001年にイタリア各地の劇場を回って行なわれたピアノの弾き語りによるコンサート「InCanto tour」を収録した3枚組ライヴ・アルバム。シンプルな演奏をバックに、歌声が深く響きます。選曲は、デヴュー当初から最近の曲まで、比較的満遍なく、ほぼすべてのアルバムからピックアップされています。なかでも「Solo」は、メロディのよさが改めて再認識できます。総じてRCA時代の曲のほうが1980年代以降の曲よりもメロディ・ラインが素直でロマンティックな印象を受けますが、シンプルなピアノの演奏で歌われる「Solo」は、それを端的に表わしているように感じます。(2002.08.31)

CLAUDIO BAGLIONI / SONO IO - L'uomo della storia accanto (2003)   alla "Musica"
スタジオ盤としての前作『Viaggiatore sulla coda del tempo』は1999年暮れのリリースで、「時の終わりの旅人」というタイトルどおり、20世紀の最後を締めくくり、さらに新しい世紀への旅立ちを感じさせるにふさわしい、深い奥行きとドラマ、スケール感を持った力作でした。そして、21世紀最初のスタジオ盤となるのが、この『Sono io - l'uomo della storia accanto』です。前作がこれまでのClaudio Baglioni(クラウディオ・バッリォーニ)の音楽の集大成だったことから、このアルバムでは「新世紀を迎えた新しいClaudioの第一歩」を期待したかったのですが、位置づけ的には前作と同様「これまでのClaudioの集大成第二弾」のように思えます。内容的に悪いものではないのだけど、自分としては、いろいろな意味を含めて、次作に期待したいです。(2003.06.14)



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CLAUDIO FUCCI / CLAUDIO FUCCI (1974)
Tridentレーベルの幻の(忘れられた?)1枚だそうです。Trident再発シリーズの1枚として初CD化(らしい)されました。
Claudio Fucci(クラウディオ・フッチ)は、まるくあたたかい歌声を持ったカンタウトーレ。内容的には、ほとんどアコースティック・ギターの弾き語りに近い演奏に、ハーモニカやスライド・ギター、リズム、ピアノなどをちょっぴり加えてみましたといったもの。非常に地味なカンタウトーレ作品です。これがどうして個性の強い作品が多いTridentからリリースされたの? といった印象です。
パートによってはIl Volo(イル・ヴォーロ)などを思わせる演奏があったり、ブルージーでいなたいエレキ・ギターが入ったり、ほんのりサイケ・フォーク風味があったりということはありますが、全体のなかでのプログレッシヴ比率は低いと思います。どちらかといえば、やはりフォーク・アルバムでしょうね。バリバリのプログレッシヴ・ロック・ファン向けではないと思います。かといって、一般のカンタウトーレやイタリアン・ポップスのファン向けでもないです。1970年代のプログレッシヴ・カンタウトーレ作品などを楽しめる、一部のコアなプログレッシヴ・ファン向けですね。
全体に流れるゆったりしたやさしさ、やわらかさは魅力です。少し頼りなげな歌声も個性があり、味わいを深めています。プロデュースはEugenio Finardi(エウジェニオ・フィナルディ)が担当してます。 (TARGET/FONIT CETRA/BTF: TRI 1007 / イタリア盤CD) (2004.01.04)



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CLAUDIO LOLLI / ASPETTANDO GODOT (1972)
 Claudio Lolli(クラウディオ・ロッリ)は非常に活動歴の長いカンタウトーレなのですが、自分はアルバムを聴くのがはじめてです。
 とてもおだやかなフォーク・ミュージックが聴けます。優しいアコースティック・ギターの響きに、時折聴こえてくるフルートが幻想味を加えます。曲によってはヴァイオリンも入り、さらに優しい感じになります。
 ヴォーカルも、カンタウトーレらしい言葉を聴かせるタイプの歌い方で、その点でイタリア語がわからない身にはとっつきにくさはありますが、おだやかな田園風景が浮かんでくるような曲想は、それだけでも充分に魅力的です。この感じは、イタリアのカンタウトーレというよりも、イギリスのトラッド・フォーク系歌手のイメージに近いかもしれません。
 派手なところはまったくなく、淡々とした曲展開、メロディ、歌が、まるでずっと前からそこにあったように、そしてこれからもずっとそこにあるかのように、自然に存在していると感じられます。地味だけど、味わいのある作品です。(2001.04.22)

