musique: Violaine Corradi
produced by Sylvain C. Grand, Dominique Grand
voix: Erik Karol, Agnes Sohier
guitares: Lionel Homel
sitar: Lionel Homel
basse: Dominique Grand, Pierre Pepin
violoncelle: James Darling, Carole Bogenez
violon: Stephane Allard, Celine Arcand, Melanie Belair, Nathalie Bonin, Jean-Marc Leblanc, Florence Mallette
viola: Jean Rene, Brian Bacon, Stephanie Bozzini
percussion: Yvon Plouffe, Sylvain Grand
batterie: Alain Quirion
accordeon: Marin Nasturica
oud: Rafik Samman
darbouka: Mohamed Raky
clavier: Sylvain Grand, Dominique Grand, Violaine Corradi
houtbois: Normand Forget
banjo: Lionel Hamel
chalemie: Eric Mercier
trampette: Maxime Saint-Pierre
cors francais: Jocelyn Veillette, Denys Derome, Jean-Jules Poirier
cornemuse: Eric Mercier
2007年に日本でも初上演された「Dralion」のサウンドトラックです。
カナダ・モントリオールを本拠地とするサーカス・パフォーミング・アート集団、Cirque du Soleil(シルク・ドゥ・ソレイユ)は、肉体を駆使したアクロバティックなパフォーマンスと幻想美やドラマを感じさせるアーティスティックなステージングでよく知られていますが、そのステージで生演奏される音楽もすべて彼らのオリジナルです。その音楽は、もはや「サーカスのBGM」の枠を完全に凌駕し、彼らのステージ同様、非常にクオリティの高いものになっています。これまでに日本公演のあった「Saltimbanco」「Alegria」「Quidam」といった作品のサントラも、音楽だけで充分以上に「アルバム」として楽しめるもので、自分はかなり気に入ってます。とくに『Alegria』は、ヨーロッパ的な哀愁とドラマ性が存分に感じられ、クラシカルでシンフォニックな趣もあり、ある種のプログレッシヴ・ポップスともいえる、かなりよいアルバムでした。
でも、この『Dralion』は、ちょっとなぁ。
「Alegria」などは、どことも知れないヨーロッパ(西洋)が舞台でしたが、「Dralion」はアジア志向。中国で幸運のシンボルとされる竜(ドラゴン)と西洋のライオンが合体したドラリオン(Dralion)がテーマなのです。そのためもあってか、音楽もどことなくエスニック。さらに、そのエスニックさが、東洋風というよりは、アラブやエジプト、あるいはアフリカ風だったりするところに、西洋人らしいある種の誤解を感じます。で、その誤解と彼らのルーツである西洋音楽が、『Alegria』などでのように上手に融合できてはいないように感じるのです。アレンジも、演奏も、なんか、どこかとってつけた感がある。
ショーとしての「Dralion」は、Cirque du Soleilの代表作のひとつともいわれているようで、きっと他の演目と同様に素晴らしいものなのだろうと思います。その舞台を盛り上げる音楽としては、きっとこれらの曲も効果的なのだろうと思います。ただ、音楽だけを取り出して「アルバム」として聴くには、ちょっと安易で退屈な印象を受けてしまいました。一定のレベルにはあるのだけど、音楽作品としての『Alegria』や『Saltimbanco』などのレベルには及ばないように思います。