prodotto da ROBERTO COLOMBO
Antonella Ruggiero: voce
Carlo Cantini: violini
Carmelo Isgro': basso
Daniele Belli: corno
Daniele Di Gregorio: marimba
Danilo Badiali: percussioni
Davide Di Gregorio: direttore
Fabio Bau': tromba, flicorno
Filippo Sebastianelli: sax tenore
Giuseppe Satanassi: trombone
Ivan Ciccarelli: batteria, percussioni
Lello Becchimanzi: chitarra
Lorenzo De Angeli: basso
Luca Colombo: chitarra
Marco Piersantini: pianoforte
Marco Postacchini: sax baritono, flauto
Roberto Colombo: organo, armonium
Roberto Landi: trombone
Roberto Righini: tromba
Sergio Casesi: tromba
Simone La Maida: sax contralto, clarinetto
Simone Pederzoli: trombone
Stefano Serafini: tromba
Vittorio Gualdi: tromba
Vittorip Piombo: violoncello
2005年のサンレモ音楽祭参加曲「Echi d'infinito」を含む最新アルバムです。タイトルがビッグ・バンドですから、内容もやっぱりビッグ・バンド風(っていうのがどういうのか、よくわからないのですが)。たくさんのブラス隊をしたがえて、なんだかめちゃめちゃ豪華な、だけど趣味のいい演奏が繰り広げられます。
自分はジャズがあまり好きじゃなく、ジャズっぽいポップスやロックもどちらかというとあまり好きじゃないのです。ビッグ・バンドといえば普通、ブラスこみの大人数で演奏するジャズのことだと思うのですが、その点で、このCDを購入するのにはちょっと躊躇があったのですよ。
でも、サンレモ参加曲の「Echi d'infinito」はそんなにジャズっぽくないし、なんといってもギフトにあふれる歌姫Antonella Ruggiero(アントネッラ・ルッジェーロ)のアルバムです。やっぱり聴いておかないとなと思い購入したのですが、大正解でした。
収録されているのはオリジナル曲よりも、いわゆるスタンダードと呼ばれているものが多いようです。聞いたことのある曲だらけでしたから。アメリカのジャズというよりは、ヨーロッパのキャバレー音楽、あるいはタイタニック号のパーティルームなどではこんなような音楽が演奏されていたんだろうなと思わせるような、あるいはスティーブン・キングの小説『シャイニング』に登場するオーバールック・ホテルのダイニングで演奏されていたのもこんなかなと想像させるような、豪華だけどどこか世俗っぽい猥雑さも感じさせる演奏が楽しめます。
少しざらついたブラスの音、やわらかにリズムとメロディをきざむウッドベース、ブラシを使ったロマンティックなドラム。なるほど、これがビッグ・バンド風? ストリングス・オーケストラも入っているのだけど、力強くもなまめかしいブラス・オーケストラのほうが圧倒的に存在感を発揮しています。
そして、Antonellaの歌。なんだかとてものびのびとリラックスして歌っている感じ。独特のビブラートもまじえ、「7色の歌声」を気持ちよく聴かせてくれます。『Luna crescente』みたいな宗教音楽も悪くないけど、やっぱりAntonellaはポップス系の曲を気持ちよさげに歌っているときのほうが魅力的に感じます。
Mina(ミーナ)とかOrnella Vanoni(オルネッラ・ヴァノーニ)などの歌う「いかにもジャズ」「小洒落たジャズ」「なんとなく小難しそうなジャズ」(←すべて個人的な偏見です。笑)とは違う、ジャズというよりも少し前の時代のポップ・ミュージック、まだポップスとかロックといった言葉がなくて、軽音楽といえばジャズだったような時代(なんてのがあったのか?←いいかげん)のクラブ・ミュージック/キャバレー音楽といった感じで、とても楽しめましたよ。