CLAUDIO LOLLI / COLLEZIONE (2001)
 Claudio Lolli(クラウディオ・ロッリ)は、どちらかというと歌詞を大切にするタイプのカンタウトーレのようで、メロディは淡々とした地味なフォーク・タイプの曲なため、イタリア語のわからない自分のような者には、曲が本来持つ魅力の半分も伝わっていないのだろうと思います。ただ、歌詞の意味がわかれば魅力が倍増するかというと、かえって幻滅する場合もポップスの世界ではよくあるので(Claudioの曲がそうだといっているのではありません)、わからないままでいるというのも悪いことではありません。
 アコースティック・ギターを中心にしたおだやかなフォーク・タッチの曲に乗るClaudioのヴォーカルは、けっして激したりすることもなく落ち着いていますが、その背後には、秘めた心の強さがうかがわれます。そのため、言葉の意味はわからないものの、なにかがこちらに伝わってこようとするのが感じられるのです。
 メロディ・ラインや曲構成にも派手なところはなく、ドラマティックな展開なども見せませんが、カンタウトーレらしいロマンティシズムとリリシズムがあります。「Piazza bella piazza」などではフルートも使われ、シンフォニック・プログレ的な幻想味も表現されています。
 ベスト盤という性格上、アルバムとしてのテーマ表現や構築性は期待できませんが、それぞれの曲が淡く神秘的な雰囲気をたたえていたりするので、それほどバラけた印象はありません。地味な作風ですが、カンタウトーレ・ファンや叙情派プログレッシヴのファンには愛されそうです。なかなか味わいのあるカンタウトーレです。(2001.08.19)



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CLAUDIO MATTONE / SCUGNIZZI (1992)   alla "Musica"
 名義はClaudio Mattone(クラウディオ・マットーネ)ですが、彼は唄っていません。同名映画のサントラのようで、すべての詞・曲は彼が提供しています。
 サントラとはいえ、内容的には歌ものアルバムとして楽しむに充分な魅力を持っています。南イタリア風の素朴だけど暖かみのある音楽が聴かれます。Fratelli d'Itano(フラテッリ・ディターノ)Nino D'Angelo(ニーノ・ダンジェロ)に通じるところもあると思います。(1999.06.05)



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CLAUDIO ROCCHI / VIAGGIO (1970)   alla "Musica"
まるで悪夢を見ているかのような、非常に不安定で乱れた感覚に満ちた、ミュージック・コンクレート的な曲で始まるClaudio Rocchi(クラウディオ・ロッキ)の1st アルバム。2曲目以降は効果音なども入るとはいえ、基本的にシンプルなギターの弾き語りなので、この1曲目だけはちょっと異色に感じます。全体的にサイケデリック・フォーク的な印象はありますが、1曲目のこの混乱はなんだろう。バッド・トリップという言葉が思い浮かびます。暖かく穏やかな印象の曲もあるのですが、どこか繊細で、透明で、すぐにももろく崩れてしまいそうなヴォーカルが、なんとなく不安な感じを与えます。さまざまな効果音や土着宗教を思わせるようなコンガの音が、いっそう心をかき乱します。非常に好き嫌いが分かれそうな、約45分ほどのマインド・トリップ。(1998.02.15)

CLAUDIO ROCCHI / A FUOCO (1977)   alla "Musica"
Claudio Rocchi(クライディオ・ロッキ)というと、どうしても初期のころの、サイケデリックで、幻想的で、ちょっと呪術的・神秘的な印象を持った曲を思い浮かべてしまうのだけど、このアルバムにはそういった印象が希薄です。ほんの少しだけ代表曲「Volo magico」を感じさせるような東洋的神秘ふうの音もなくはないのですが、それが音楽のなかでうまく消化されているかというと、そうではない感じです。そんなこともあって、このころ(というか、初期以外)の作品って、あまり評価が高くないのでしょう。
とはいえ、いわゆる叙情系のカンタウトーレ作品としては充分以上のクオリティがあります。いくぶん神経質なヴォーカルはここでもPeter Hamill(ピーター・ハミル)を思わすような独特の存在感と個性がありますし、ほどよくシンフォニックな演奏も、いかにもプログレッシヴ・カンタウトーレといった感じです。(MERCURY / POLYGRAM ITALIA: 522 566-2 / イタリア盤CD) (2003.09.07)

