musiche di AMEDEO MINGHI
testi di GAIO CHIOCCHIO (tranne "L'immenso" di A.Minghi)
arrangiamenti di PINUCCIO PIRAZZOLI
produzione di VINCENZO MICOCCI
Pierot Lunaire(ピエロ・リュネール)のGaio Chiocchi(ガイオ・キォッキォ)が詞を提供しています。だからといってPierot Lunaire風なところはもちろんなく、たんに同じITレーベルに所属していたというつながりだけなのでしょう。
基本的にAmedeo Minghi(アメデオ・ミンギ)って、いまもむかしも、なにも変わっていない気がします。キーボードを主体にした広がりのあるオーケストレーションに落ち着いた声のヴォーカルがジェントルに乗るという作風はそのままです。ただ、そこから受ける肌触りが、1990年代以降とその前とでは少し違います。
1980年代の作品ではアコースティックな楽器や生ストリングスが上手に導入されたものが多いのですが、このアルバムではエレクトリックなアレンジが全体に施されていて、その転では1990年代以降の作風に近いかもしれません。しかし電子楽器が大きく導入されても、あたたかさとしなやかさを失わないのがAmedeoの魅力のひとつです。最近はそういった特質が薄れつつあって、なんとなく厚みのない曲が増えてきているAmedeoですが、1980年代のAmedeoにはアナログのあたたかみがしっかりと感じられます。
このアルバムでも、そういったあたたかみが全体に漂っています。またヴォーカル・ラインも、ひとつひとつのフレーズは最近のアルバムとあまり変わらないのですが、その並べ方や曲としての構成、展開のしかたはこのアルバムのほうが質感があり、ドラマを感じます。アルバム全体としての構成もまとまりがあって、なかなかよい作品だと思います。
M4「L'immenso」はAmedeoにとって思い入れのある曲のようで、セルフ・カバーやライヴ・ヴァージョンなどがいくつもあるのですが、おそらくオリジナル録音と思われるこのアルバムのアレンジはそれらと印象が違う気がします。ずいぶんと地味というか、もやもやぁっとしたアレンジで、歌メロがあいまいに聴こえるような録音になっています。のちのセルフ・カヴァーやらイヴ・ヴァージョンとは違う、幻想的な美しさを感じます。
このアルバムと翌年の『Serenata』は、1980年代のAmedeoのよさがよく現われていると思います。