CD1
1: NENE'
2: L'ISOLA
3: TROPPO POCO
4: MUSICA
5: QUALCUNO
6: LADRI DI SOLE
7: STOTTOMARINO
8: LA CASA LUNGO IL TEVERE
9: SOGNAMI
10: UNA STORIA D'AMORE
11: IL PROFUMO DEL TEMPO
12: IO E LA MUSICA
CD2
13: VENTO DISPERATO
14: TELECOMUNICAZIONI SENTIMENTALI
15: GOMMA AMERICANA
16: NELL'INVERNO
17: HALLO HALLO
18: MISSISSIPPI
19: NUVOLE SU DI TE
20: BELLA
21: LA FARFALLA
22: L'AMORE
23: PRIMULA
24: DUBBI NO
direzione artistica ed arrangiamenti: Amedeo Minghi
基本的にはAmedeo Minghi(アメデオ・ミンギ)本人による再録を集めたベスト盤ですが、全部が再録というわけではないようです。ライヴ盤『Amedeo Minghi in Concerto』と同じ録音のライヴ収録もあるようですし、一部の曲はたぶん、オリジナルそのままのものもあるような感じがします。
Amedeoは1960年代から活動をはじめ、ファースト・アルバムは1973年にリリースされていますが、コンポーザーとしての評価を得るのははやかったものの、自分で歌うカンタウトーレとして人気が出るのは1980年代も終わりごろのことでした。そのため、人気が出たころには過去のアルバムが廃盤になっており、入手が難しくなっていたようです。
人気カンタウトーレとなったAmedeoの過去の曲を聴きたいというファンの要望は強く、それならということで古い曲をライヴその他で録音しリリースしたのが1980年のライヴ盤『La Vita Mia』、1990年のライヴ盤『Amedeo Minghi in Concerto』、そして1991年にリリースされた『Nene'』です。
古い曲を再録し、新しいファンにも手の届きやすいものにするというのがリリースの主な目的だったこの3枚のうち、他の2枚は純粋にライヴ・アルバムとしても楽しめるものになったのに対し、この『Nene'』だけは目的のほうに力が入りすぎてしまったのか、アルバムとしてはあまり、まとまりのないものになってしまいました。リリースされた事情を知らずにアルバムとして聴くと、性格のよくわからない作品といえるでしょう。
このアルバムの収録に際して再録されたと思われる曲は、プログラムされたキーボード・オーケストレーションを中心としたアレンジになっています。ギターは入っていますが、ドラムやベースといったリズム楽器が打ち込みのため、全体にのっぺりした感じがします。
もともとAmedeoの書く曲は、歌メロ自体にそれほど起伏があるわけでなく、歌い方も地味なので、アレンジやアルバムのなかにおける曲の配置などに工夫をしていかないと、CDを1枚通して聴いたときにメリハリのないものになってしまう恐れがあるのですが、このアルバムのCD1のほうは見事にその悪いパターンに陥っているように思います。なんとなくシンフォニックなのだけど、深みや奥行きが感じられず、Amedeoが本来持っている魅力を存分に表現しているとはいいがたいです。
その点、CD2のほうはライヴ収録やオリジナル録音と思われるものが多く収録されていて、演奏もヴォーカルも段違いの迫力と説得力を持っています。もともとここまでできるカンタウトーレなのだから、他の曲でももっと力を入れたアレンジをしてくれていれば、このアルバムももっと魅力的な2枚組になったことでしょう。
Amedeoのファンでないと、CD1のほうは途中で飽きるでしょうね、きっと。