1: STELLA MARIS
2: SANT'ANTONIU
3: CICCIO
4: MALJA
5: MARINA DI MELILLI
6: LI CANI, I PICURARI I PECRI, LI MACHINI
7: VURRIA SAPIRI
8: ACQUA E FOCU
9: JORNU D'AMURI
10: CROZZA "MODO MINORE"
11: NICA...SAI...DUMANI
12: COMU LI STIDDI
Carlo Muratori: testi, musiche, arrangiamenti, chitarre, voce, direzzione
Giovanni Arena: bass
Riccardo Gerbino: riq, bendir, bombo, berimbau, darbouka, tambourine, congas etc.
Pippo Pagano: bamboo flute
Marcello Sorge: drums
Jole De Caro: background vocals
Luca Biggio: clarinet, soprano sax
Francesco Cali': accordion
Alessandra Caruso: organetto
Reggero Rotolo: drums
ジャケットの雰囲気やアーティスト名、アルバム名だけを見てカンで購入したアルバムには、「やっぱりハズレ、見込み違い」といった感じのものも多いのですが、その一方で「ジャケットから感じたオーラは間違いじゃなかった」というアルバムもあって、ちょっとした楽しみです。Carlo Muratori(カルロ・ムラトリ)のこのアルバムも、そうやってカンだけで手に入れたものですが、これは「正解」の部類に入るアルバムでした。
青い水のうえ(?)を漂う折り紙の船というジャケットも意味ありげですし、曲名もたぶん、標準イタリア語ではありません。
リリース元のUrloレーベルはCGDレーベル傘下の小さなレーベルですが、Flavio Giurato(フラヴィオ・ジウラート)やMassimo Bubola(マッシモ・ブボラ)のアルバムをリリースしていたこともあって、個人的には印象がいいレーベルです。ま、Litfiba(リトフィバ)やEnrico Ruggeri(エンリコ・ルッジェーリ)などもカタログにあるので、たんなる廉価レーベルだったのかもしれませんが。
そして、このアルバムから聴こえてくる音楽は、予想にたがわずトラッド色の強いものでした。
ただ、純粋なトラッドというわけではなく、フォークやロックの風味が感じられます。曲によっては初期のAlan Sorrenti(アラン・ソッレンティ)のような、あるいはSaint Just(サン・ジュスト)のような浮遊感があって、ここにメロトロンが入ってくればプログレッシヴ・ロックのファンが喜ぶだろうなと思わせるものもあります。全体的にはアコースティックな演奏によるトラッド・フォークといえるでしょうが、その点でトラッド・ファン以外でも楽しめる要素が充分にあるでしょう。
南欧的な雰囲気もありますが、曲想がどことなくクールに感じられるのが特徴かもしれません。Indaco(インダコ)に通じるような地中海風味もあり、意外と拾いもの的な感じのある作品です。