prodotto da Morgan
Morgan: voce, bass, percussioni, programmazione, guitar, drums, pianoforte, synth
Andy: keyboards, voce, sax
Livio: guitar, strategie
Sergio: batteria, percussioni
Mauro Pagani: violino
Davide Rossi: violino
Alfredo Zamarra: viola
Roberta Castoldi: violoncello, voce
David Richards: tambo, mellotron
Franco Battiato: voce, haiku
Murray Lachlan Young: voce
ベーシストのMorgan(モルガン)率いるBluvertigo(ブルヴェルティゴ)。イタリア本国でなかなか人気のある若手グループと思っていたのですが、気がつけばもう中堅といってもいいくらいに長く活動していますね。なのにうちには1枚もアルバムがなかったので、ネットショップで何枚か売られているもののうち、いちばん安い値段がついてたもの(笑)を買ってみました。1999年の作品のようです。
Bluvertigoに対して自分が持っていたイメージは、オムニバス盤などに収録された曲や、Antonella Ruggiero(アントネッラ・ルッジェーロ)の作品でコラボレートしたときの曲などから、“デジタリックでラウドなニューウェーヴ風ロック”というものだったのですが、このアルバムを聴いて、あながち間違いじゃなかったなと再確認しました。
リーダー(なんだよね?)のMorganがベーシストだからということもあるかもしれませんが、ベースの音がでかい。しかも重い。引きずるような重低音が、高校生の頃とかにたまに聴いていたニューウェーヴやオルタナティヴ・パンクを思い出させます。ベースを中心にした、このどっしりした重低音を屋台骨に、上に乗っかるシンセサイザーのわざと薄っぺらい音づくりとのコントラストが不思議にいい感じ。このぺらぺらしたシンセもあの頃のニューウェーヴ・パンク、Stranglers(ストラングラーズ)とか、あるいはSoft Cell(ソフト・セル)とかを思い出します。
Massimo Volme(マッシモ・ヴォルメ)などもそうですが、こういったタイプの曲は、若いころは聴いていたこともあるのだけど、最近はさっぱりです。どちらかというと、いまは興味を持てないタイプ。あまり得意ではないタイプ。
ではあるのですが、やはり高い人気を持つグループには、それだけのものがあります。Bluvertigoの曲には、ただのニューウェーヴ/パンク系といって済ませてしまうにはもったいない、なにかがあるのです。それは、ときおり現われる美旋律だったり、妖しいエロティシズムだったり。
M3「La crisi」はほんの少し懐かしい感じのなだらかな歌メロがデジタリックな演奏に乗っかっていて、聴いていてひきこまれます。M5「La comprensione」ではエロティックなベースラインの上にガラスのように透明なピアノの響きがかぶさり、初期の筋肉少女帯を思い出してしまいました。M6「Finche' saprai spiegarti」はBluvertigo featuring David Bowie(デヴィッド・ボウイ) with 筋肉少女帯みたいな印象だし。M11「Always crashing in the same car」もDavid Bowieぽいですね。そうかと思うとM12「Saxs interlude」はジャズ・オーケストラのような感じの小曲だし、続くM13「Porno muzik」ではいきなり日本語のナレーション(ニュース?)がSEとして使われてたり、一筋縄ではいきません。
イタリアらしい感じはほとんどないのですが、全体にいかにもヨーロッパな雰囲気、歴史と伝統を背負った重さのようなものが感じられ、それが現代的なデジタル・サウンドとうまく調和している。そんな印象を受けました。これはこれで、なかなかいいです。イタリアンじゃないけど。