AMEDEO MINGHI


1950 (1983年)

   アメデオ・ミンギ / ミッレノヴェチェントチンクアンタ
    (EMI / L'IMMENSO 8 21196 2 / イタリア盤CD)



minghi3.gif   1: 1950
  2: SOTTOMARINO
  3: LA CASA LUNGO IL TEVERE
  4: RAPIDI MOVIMENTI DEGLI OCCHI (R.E.M.)
  5: ST.MICHEL
  6: LADRI DI SOLE
  7: CIACCONA
  8: FLASH BOX







 1997年に再発されたアメデオの83年のアルバム。なぜか EMI ITALIA からサンプル盤をいただいてしまいました。

 ここ何年か、80年代以前のアメデオのアルバムというのは非常に入手がむずかしかったようだが、このアルバムは数年前にも再発されたことがあるらしい。そういう意味では、セールス的に成功したアルバムなんだろう。

 遠い平原を見渡しているかのような、壮大なオーケストレーションというのは、アメデオの持ち味のひとつでもあると思うのだけれど、このアルバムでもそういうところはきちんとある。ただそれ以上に、(ものめずらしさから?)耳に入ってくるのが、ブラスを多用したアレンジ。
 正直にいってしまおう。自分はあまりブラスが好きじゃないんです。

 80年代の彼のアルバムって、まだ3枚しか聴いたことないのだけれど、90年代以降のものに比べて、唄にメロディがあると思う。そして、軽やかなイメージをもった曲が多いように思う。
 このアルバムでも、唄として美しいフレーズをもった曲がたくさんあるのに、後ろで能天気で軽薄な感じのラッパが鳴ってしまうと、なんでこんなアレンジに? と思ってしまう。

 といっても、そういう曲はほんの一部で、全体的には(自分が思うに)80年代のアメデオらしいメロディがたくさんある。このころのアメデオって、けっこう高音も出すんだよね。
 またこのアルバムでは、男声コーラスが効果的に使われた曲も多く、5曲目の「St.Michel」などは神聖な感じもする。

 演奏のアレンジ自体はシンプルで、のちのアメデオのような重厚さはあまりみられないが、“カンタウトーレ(Cantautore)”的という意味では、このアルバムのほうがカンタウトーレ的かもしれない(ちなみにいまのイタリアでは、アメデオは“cantautore”ではなく、“plain pop singer”だと思われているそうだ)。

 ところどころ中途半端なアレンジがあって気になるけれど、アメデオ・ファンならば、安心して聴けるアルバムだろう。
 ところで、アメデオのほかのCDにはみな歌詞カードがついているのに、このアルバムにはついていない。残念(読んでも意味はわからないけれどね)。

(1998.02.01)








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