SERBIA MONTENEGRO
さらっと聴いたときのアルバムの印象を簡単に紹介します。
galija / Tako / Zlatko Manojlovic
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★GALIJA / VECITA PLOVIDBA (1997)
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気がついたらいつのまにかユーゴスラビアっていう国はなくなっていて、いまはセルビア・モンテネグロというのですね。Galija(ガリージャ？)は、そのセルビア・モンテネグロ(旧ユーゴスラビア)のグループだそうです。ちなみに英語表記のほうが入力しやすいのでGalijaと書いていますが、正式にはГАЛИＪАと書くようです(アルバム・タイトルのほうは『ВЕЧИТА ПЛОВИДЪА』)。
このアルバムはGalijaのベスト盤のようで、独特の哀愁がプログレッシヴ・ファンの心をそそります。７枚のアルバムから選曲されていますが、それらがいつごろのリリースなのかはわかりません。グループはけっこう古くから活動しているようで、そういうこともあってか、このCDに収録されている曲にも1960年台から70年代にかけてのブリティッシュ・ロックやアート・ロック、そしてイタリアン・ロックにも通じるような香りがあるように思います。歌詞はユーゴスラビア語(？)のようですが、あまり東欧を感じさせない気がします。
各楽器の音やアレンジは比較的素直で、テクニカルなパートはあまりありません。M4「ＪОШ УВЕК САＨＪАМ」などではヒューマンヴォイスによるコーラスやパイプオルガン風のキーボードが入り、ドラマティックです。一方で単純なロックンロールもあったりして、グループとしての音楽性はけっこう雑多というか、混沌としているというか、あんまり考えていないのかなという感じもあります。
力強いヴォーカルは魅力的で、この声が叙情的な曲に乗ったときはかなり強力です。このパワフルなヴォーカルと、あまりこなれていないプログレッシヴ・アレンジが、往年のイタリアン・プログレッシヴを思い出させるのかもしれません。これでヴォーカル・ラインにもっと魅力があればいいのになぁ。(2003.07.20)
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★TAKO / U VRECI ZA SPAVANJE (1980)
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Tako(ターコ)はたしか、ユーゴスラヴィアのグループだったと思います。日本語で発音するとかなりマヌケなグループ名ですが、どういう意味なんでしょうか。
演奏されている曲は、完全なシンフォニック・プログレッシヴ・ロック。プログレッシヴ・ロックというよりも、ロック・シンフォニーといったほうがイメージが浮かびやすいかもしれません。重厚なキーボードを中心にした、クラシカルで壮大な音楽ドラマが収録されています。
ヴォーカルの入らないインストゥルメンタル作品ですが、ヴォーカル指向でインストが得意でない自分でも飽きることなく全編を一気に聴くことができるのは、メロディがよく、アレンジがうまく、唄心があるからでしょうか。
1980年代といえば、西欧のプログレッシヴ・ロックはスタイリッシュな方向へ向かいだしたころではなかったかと思いますが、東欧ではまだ、昔ながらのよさ、ヨーロッパらしい哀愁と素朴なドラマティックさが残っていました。このアルバムでもそういった、東欧プログレッシヴならではの味わいが強く感じられます。音づくり的には、キーボードもギターも、西欧より５年か10年くらい遅れているように思いますが、そういった“古さ”もまた、東欧独特のひなびた哀愁を誘うのに役立っています。
ところどころに東洋を感じさせるメロディには、懐かしさを覚えます。適度にハードかつスリリングで、劇的に展開するアルバムです。フォルクローレ的要素を持った、とてもプログレッシヴ・ロックらしい作品だといえるでしょう。よいです。(2000.11.12)
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★ZLATKO MANOJLOVIC / JEDNOJ ZENI (1986) alla "Musica"
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プログレッシヴ・ロックじゃありませんし、プログレッシヴ・カンタウトーレといった感じでもありません。１曲目はインスト曲で、演歌みたいな、古い映画の安い劇伴みたいな、チープないなたさ満載です。他の曲は、もごもごしたヴォーカルとクリーン・トーンのギターが、気品と奥行きの足りないDire Straits(ダイア・ストレイツ)みたい。ユーロでもプログレでもない、ただのありふれた古いポップ・ロックにしか聞こえないのですが、なぜ、これが日本盤でリリースされたのか、すっごく不思議です。 (NEXUS / KING RECORD: K22P616 / 日本盤LP) (2005.06.04)
