CRISTIANO DE ANDRE'


SCARAMANTE (2001年)

   クリスティアーノ・デ・アンドレ / スカラマンテ
    (TARGET/EDEL ITALIA: 01 3449 2ERE / ドイツ盤CD)



jacket photo
  1. BUONA SPERANZA
  2. LADY BARCOLLANDO
  3. SEI ARRIVATA
  4. FRAGILE SCUSA
  5. UN'ANTICA CANZONE
  6. LE QUARANTA CARTE
  7. SAPEVO IL CREDO
  8. SEMPRE ANA'
  9. LA DILIGENZA
  10. IL SILENZIO E LA LUCE


produzione artistica e realizzazione: Stefano Melone & Cristiano De Andre'
produzione esecutiva: Angelo Carrara

Cristiano De Andre': chitarre, bouzouki, tastiere, percussioni, violino, charango, synth, voce

percussioni: Giovanni Imparato, Sergio Barlozzi
batteria: Sergio Barlozzi, Elio Rivagli
basso: Roberto Melone, Pier Michelatti
chitarra: Rocco Zifarelli, Massimo Talamo
pianoforte: Stefano Melone
tromboni: Massimo Dedo
flauto: Michela Calabrese
cori: Manuela Gubinelli, Luvi De Andre', Stefano Melone, Mauro Pagani
rap voice: Michael Corkran
programmazionni: Stefano Melone, Daniele Fossati, Massimo Talamo, Luca Cersosimo








お父さんはいわずと知れた偉大なカンタウトーレ、Fabrizio De Andre'(ファブリツィオ・デ・アンドレ)。いわばCristianoは2世シンガーなわけですが、親の威光に依存することなく、ぽつぽつとではありますが味わいの深い作品をリリースし続ける、中堅どころのカンタウトーレに育ちましたね。もともとはFabrizioのコネクションだったのでしょうが、Massimo Bubola(マッシモ・ブボラ)やMauro Pagani(マウロ・パガーニ)といった才能のあるアーティストたちにもかわいがられているようですし、Daniele Fossati(ダニエーレ・フォッサーティ)との関係も続いているようですし、それもきっとカンタウトーレとしてのCristianoを彼らがきちんと認めているからなのでしょう。

2001年リリースの『Scaramante』は、彼の5枚目のソロ作品のようです。ずっと『L'albero della cuccagna』(1990年)がソロ・デビュー作だと思ってたのですが、オフィシャル・サイトのディスコグラフィによると1987年に『Cristiano De Andre'』というアルバムをリリースしているようです。1992年に『Canzoni con il naso lungo』(1993年に「Dietro la porta」を追加収録して『Cristiano De Andre'』というタイトルで再リリース)、1995年に『Sul confine』とコンスタントにアルバムをリリースしたのち、しばし沈黙。6年ぶりに発表したのがこのアルバムです。その後、2003年に『Un giorno nuovo』が出ていますが、これはベスト盤のようですので、現時点ではこの『Scaramante』が最新のオリジナル・アルバムといえそうです。

M1「Buona speranza」はスパニッシュ・テイストのアコースティック・ギターと重いウッド・ベース、そこにかぶさる民俗音楽風のパーカッションが印象的です。草原を渡る風のようなさわやかさを感じます。

M3「Sei arrivata」もアコースティック・ギターの軽やかなコード・ストロークとカッティングが全体に響く、ラテン/スパニッシュ風の軽快な曲です。

もちろん、M2「Lady barcollando」のような、イタリアらしい明るいフォーク・ポップスもあります。

M4「Fragile scusa」にはキーボード・オーケストレーションが導入され、壮大で派手な感じのスロー・ポップスになっています。演奏はけっこう派手なのですが、歌メロはカンタウトーレ的な素朴さを感じます。

M5「Un'antica canzone」ではウッド・ベースの響きとチープ感漂うシンセサイザーのメロディが不思議な雰囲気を醸しだしています。少し民俗音楽風のニュアンスもあるスローな曲。

M6「Le quaranta carte」は非常にオーソドックスな感じのミディアム・テンポのイタリアン・ポップス。でも自分、こういう感じ、好きです。メロディアスなラップ・パートもイタリア的ですし、なめらかで素直な歌メロもイタリアらしくていいです。Luvi De Andre'(ルーヴィ・デ・アンドレ。妹さんでしたっけ?)のコーラスが「ライオンキング」的なエキゾティックさを加えます。

M7「Sapevo il credo」はほとんどギターの弾き語りに近いシンプルな曲。その他の楽器はそっと静かに雰囲気を加える程度です。その分、Cristianoのヴォーカルの味わいが活きています。作曲にクレジットされてるFabrizio Casalino(ファブリツィオ・カザリーノ)って、『Come un angelo』(1998年)を出した彼だよな、きっと。最近は裏方に回っちゃったのでしょうか。

M8「Sempre ana'」はスローなポップスなのですが、メロディや構成などがちょっと平凡かな。あまり印象に残りません。Mauro Pagani(マウロ・パガーニ)との協作なんですけどねぇ。

M9「La diligenza」は、なかなかおもしろい曲です。歌いだしのメロディも印象的ですし、途中ではレゲエ風味のリズム・アレンジが入り、その後には民俗音楽風味になったりと、聴いていて楽しい。しかも、ほどよく哀愁も漂っています。

アルバム・ラストのM10「Il silenzio e la luce」はアコースティック・ピアノをバックにしたスロー・バラード。いかにもイタリアらしいといえばイタリアらしいし、いかにもアルバムの最後といえば最後らしいのですが、曲自体はそれほど印象的ということもないように思います。自分の好みからいえば、M9で終わっていたほうがよかったかもしれません。

(2006.01.29)







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