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SWITZERLAND


さらっと聴いたときのアルバムの印象を簡単に紹介します。


Metamorphosis / Shakary / Thierry Mutin




METAMORPHOSIS / AFTER ALL THESE YEARS (2002)   alla "Musica"
スイスのグループだそうです。かなりオーソドックスなシンフォニック・プログレッシヴ・ロックを演奏します。最近のものはヘヴィメタル風だったりジャズ風だったりといった、テクニカルでハードなタイプのプログレッシヴ・ロックばかりかと思っていたのですが、こういうタイプのプログレッシヴ・ロックもまだあるんですね。ヴォーカルは、歌メロも、歌唱力という点でも、ちょっと弱い感じです。ファンタジックなタイプのヴォーカルで、イギリスぽいかもしれません。
全体にメロディとヴォーカルが弱いのと、あまりにもPink Floyd(ピンク・フロイド)の影やその他の往年のグループの影響が見え隠れしてオリジナリティが弱く感じられるところはありますが、これはこれでけっこう楽しめる作品だと思います。ヴォーカルにもっと力量があれば、さらに聴かせられる作品になったことでしょう。(2003.07.20)



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SHAKARY / THE LAST SUMMER (2002)
スイスのグループらしいです。このCDのリリースは2002年だけど、収録されてるのは1993年の録音のようです。
すっきりした音色の涼しげなシンフォニック・ロックが聴けます。こういうギターの音色って、オランダのCoda(コーダ)以降、一気に増えた気がします。粘りのある伸びやかな音だけど、くどさや熱さをあまり感じさせないというのが特徴でしょうか。それでもある種の人間的な暖かみを失わないのが好ましいです。
歌詞が英語ということもあるのでしょうが、あまりスイスのグループということを感じません。イギリスの伝統的なシンフォニック・ロック、Mandalaband(マンダラバンド)とかBarclay James Harvest(バークレイ・ジェームス・ハーヴェスト)などといったグループを思い出します。ただ、これらのイギリスのグループよりも清涼感が強いかなといた印象でしょうか。
途中でバグパイプを導入したり、清らかなコーラスが入ったりと、ファンタジック系シンフォニック・プログレッシヴの典型ともいえる曲づくり、アレンジがされていると思います。もう少し激しいパートや重いパートがあってもいいかなと個人的には思いますが、M4「Love Warchild of 64」などではそれなりに重いし、これはこれでいいのでしょう。
ただ、ヴォーカル・ファンの自分としては、ヴォーカルにもっと魅力がほしかったです。メロディにも歌い方にも。 (PIRACY KILLS MUSIC/PROG FACTORY: SHK30324-2002 / スイス盤CD)) (2004.05.09)



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THIERRY MUTIN / SKETCH OF LOVE (1988)
 Thierry Mutin(ティエリー・ムーティン)は、スイスの人なんだそうです。でも、このアルバムはフランスのレーベルからリリースされています。さらに、歌詞は全部英語です。そんなわけで、とくに「どこそこの国風」という印象はありません。
 ファルセットでクラシカル風に発声するこういうヴォーカルは、なんというんでしたっけ? カウンター・テナーでしたっけ。ヒーリング系などでよく売れたSlava(スラヴァ)のような歌い方です。
 曲調はゆったりしていて、キーボードやプログラミングによる厚めのオーケストレーションが配されています。ヘンデル、エルガー、モーツアルトの曲をモチーフにしたものもあり、セミ・クラシック風、ポップ・クラシックの趣きもあります。その点もSlavaと同様の路線と感じられます。
 演奏のところどころにピコピコしたシンセ・ミュージックの姿が垣間見えるのが、なんとなくフランス風です。むかしのJean-Michel Jarre(ジャン・ミシェル・ジャール)を思い出しました。一種のヒーリング系音楽として聴く分には邪魔にならない音楽といったところでしょうか。小洒落たカフェのBGMなどにもよさそうです。
 でも、じっくりと身を入れて聴くには、ヴォーカルが力不足。せっかくのカウンター・テナーなのに、カストラート的な怪しい魅力といったものに欠け、たんなるファルセット・プラス・アルファ程度にしか自分には感じられません。曲も、メロディ・ラインはいいにしても、演奏やアレンジがスッキリしている分、味わいの深さがもうひとつ。
 これが、たとえばフランス語やイタリア語で歌われていたなら、もう少し情感が出たのだろうになぁと思いました。(2002.01.20)



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