1: E SIA COSI
2: PERDO TE
3: LA CURVA DEI SORRISI
4: UNA VITA UN ESAME
5: LA GRANDE STRADA
6: LA NAVE VA
7: LIMITI
8: MONTE ROSA
9: UNA VITA DI PIU
10: ALBERI
もともとは87年に出たのであろうアルバム(LP?)に、89年のアルバム・タイトルになっている曲「E SIA COSI」と86年のシングル(?)「LA NAVE LA」をプラスしてCD化されたのではないかと思う。
あれ? だとするともともとのアルバムタイトルは何だったのだろう? これは彼の1st アルバムだというようにもきいた気がするので、もしかしたらアーティスト名がそのままタイトルになってたのかな?
内容のほうは、いままで自分が聴いてきたイタリアン・ポップス(いわゆるはやりもののダンス系、ラップ系などを除く)のなかでは、もっとも今日的なもののひとつ。
今日的といっても、もともと自分は過去の作品を聴くことが多いし、最近のものでも Andrea Bocelli のような、ちょっと古いテイストをもったものが好きだからそう思うのだろうけれど(^^;)。
バックで聞こえるキーボードの音色や和音の使い方が現代ふうというか、都会的というか、非常にすっきりした感じ。また、哀愁のサキソフォンがときどき聞こえたりと、おしゃれな感じも漂っている。
自分が“今日的”と感じるのは、これ以外にも、リズミック・ポップ的な曲がいくつか収録されているからでもあるだろう。同じ“ラテンの魂”でも、ヨーロッパというよりは南米的な明るさを感じさせる曲もある。
でも、サビで突然盛り上がったり、そのあと波が引くように静かになったりと、伝統的なムジカ・イタリアーナのよさも、押さえるところではきちんと押さえている。
イタリアのシンガーって、Claudio Baglioni や Lucio Dalla みたいなちょっとだみ声系か、Umberto Balsamo や Riccardo Fogli みたいな澄んだ声のどちらかという印象が強いのだけれど、この人の声ってその中間という感じ。だみ声というほどつぶれてはいないけど、澄んだ声でもないし、ちょっと入力オーバーで割れぎみのスピーカーみたいに聞こえるときがある。
唄は基本的に上手だと思うが、このアルバム発表時はまだ若かったせい(?)か、表現力、説得力といった点ではもう少しと感じる。でもこれについては、その後も何枚かアルバムを出しているので、徐々に味が出てきているのではないかな、きっと。残念ながら現時点では未聴。
このアルバムでは若々しさ、みずみずしさが端々で感じられ、美しい曲とともに、魅力のひとつとなっている。