I CALIFFI


FIORE DI METALLO (1973年)

   イ・カリッフィ / フィオレー・ディ・メタッロ
    (NUOVA FONIT CETRA/WARNER FONIT: 8573 82054-2 / ドイツ盤CD)



    jacket photo
  1. NEL MIO PASSATO
  2. FIORE FINTO, FIORE DI METALLO
  3. ALLELUIA GENTE
  4. VARIUS
  5. FELICITA', SORRISO E PIANTO
  6. A PIEDI SCALZI
  7. MADRE, DOMANI...
  8. COL VENTO NEI CAPELLI
  9. CAMPANE


produzione: Mauro Nava

Vincenzo Amadei: chitarra, canto
Franco Boldrini: basso, sinty, canto
Sandro Cinotti: organo, piano ,sinty
Maurizio Boldini: batteria, canto, percussioni








なんか、あんまり話題にならないグループですよね、I Califfi(イ・カリッフィ)。まぁ、アルバムを聴くと、話題にならなくてもしかたないかなという感じもするんですが。とくに日本では(本国イタリアでも?)、プログレッシヴ・ロックのジャンルで扱われるグループですが、プログレっぽさが希薄というか、けっこう普通のロック。だから、バリバリのプログレッシヴ・ファンにはウケが悪そうです。

曲によっては大幅なパイプ・オルガンの導入とかもあるんですよ。でも、そのパイプ・オルガンが、あんまり壮大には響かない。Jacula(ヤクラ)ほど爆発しなくてもいいけど、せっかくのパイプ・オルガンですからね、Hunka Munka(フンカ・ムンカ)くらいには壮大さを出してほしい。それと、パイプ・オルガンでの細かなコード・ストロークってのは、ちょっと無理があるんじゃないってパートもあります。

でも、彼らの基本って、おそらくポップス・グループなんでしょうね。いや、ロック・グループなのかな。そのへんのスタンスの曖昧さが、もうひとつ人気があがりにくい要因かもしれません。La Bottega dell'arte(ボッテガ・デッラルテ)とかのようなプログレ風味のポップス・グループぽさを出しながらも、ヴォーカルはあまり感情が乗らないような処理をしてるのも不思議。

聴いてて思ったんですが、このアルバムの印象って、初期のアート・ロックと呼ばれていたころのDeep Purple(ディープ・パープル)に近いところがあるんではないかなと。思わず「Hushかよ!?」って思ってしまう曲もあるし。ポップスあり、ロックあり、プログレ風ありと、けっこうとっちらかった曲調にもかかわらず、それでもあまりばらばらな印象にならないのは、ヴォーカルに意外と求心力があるからなのかなぁ。

イタリア好きの自分としては、けっこう楽しんで聴けるアルバムでしたが、イタリア初心者やプログレ初心者にはあまりおすすめしません。ほかにもっといいアルバムがたくさんあるはずだから、まずはそっちを聴いてからね。イタリアのさまざまなポップ・ミュージックになじんだあとに聴けば、こういうアルバムも「愛らしくて素敵」と思えるようになるはずです。

(2004.07.25)







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