SAGRADO CORACAO DA TERRA


FAROL DA LIBERDADE (1991年)

   サグラド・コラソン・ダ・テッラ / 自由の灯
    (SONHOS & SONS / CRIME / KING RECORD: KICP 2726 / 日本盤CD)



jacket photo
  1. DANCA DAS FADAS
       妖精のダンス
  2. SOLIDARIEDADE
       連帯
  3. AMOR SELVAGEM
       野生の愛
  4. PANTANAL
       湿地帯
  5. OLIVIA
       オリビア
  6. FAROL DA LIBERDADE
       自由の灯
  7. RAIO E TROVAO
       大ばか者とかみなり
  8. THE CENTRAL SUN OF THE UNIVERSE
       全ての星は太陽を回る


letras, musicas e orquestracoes por Marcus Viana








ブラジリアン・シンフォニック・ロックのトップ・グループのひとつですね。エレクトリック・ヴァイオリンの美旋律を中心に、しなやかで流れるようなシンフォニック・ロックが展開されます。ところどころフルートも加わり、ときにはPFMを思わせるようなきらびやかなアコースティック・ギターのアレンジなどもあり、聴きどころの多いアルバムといえるでしょう。

けっこう演奏はテクニカルなんだけど、あまりそれを感じさせず、おおらかで暖かい印象を受けるのは、ブラジルだからなんでしょうか。ほどよく哀愁もあるのだけど、それがあまりシリアスな感じにならないのも、ヨーロッパとはちょっと違った肌触り。ヴォーカルなどはイギリスのファンタジックなシンフォニック・ロックに似た印象を受けるのだけど、そのファンタジーの世界には妖精も魔物も棲んでいない感じ。

メロディや演奏、アレンジ自体は厚みもあるし深みもあるし広がりも充分以上に感じられる。音楽に対する愛情や暖かい気持ちもしっかり伝わってくる。それだけで充分魅力的なのだけど、その背景にある種の暗さとか重さとか湿りけといったもの、光と影の強いコントラストが感じられないところがヨーロッパのシンフォニック・ロックとは違う、ブラジリアン・シンフォニックの味わいなんでしょうね。

これはこれで聴いていて気持ちのいいものなのだけど、自分の好みとしてはやはりヨーロッパ的なコントラストがほしいなと思ってしまいます。ついでにいえば、エレクトリック・ヴァイオリンの音色にもっとつややかさを、ヴォーカルにもっと情熱を、とか思ってしまうのだけど、それはこのグループのめざすところとは違うのでしょう。

個人的な好みを別にすれば、とても完成されたシンフォニック・ロック・アルバムだと思います。

(2005.04.03)







Musica

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