BANCO DEL MUTUO SOCCORSO


GAROFANO ROSSO (1975年)

   バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソ / ガロファノ・ロッソ
    (VIRGIN DISCHI: 7866172 / イタリア盤CD)



jacket photo
  1. ZOBEIDA
  2. FUNERALE
  3. 10 GIUGNO 1924
  4. QUASI SALTARELLO
  5. ESTERNO NOTTE (CASA DI GIOVANNA)
  6. GAROFANO ROSSO
  7. SUGGESTIONI DI UN RITORNO IN CAMPAGNA
  8. PASSEGGIATA IN BICICLETTA E CORTEO DI DIMOSTRANTI
  9. TEMA DI GIOVANNA
  10. SIRACUSA: APPUNTI D'EPOCA
  11. NOTTURNO BREVE
  12. LASCIANDO LA CASA ANTICA


produzione: Banco del Mutuo Soccorso
produttore esecutivo: David Zard

Rodolfo Faltese: chitarra, tromba, corno francese
Pierluigi Calderoni: batteria, percussioni, timpani
Renato D'Angelo: basso, contrabbasso, chitarra
Gianni Nocenzi: pianoforte, piano elettrico, sintetizzatore, clarino
Vittorio Nocenzi: organo, sintetizzatori, violini, vibrafono
Francesco Di Giacomo: documentazione








Banco del Mutuo Soccorso(バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソ)のヴォーカリスト、Francesco Di Giacomo(フランチェスコ・ディ・ジァコモ)は、イタリアン・プログレッシヴ・ロック・グループのヴォーカルのなかでも最高のひとりだと自分は思っています。自分がBancoを好きなのは、半分以上はFrancescoのヴォーカルが好きだからというのが理由だろうな、きっと。

しかしこの『Garofano rosso』には、Francescoのヴォーカルは入っていないのです。というか、完全にインストゥルメンタル作品なのです。というか、なんとこのアルバム、『Garofano rosso』という映画のサントラなんだそうです。

というわけで、Bancoのオリジナル・アルバム群からすると少し異端の作品なんだろうと思いますが、しかしそこはさすがBanco。サントラだからとあなどれないのですよ。

あの印象的なFrancescoのヴォーカルがないことで、Banco musicとしての魅力の一部がそがれてしまっていることは否めません。また、サントラという制約のためでしょうか、あるいは制作年代のせいか、ロック・グループとしてのBancoが持っている激しさ、力強さというのも、だいぶ薄められてしまってはいます。彼らの作品のなかでもとくに1stと2ndが好きな自分からすると、かなりおとなしい演奏になっています。

でも、これはまぎれもなくBancoなのです。とくにキーボード群の音づくり、アレンジ、バッキング・リフなどに、いつものBancoの姿がくっきりと浮かび上がってきます。あぁ、ここにFrancescoのヴォーカルがかぶされば、どんなによかったことだろうか。

自分は基本的にヴォーカル志向なので、インスト作品ってあんまり好きじゃないんです。アルバム1枚オール・インストなんてものだと、聴いてて途中で飽きちゃう確率90%て感じです。でも、このアルバムは飽きない。サントラとはいえサントラの枠に収まりきれていない、プログレッシヴ・ロックとしての魅力が存分に感じられます。

たしかにFrancescoのヴォーカルは彼らの音楽の大きな魅力(自分にとっては最大の魅力)ですが、もともと演奏力も作曲力も構成力もめちゃめちゃ高いグループですから、売りのひとつである「ヴォーカル」がなくなったところで、そこらの凡百のインスト・プログレ・グループなど足元にも及ばない、非常にクオリティの高い曲と演奏が聴けます。

うん、やっぱBancoはすごいぞ。

(2005.07.18)







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