1: PRIMAVERA
春 ──序曲──
2: MOMENTI SI, MOMENTI NO
ひとときの夢
3: DESIDERARE
憧れ
4: IL MAGAZZINO DEI RICORDI
思い出の店
5: UNA GRANDE EMOZIONE
溜息
6: PRIMA NON SAPEVO
愛の遍歴
7: IO DELUSA
失したもの
8: PIANO PER NON SVEGLIARTI
静かな眠り
9: BUIO IN PARADISO
天国の秘密
10: NOI LONTANI, NOI VICINI
あなたを想って
11: PRIMAVERA
春
カテリーナっていうのは、もともとビート・ポップ歌手だったんだそうだ。
だけど、このアルバムからはそんなことは想像もつかない。クラシカルなオーケストラを全面に配した、とても感動的なアルバム。
Pensiero! を頻繁にみにきてくれている人なら、カテリーナの名前を別のページでみつけたかもしれない。そう、彼女はあのアンドレア・ボチェッリ(Andrea Bocelli)や、アレッサンドロ・エッリコ(Alessandro Errico)が所属する Sugar レーベル(正しくは Caterina Caselli Sugar というようだ)のオーナーさん。
そう考えると、なんとなく納得がいく。
たとえばアンドレアの大ヒット・アルバム『Romanza』をもっと素朴で大衆的な身近さをもったものにし、それをちょっとハスキーな声の女性が唄ったら ……。
もちろん『Romanza』とこのアルバムは、違うものではある。アンドレアは正式なクラシックの歌唱法で唄うけれど、カテリーナはポップスの唄い方をする。『Romanza』はどこか神々しくもあるけれど、このアルバムは聖母のごとき清らかさと優しさをもちながらも、もっと身近な感じがする。
しかしこのアルバムは、『Romanza』と同じくらいの感動を、きっと与えてくれる。
いろいろ書いても無駄。聴くか聴かないか、それしかない。各種レヴューなどを読んで「聴いた気になる」程度のものではない。
もしアリーチェ・ヴィスコンティ(Alice Visconti)の1st、2nd が好きなら、このアルバムもきっと気に入る。アリーチェのアルバム以上の感動がある。
美しく感動的なクラシカル・アレンジを施された女性ヴォーカルのポップスを聴きたいと思うなら、これ以上のものはそうそうないと思う。