Sergio Hinds: guitarra, viola, vocal
Sergio Magrao: baixo, vocal
Luiz Moreno: percussao, vocal
Flavio Venturini: piano, organo, sintetizador, viola, vocal
vocal e percussao: Cesar De Merces
vocal: Marisa Fossa
アルバムの1曲目でいきなり古臭いグループ・サウンズみたいな歌が聞こえてきたときはどうしようかと思いましたが、全部が全部そんな曲なわけではなく、軽やかなジャズ風味を持った曲や、地中海音楽を思い出させるようなきらきらしたアコースティック・ギターが印象的な曲などもあり、そのどちらもけっこうシンフォニック。そんな曲たちの合間にほんのりサイケがかったニュアンスのあるオールド・スタイルなグループ・サウンズ風がまぎれてる、といった印象でしょうか。
しかし、なぜ歌詞がみんな英語? そのためもあってか、古いブリティッシュ・ポップ/ロックにずいぶんと肌触りが似ているように思います。ファースト・アルバムの頃のYes(イエス)とか、初期のCaravan(キャラヴァン)とかが持っていたポップな面に通じるような。アップ・テンポなヴォーカル曲は、それほどいいとは思えませんが、バラードではシンフォニック・ロックらしい歌と演奏が聴けて、悪くありません。
でも、ヴォーカル・レスのインストゥルメンタル曲のほうがよりシンフォニック度・プログレッシヴ度が高くて、個人的にはやはりこっちのほうが好みです。イギリスとイタリアとオランダが入り混じったような、ポップでジャジーでちょっとメランコリックな感じ。軽やかなギターのカッティングが耳に残ります。だけど、ヨーロッパのようなある種の硬さや重さといったものが希薄なところが、南米ブラジルの味なんでしょうか? そのあたりはよくわかりませんが、とくに意識しないで聴いていると南米だという印象をぜんぜん受けません。やっぱ古いブリティッシュに聞こえるなぁ。
O Terco(オ・テルソ)は『Casa Encantada』しか聴いたことがなかったのだけど、あのアルバムよりはこのアルバムのほうが好みだわ。うん、悪くないです。