produzione artistica: Gianni Davis
arrantiatori: David Esposito, C.Carucci, Mario De Luca, Pino Perris
tastiere e piano: David Esposito, C.Carucci, Andrea e Mario De Luca, Pino Perris, M.Fasolino, C.D'Eboli
sax: Antonio Balsamo, Claudio Pascoli
chitarra: Roberto Petrella, Alessandro Sebastianelli, Ciro Sebastianelli
basso: Fedele Valente, Dino D'Autorio
batteria e percussioni: Leonardo De Lorenzo
Ciro Sebastianelli(チロ・セバスチァネッリ)は主に1970年代から80年代にかけて活動していたカンタウトーレです。ライナーによるとけっこう活躍したようで、1977年に「Vattenne」でデヴューし、1978年のサンレモ音楽祭では「Il buio e tu」で準優勝しています。その後は、1977年のディスコ・ネーヴェ(Disco Neve)に「Laura」で、1979年のサンレモ音楽祭には「Ciao Barbarella」で、1980年のフェスティヴァルバール(Festivalbar)には「Marta, Marta」で、1982年のアッズーロ(Azzurro)という催しには「Tenerezza」で、また1987年のベネルクス・ソング・フェスティヴァルには「Ischia faie sunna'」で参加するなど、精力的にあちこちに顔を出しています。
このCDに収録されているのは新録のようで、全体にシンセサイザーによるデジタルなアレンジとオーケストレーションが施されています。オリジナル録音ではおそらく、生のストリングスによるオーケストレーションが入っていたのでしょう。オリジナルを聴いてみたいです。
ちょっとFausto Leali(ファウスト・レアーリ)を思わせる、ワイルドさをたたえた力強いしわがれ声で歌います。曲調も、ポップで軽やかなものを中心に、ところどころむかしのシティ・ポップスを思わせるところもありますが、緩急のはっきりしたドラマティックなものもあります。ほどよく熱く、ほどよく哀愁があり、イタリアらしいメロディ展開もあり、歌唱力も充分。イタリアン・ポップス/カンタウトーレらしい魅力を持った人だと思います。
惜しむらくは、このCDに収録されているのがオリジナル録音ではないことでしょう。そのうえ、新規に施されたアレンジのセンスが悪すぎです。でも、いまとなってはぜんぜん有名じゃない人なので、旧譜のオリジナル再発は期待できないでしょうね。
M3「Marta, Marta」はいくぶんアップテンポな曲ですが、デジタル楽器のセンスのないアレンジと薄っぺらい音づくり、軽薄なコーラスがとても残念。オリジナルで聴きたかったです。
M6「Maria Mari'」とM8「Torna a Surriento」は有名なナポレターナですね。イタリアン・レストランのBGMなどでも聴いたことがありますし、ナポリのいろんな歌手がカヴァーしていると思います。この人もナポリ出身なのかな。
M9「Vorrei chiamarti amore」では、どことなくStefano Borgia(ステーファノ・ボルジァ)を思い出しました。