CLAUDIO ROCCHI / same (1994)   alla "Musica"
 Claudio Rocchi(クラウディオ・ロッキ)といえば、どうしても初期の、幻想的で、繊細で、あやうい精神状態の上にかろうじて乗っているような、うかつに触れると壊れてしまいそうな、そんな音楽性を思い浮かべてしまいますが、ここに聴かれる音楽には、不安もあやうさもありません。落ち着いて、おだやかなものになっています。アルバムのオープニング曲は、あの「Volo magico」のパート3ですが、エンディングの部分であのフレーズが聴こえてはくるものの、以前の「Volo Magico」を知っている人が期待するであろう、深い精神性は感じられません。
 とはいえ、この作品をつくったのがClaudio Rocchiであることを考えなければ、なかなかなのクオリティを持ったアルバムだといえるでしょう。妖精の住む森の奥に広がる、色とりどりの花に囲まれた草原で、おだやかな風に吹かれているような、安らかで少し神秘的なフォーク・ミュージックです。(2000.10.12)



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CLAUDIO SANFILIPPO / ISOLE NELLA CORRENTE (1999)
 Claudio Sanfilippo(クラウディオ・サンフィリッポ)は、1996年の「Targa Tenco」というコンテスト(?)の優勝者らしいのですが、この「Targa Tenco」というのは、どういう催しなのでしょうか。その名称からLuigi Tenco(ルイジ・テンコ)に関連したものではあるのでしょうが。ちなみに自分は、Luigi Tencoの曲は1曲しか聴いたことがありません。
 Claudioは少なくともこのアルバムの前にもう1枚、『Stile Libero』というアルバムがありますが、ほかにもアルバムがあるのかはわかりません。もしかしたら、意外とキャリアは長いのかもしれません。
 アコースティック・ギターをメインにしたバッキングに、静かにつぶやくかのような歌が乗る、非常におだやかな作品です。ドラムやベースといったリズム楽器は入っておらず、エレクトリックな楽器もほとんど入っていません。柔らかな、手作りな感覚にあふれた音で満ちています。なかでもガット・ギターの丸く暖かい音色は、とても心が休まります。
 ジャズ・バラード風、ブルーズ・フォーク風、そしてボサノバ風なたたずまいを聴かせながらすすむこのアルバムは、とても地味ですが、コーラスを効果的に使った曲を織り交ぜるなどの工夫もあり、途中で飽きることなく聴けます。どことなく初期のFabrizio De Andre'(ファブリツィオ・デ・アンドレ)Lucio Battisti(ルーチォ・バッティスティ)を思い起こさせもします。
 いわゆるサンレモ系イタリアン・ポップスとは違うので、多少リスナーを選ぶタイプの音楽かと思いますが、しみじみと暖かい、味わいのある作品です。(2000.06.17)



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i Cocai / Piccolo Grande Vecchio Fiume (1977)
 プログレ系だけど、唄ものっぽいアルバム。やたら白玉ベタ押しのキーボード・アレンジは、ちょっとイージーすぎ。(1998.05.31)



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Collage / Tu Mi Rubi l'Anima (1996)
 発行年が1996年になっていますが、新譜なんでしょうか? イタリアのこういう古いグループは、昔の曲を新録したベスト盤のようなものを、ベスト盤風じゃないタイトルをつけて出すことが少なくないようなので、収録曲がすべて新作かどうかわかりません。
 曲はコッラージェ(Collage)の持ち味がいかんなく発揮された、美しくロマンティックなものになっています。ディストーションギターの入ったものもありますが、やはりキーボード系のオーケストレーションを従えたもののほうが自分は好き。(1998.12.06)



