1: CON TE PARTIRO
2: VIVERE (featuring Gerardina Trovato)
3: PER AMORE
4: IL MARE CALMO DELLA SERA
5: CARUSO
6: MACCHINE DA GUERRA
7: TE TUE PAROLE
8: VIVO PER LEI (featuring Giorgia)
9: ROMANZA
10: LA LUNA CHE NON C'E
11: RAPSODIA
12: VOGLIO RESTARE COSI
13: E CHIOVE
14: MISERERE - live (featuring John Miles)
15: FUNICULI FUNICULA (featuring John Miles)
16: TIME TO SAY GOODBYE(CON TE PARTIRO) (featuring Sarah Brightman)
最近(1997年10月)日本盤も出て、一部で話題沸騰(?)のアンドレア・ボチェッリ(Andrea Bocelli)。
これはオリジナル・アルバムではなく、1994年の『il Mare Calmo della Sera』と1995年の『Bocelli』という2枚のアルバムからの曲に14、15、16の3曲をボーナス・トラックとして追加したコンピレーション・アルバム。
『Romanza』というタイトルにふさわしく、ロマンティックな曲が集められている。
Andrea はポップス歌手であると同時にオペラ歌手でもあるらしく、オペラの舞台に立つこともあるようだ。
このアルバムには収録されていないが、他のアルバムではオペラの「マクベス」「トスカ」「カルメン」などの曲も収録されている。また、クラシックだけを収録したアルバムも出ているらしい。
といっても、とっつきにくさはまったくない。
Andrea のアルバムでいちばんに心をとらえるのは、やはりその“声”の素晴らしさ。深く、あたたかく、表情豊かな彼の唄声は、素晴らしい以外になんという言葉が使えるのか自分にはわからない。
とくにこのアルバムに収録されている曲は、雄大で、流れるように美しいメロディをもった曲ばかり。これらの曲をいいと思えないような人とは、音楽の話を自分はできないだろう。
このアルバムにも収録されている「per Amore」をはじめてNHKテレビの「イタリア語会話」で聴いたとき、長いこと忘れていたけれど、ずっと追い求めていたものをみつけた! と思った。
人間の唄う“唄”の素晴らしさを、改めて身近に感じた。
Andrea は2種類の声/唄いかたを使い分ける。
普通に唄う低音部ではちょっとかすれぎみの、ルチオ・ダッラ(Lucio Dalla)のような声、そして高音部ではオペラ唱法で伸びやかに唄う。
4曲目「il Mare Calmo della Sera」での、サビ前のかすれぎみの声からサビでオペラ・ヴォイスに変わるところなど、鳥肌が立つほど感動的だ。
クラシック・ミュージックとポップス・ミュージックが違和感なく隣り合っている(のであろう)イタリアだからこそ生まれた音楽。イタリアが古くからもっている美しさを愛しているなら、間違いなく愛聴盤となるだろう。
なお、自分がもっているのは1997年版で16曲収録だが、日本盤や、最近出回っているものの多くは1996年版で、収録曲が1曲少ないので注意が必要。
ちなみにカットされているのは、15曲目の有名なナポリターナ「Funiculi Funicula」(「鬼のパンツ」といったほうがわかる人もいるか?)。
落ち着いた雰囲気のなかで、ロマンティック&ドラマティックな音楽に包まれよう。