CATERINA CASELLI


PRIMAVERA (1974年)

   カテリーナ・カゼッリ / 組曲「春」
    (CRIME / KING RECORD 292E 2029 / 日本盤CD)



caselli1.jpg   1: PRIMAVERA
    春 ──序曲──
  2: MOMENTI SI, MOMENTI NO
    ひとときの夢
  3: DESIDERARE
    憧れ
  4: IL MAGAZZINO DEI RICORDI
    思い出の店
  5: UNA GRANDE EMOZIONE
    溜息
  6: PRIMA NON SAPEVO
    愛の遍歴
  7: IO DELUSA
    失したもの
  8: PIANO PER NON SVEGLIARTI
    静かな眠り
  9: BUIO IN PARADISO
    天国の秘密
 10: NOI LONTANI, NOI VICINI
    あなたを想って
 11: PRIMAVERA
    春







 カテリーナっていうのは、もともとビート・ポップ歌手だったんだそうだ。
 だけど、このアルバムからはそんなことは想像もつかない。クラシカルなオーケストラを全面に配した、とても感動的なアルバム。

 Pensiero! を頻繁にみにきてくれている人なら、カテリーナの名前を別のページでみつけたかもしれない。そう、彼女はあのアンドレア・ボチェッリ(Andrea Bocelli)や、アレッサンドロ・エッリコ(Alessandro Errico)が所属する Sugar レーベル(正しくは Caterina Caselli Sugar というようだ)のオーナーさん。
 そう考えると、なんとなく納得がいく。

 たとえばアンドレアの大ヒット・アルバム『Romanza』をもっと素朴で大衆的な身近さをもったものにし、それをちょっとハスキーな声の女性が唄ったら ……。

 もちろん『Romanza』とこのアルバムは、違うものではある。アンドレアは正式なクラシックの歌唱法で唄うけれど、カテリーナはポップスの唄い方をする。『Romanza』はどこか神々しくもあるけれど、このアルバムは聖母のごとき清らかさと優しさをもちながらも、もっと身近な感じがする。
 しかしこのアルバムは、『Romanza』と同じくらいの感動を、きっと与えてくれる。

 いろいろ書いても無駄。聴くか聴かないか、それしかない。各種レヴューなどを読んで「聴いた気になる」程度のものではない。
 もしアリーチェ・ヴィスコンティ(Alice Visconti)の1st、2nd が好きなら、このアルバムもきっと気に入る。アリーチェのアルバム以上の感動がある。

 美しく感動的なクラシカル・アレンジを施された女性ヴォーカルのポップスを聴きたいと思うなら、これ以上のものはそうそうないと思う。

(1997.12.30)








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