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COMUNICAZIONECORROTTA / DECADANCE (2000)
 大物カンタウトーレ、Antonello Venditti(アントネッロ・ヴェンディッティ)がプロデュースしたグループだというので、フォーク系のグループなのかと思ったのですが、かっちりしたリズムの軽やかでイキのいいロックが出てきたので、ちょっとびっくりしました。アルバム全体を通して、明るく乾いた感じの元気なロックが聴けます。
 ところで、このちょっと特徴のあるひび割れ声とコーラスワーク、明るく乾いているのだけどほのかにイタリアンな哀愁を感じさせるメロディ、パシパシと切れのいいリズムって、どこかで似た感じを聴いたことがあるなといろいろ思い出してみると、たぶんStadio(スターディオ)の音楽性に似ているのではないでしょうか。
 大物カンタウトーレのAntonelloがプロデュースしたグループと、やはり大物カンタウトーレであるLucio Dalla(ルーチォ・ダッラ)のバックバンドからスタートしたStadioの音楽性に、なんとなく共通点を感じるというのは、ちょっと奇遇ではあります。
 この“リズム”のよさは、あまりイタリアらしくありません。といっても、Stadioほど小気味よいわけではなく、いくらかはイタリア的な“うたうような”リズムの感じもあるのですが、それにしても演奏がうまいです。やはり彼らもスタジオ・ミュージシャン出身なのだろうかとメンバー構成を見たところ、じつはこのグループはふたりのヴォーカリストとひとりのギタリストによる3人組で、その他の演奏はゲスト・ミュージシャン、つまり本当にスタジオ・ミュージシャンが演奏していました。なので、演奏がうまくてあたりまえなのでした。
 演奏の大部分はスタジオ・ミュージシャンが占めているとはいえ、曲は自分たちで書いているようですし、その曲がなかなかいいメロディと展開を持っています。今後もよいプロデューサーに恵まれれば、意外といいグループに育っていきそうです。(2000.09.16)



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CAP(Consorzio Acqua Potabile) / ROBIN DELLE STELLE (1998)
 往年のイタリアン・プログレッシヴ・ロックを彷彿させるグループです。もうひとつスッキリとしない、もっちゃりとしたリズムや、どこか垢抜けない楽器の音色など、自分が愛してきたイタリアン・プログレッシヴの形態が、そこにあります。
 イタリアのグループらしく、情熱的なヴォーカルは素晴らしいです。このパッションは、イタリアン・ミュージックの大きな魅力といえます。
 昨今の、ヘヴィ・メタル・ベースのプログレッシヴ・ロックが好きな人には、こういう音楽は野暮ったく感じられるのではないかと思いますが、その野暮ったさこそが、往年のイタリアン・シンフォニック・プログレッシヴの醍醐味だったんじゃないかと、自分は思ってます。(1999.02.11)



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CORO EXODUS / MONDO PERFETTO (1997)   alla "Musica"
 Premiata Forneria Marconi(プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ。PFM)のギタリスト、Franco Mussida(フランコ・ムッシーダ)がディレクションしたコーラス・グループ。楽曲のほとんどをMussidaが書いていて、「Impressioni Di Settembre」も演奏されています。
 アモーレな甘さとは無縁の、すがすがしく神聖にも聞こえる混声合唱を頻繁に使用したこの作品は、たとえばSchola Cantorum(スコラ・カントルム)が現代に甦ったらこんな感じになるのではないかと思いました。(1999.07.03)



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CORTE DEI MIRACOLI / same (1976)
 重厚なダブル・キーボードが魅力的なシンフォニック・ロック・グループ。今となっては非常にオーソドックスな古のイタリアン・プログレで、プログレッシヴ・メタルから入ってきたような最近のプログレ・ファンにアピールするところは少ないかもしれません。野暮ったくて垢抜けないけれどイタリアらしい熱さのある音楽です。
 演奏やアレンジはいわゆるイタリアン・プログレらしいものですが、それ以上に自分にとって魅力的なのはヴォーカル・ラインです。こういうメロディを聴くと、プログレもポップスも、けっきょくはイタリアン・ポピュラー・ミュージックの一形態にすぎないのだなと感じます。つまるところ、自分にとってのイタリアン・ミュージックの魅力の大きな要素は、そのメロディだということが再認識できました。(1999.07.03)



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CRISTIANO DE ANDRE' / L'ALBERO DELLA CUCCAGNA (1990)   alla "Musica"
 このアルバムが日本で紹介されたときはたしか、地中海音楽の好盤といったような評価だったと記憶していますが、実際にアルバムを聴いての自分の印象は、地中海音楽というよりはフォークソングかなという感じです。それも、アメリカの古きよき時代を思わせるような、やさしく暖かなフォークソング。アルバム前半に収録された曲は、どことなく地中海のキラキラした光の輝きが感じられます。しかし後半は、泥臭いフォークソングが中心になってきます。(2003.03.02)

