panoforte, tastiere e computer: Danilo Madona
chitarre: Flavio Ibba, Fabio Moretti, Francesco Saverio Porciello
basso: Bob Callero
batteria: Lele Melotti
sax: Claudio Pascoli, Tom Sheret
tromba e flicorno: Demo Morselli
oboe e corno inglese: Adriano Mondini
cori: Nadia Biondini, Moreno Ferrara, Luana Heredia
Lucio Battisti(ルーチォ・バッティスティ)やClaudio Baglioni(クラウディオ・バッリォーニ)など著名なカンタウトーレたちの曲をカバーした『Cantautori』(1993年)シリーズ?の第2弾。アルバムの正式タイトルは今回も『Cantautori』のようですが、表ジャケットにはCantautoriという言葉を分解して「Canta autori」と表記されています。
今回もLucio Dalla(ルーチォ・ダッラ)やIvano Fossati(イヴァーノ・フォッサーティ)、Raf(ラフ)など、10人のカンタウトーレ作品10曲が収録されています。どれもAnna Oxa(アンナ・オクサ)のために書かれたわけではなく、それぞれのカンタウトーレたちが自分で歌うために書いたものをAnnaがカバーしているだけなので、Annaの声質や歌い方を最大限に活かすような曲というわけではありません。でもAnnaなりに上手に自分の色をつけて表現していると感じます。
低めで、もやっとした感じのある、突き抜けない声と歌い方に個性があるAnna。どの曲もその個性でそれなりに「Annaの歌」として楽しめますが、やはり曲のタイプとの相性は感じます。
Claudio BaglioniのM2「Mille giorni di te di me」などは、オリジナルを知っているからということもありますが、Annaの声と歌い方にはあまりあわないというか、Claudioの歌には到底かなわないというか。とくに最後のほう、わざとかもしれませんが音程が不安定なところがあり、これがとても気になってしまいました。Lucio DallaのM1「Washington」やIvano FossatiのM4「Questi posti davanti al mare」、Fabio Concato(ファビオ・コンカート)のM8「Tienimi dentro te」なども、上手に歌っているけれど、そんなにすごく「いい」という感じは受けません。これらはオリジナルを自分は(たぶん)聴いたことがないので比較はできませんが、おそらくオリジナルのカンタウトーレたちが歌ったほうが、やっぱりいいんだろうなぁという気がします。
一方、M3「Scrivimi」は、やわらかなメロディと落ち着いたアレンジ、ほのかに感じられるナポリ風な香りとジャズの風味が、Annaの声と歌い方にぴったり合っています。Pino Daniele(ピーノ・ダニエーレ)っぽいなと思い作者を確認したところ、Pinoと同じナポリ出身のNino Buonocore(ニーノ・ブォノコーレ)の曲でした。Annaは南イタリアのプーリア州バーリ(Bari)出身。やはり南の感性と相性がいいのでしょうか。M7にはPino Danieleの「Quando」も収録されていますが、これもまた、Annaのヴォーカルと非常にいいマッチングを感じます。
また、M9「La storia」はオーケストラの入ったバラードで、非常に抑制の効いたロマンティシズムを感じる曲。Annaのヴォーカルがどうのという以前に、曲そのものの持つ美しい魅力にひかれます。だれの曲かと確認したら、Francesco De Gregori(フランチェスコ・デ・グレゴーリ)でした。なるほど納得。Annaの抑えた感じのヴォーカルで聴くのも悪くないですが、Francesco本人による歌で聞くと、きっともっとロマンティックな感じになるのだろうな。
ちなみに1993年の『Cantautori』は曲目リストのところに作者名の表記がなく、だれが書いた曲なのかがわからずにちょっと困ったのですが、今回はそれぞれに作者名の表記があって助かりました。