1: INTRO
2: PERSEMPRE
3: E PENSERO' AL TUO VISO
4: L'UOMO DEI SOGNI
5: DOV'E'
6: ESISTE CHE
7: INTERMEZZO
8: L'ODORE DEI PIANTO
9: IN SILENZIO (13/5/86)
10: MIA DOLCE REGINA
11: TAGLIANDO IL CUORE
12: BOCCA DI FUOCO
13: CUORE DI CRISTALLO
i: CUORE DI CRISTALLO
ii: PRELUDIO
iii: FUGA
iv: TRA PARADISO E INFERNO
v: CODA
レコードのスクラッチ・ノイズから始まるアレッサンドロの2nd アルバムは、前作以上に瑞々しく、ドラマティックなアルバムになりました。
まだ若く、多少未熟ながらも才能を感じさせるアルバムでデヴューしたアレッサンドロですが、このアルバムではきちんと成長しています。
前作に見られた「なんか、どこかで聴いたことのあるメロディなんだよな(実際そっくりなフレーズもあったし)」といった面は、今回はありません。そういう意味では、オリジナリティにも問題はないといえます。
元気に一所懸命唄うスタイルは変わりありませんが、そこにも余裕が感じられます。力強く唄うところと抑え気味に唄うところ、感情を露わにするところとさらりと唄うところなどのコントロールも上手になっています。
だからといって、若者が持つ瑞々しさはまったく失われていないんです。
そう、アレッサンドロの魅力って、若者らしい繊細さと瑞々しさなんですね。ある意味、青春シンガーなのかもしれません(カッコ悪い ^^;)。
サウンド面では、ドラマティック・メタル風味のギターの音は健在ではありますが、それ以上に、このアルバムではアコースティックな音が印象に残ります。
アコースティック・ギターの音、アコースティック・ピアノの音が全体を通して聞こえていて、それが一段と透き通った瑞々しさ、傷つきやすい青年の心を感じさせるんです。そして、そこにかぶさるディストーション・ギターの艶やかなメロディ、暖かみのあるオーケストレーションが、いっそうの切なさを演出します。
そうなんです。なんか、とても壊れやすい心、切ない想いが、アルバム全体を支配しているように感じるんです。
アレッサンドロのホームページを個人で開設している Sara という女性(イタリア人)からもらったメールに、「彼の2nd は本当に素晴らしいのよ。まさに詩的というしかないわ」と書いてあったのですが、非常に的確な表現だと思います。
ドラマティックかつリリカル、だけど押し付けがましいところはありません。アルバム・トータルの流れも破綻がなく、曲にバラエティはあっても浮いた感じのものはありません。ある意味、プログレッシヴ・ロックのアルバムに通ずるところもあるかもしれません(1st もそうでしたね)。
1st よりかはいくぶん地味目だけれど、完成度はこちらのほうが上でしょう。曲自体の広がり、アレンジの深み、そして彼のヴォーカルとも、まちがいなく進歩していると思います。とてもよくできたアルバムです。