Cristiano De Andre' / same (1993)   alla "Musica"
 クリスティアーノ・デ・アンドレ(Cristiano de Andre')は、いまも高い人気をもつカンタウトーレのファブリツィオ・デ・アンドレ(Fabrizio de Andre')の息子ですが、多少難解でアーティスティックな感じのする父ファブリツィオにくらべると、ポップでなじみやすいアルバムです。(1998.01.04)

CRISTIANO DE ANDRE' / SCARAMANTE (2001)   alla "Musica"
お父さんはいわずと知れた偉大なカンタウトーレ、Fabrizio De Andre'(ファブリツィオ・デ・アンドレ)。いわばCristiano(クリスティアーノ)は2世シンガーなわけですが、親の威光に依存することなく、ぽつぽつとではありますが味わいの深い作品をリリースし続ける、中堅どころのカンタウトーレに育ちました。Massimo Bubola(マッシモ・ブボラ)Mauro Pagani(マウロ・パガーニ)といった才能のあるアーティストたちにもかわいがられているようですし、Daniele Fossati(ダニエーレ・フォッサーティ)との関係も続いているようですし、それもきっとカンタウトーレとしてのCristianoを彼らがきちんと認めているからなのでしょう。スローなポップスやフォーク風なもの、民族音楽のニュアンスのするもの、軽快なものなど、曲調はさまざまですが、それぞれに落ち着いた魅力があります。 (TARGET/EDEL ITALIA: 01 3449 2ERE / ドイツ盤CD) (2006.02.05)



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CRISTIANO PRUNAS / CIPPO (1995)
 ジャケット写真を見る限り、まだ若いカンタウトーレのようです。Andrea Bocelli(アンドレア・ボチェッリ)で一気にメジャーになった感のあるSugarレーベルからリリースされたこのアルバム以外にも、彼は何枚かのアルバムをリリースしているとの話もありますが、自分は聴いたことがありません。Sugarとの契約もとっくに失ってしまったようで、いまもまだ活動しているのかは不明です。
 このアルバムは全曲が自作曲ですが、レコーディングやミックスダウンはロンドンで行なわれています。そのためか、音づくりのはしばしにイギリス的な匂いがするように感じます。
 収録されている曲はギターのストロークを中心としたミディアムテンポのポップスが中心で、とてもおだやかでやわらかいものです。イタリアの若いカンタウトーレらしいところはありますが、アレンジや音づくりに適度なテンションを感じさせる透明感があり、都会的な雰囲気を表現している点に、ロンドン録音が影響しているのかもしれません。また、ちょっと内向的な感じのするヴォーカルも、イギリスのシンガーを感じさせます。
 メロディ展開や曲の構成に派手さがなく、全体的に淡々としているため、ドラマティック&メロディアスなイタリアン・ポップスを期待すると肩透かしですが、いわゆるヨーロッパのロック・ヴォーカルとして聴けば、それなりのクオリティを備えているといえるでしょう。
 1曲だけ、ギターで元Genesis(ジェネシス)Steve Hackett(スティーヴ・ハケット)が参加しているのですが、これといって活躍しているわけではありません。また、英語で歌っている曲もあります。
 けっきょくのところ、こういった音楽を聴くのであれば、イギリスのアーティストのほうが完成度が高いのではないかなと思います。(2000.09.16)



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I CUGINI DI CAMPAGNA / ANIMA MIA (1997)
 イ・クジーニ・ディ・カンパーニャ(I Cugini Di Campagna)は、とてもイタリアらしい、美しくてドラマティックな曲を唄うコーラス・グループ。メイン・ヴォーカルが基本的にファルセットなのが自分にとってはつらいのですが、歌メロは感動的に美しかったりします。
 このアルバムはスタジオ録音とライブ録音(同じ D.V.MORE から出ている、歓声をかぶせただけという噂もあるライブ盤と同じ音源だと思います) が交互に収録されていますが、ライブ録音の曲のほうが圧倒的にいいです。スタジオ録音の曲は中途半端に現代風で、曲もよくないし、ファルセットでないヴォーカルもよくない。というわけで、このアルバムを買うよりは、ライブ盤を聴いたほうがいいでしょう。
 代表曲(らしい)である「Anima Mia」は名曲ですが、クラウディオ・バッリォーニ(Claudio Baglioni)が『Anime In Gioco』で唄っているヴァージョンのほうが数段よいです。(1998.11.03)



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