ALICE VISCONTI


LA MIA POCA GRANDE ETA (1975年)

   アリーチェ・ヴィスコンティ / 夢の中の少女
    (KING RECORD 292E 2065 / 日本盤CD)



alice1   1: DICIOTT'ANNI
     夢見る18才
  2: MI CHIAMO ALICE
     私はアリーチェ
  3: LA MIA ESTATE
     ひと夏の感傷
  4: DOMANI VADO VIA
     美しい明日
  5: PENSIERI NEL SOLE
     思い出
  6: E NOTTE DA UN PO'
     夜のヴェールに包まれて
  7: LIBERA
     きままなひととき
  8: UNA CASA SOLO MIA
     私の家
  9: SEMPRE TU SEMPRE DI PIU
     いつも、いつも…
 10: UNA GIORUNATA CON MIO PADRE
     最愛の人
 11: IO VOGLIO VIVERE
     希望に燃えて







 アリーチェがアリーチェ・ヴィスコンティ名義で1975年に出した1st アルバム。
 イ・プー(I Pooh)のプロデューサーとして有名なジャンカルロ・ルカリエッロ(Giancarlo Lucariello)がプロデュース、すべての曲をイ・プーのステファーノ・ドラツィオ(Stefano D'Orazio)が提供しています。

 薄闇に包まれた河(?)を小船に乗った女性が光りに向かって進んでいくという、非常に美しいジャケットに包まれたこのアルバムは、美しいオーケストレーションを施された曲で始まります。全体的にいかにもイタリアらしい美しいメロディがあふれたアルバムです。
 曲調としては、(1)オーケストラをバックにゆったりとしたメロディが乗っかるもの、(2)素朴なフォークソング・タッチのもの──に大別されるようです。

 どれもがイタリアン旋律ファンなら愛さずにはいられないような曲だけど、やはりこのアルバムでもっとも心を揺さ振られるのは(1)のタイプの曲でしょう。クラシカルかつ深みのあるストリングスに彩られ、どこか芸術的でさえあるこれらの楽曲こそがこのアルバムの最大の魅力であると思います。
 同時に、それらの楽曲の合間に挟まれる、さわやかな草原を思わせるような(2)のタイプの曲とのバランス感覚もすばらしいですね。

 聖母のごときアリーチェの声と天上のメロディを奏でるオーケストラが、日々の騒音で疲れてしまった心をやさしく包んでくれることでしょう。

(1997.06.15)








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