produzione: DANILO AMERIO & M.Natale-R.Turatti-S.Melloni
arrangiamenti e realizzazione: MARIO NATALE e DANILO AMERIO
Lele Melotti: batteria
Paolo Costa: basso
Mario Natale: pianoforte e tastiere
Maurizio Macchioni: chitarra elettrica
Nico Aloisio: chitarra elettrica
Danilo Riccardi: pianoforte
Naco: percussioni
Danilo Minotti: chitarra acustica
Danilo Amerio: chitara acustica e tastiere
Rosario Bonaccorso: contrabbasso
cori: Ermanna Bacciglieri, Silvana Poletti, Leonardo Abbate, Lalla Francia, Emanuela Cortesi, Moreno Ferrara, Stefano De Maco, Danilo Amerio, Mario Natale
1999年のアルバム『Fidati del tuo cuore』の出来がかなりよく、イタリア本国ではほとんどヒットしなかったようだけど日本のイタリアン・ポップス・ファンのあいだではちょっとした話題になったDanilo Amerio(ダニーロ・アメリオ)。イタリアではカンタウトーレとしてよりもソング・ライターとして知られているようですが、1990年代なかばにはサンレモ音楽祭にも出場し、アルバムも4枚ほどリリースしています。
このアルバムは1994年にリリースされた、おそらくDaniloのファースト・アルバム。1994年のサンレモ音楽祭参加曲「Quelli come noi」がM1に収録されています。
ひび割れた声でゆったりとしたメロディを熱唱するスタイルは、Marco Masini(マルコ・マジーニ)によく似ていると思います。イタリアらしい明るさと暖かさ、そして胸にしみる哀愁が入りまじった曲調もMarco風です。
ただ、Marcoほどの大仰な感じ、くどい感じはなく、意外とあっさりめに仕上がっています。たぶん、曲の終わり方に引きずるようなところがなく、すんなりと終わるからなのでしょう。
そういった点で余韻は短いといえますが、それが逆に、Marcoみたいな曲は好きなんだけど、Marcoは暑苦しすぎ、濃ゆすぎという人にはいいかもしれません。
収録されている曲も、哀愁たっぷりの熱唱バラードや軽やかなポップスなど、比較的バラエティ感があり、途中で飽きたり胃もたれしたりせずに聴けます。
サンレモ参加曲のM1「Quello come noi」は、Marcoのような歌い上げ型バラードで、哀愁たっぷりです。
M2「Basta」やM3「Buttami via」は明るいイメージのリズミック・ポップ。
続くM4「Lato latino」はまたまた熱唱バラードで、さびでMarcoっぽさが爆発します。
M6「Fiore di campo」は歌い上げ型ではない、普通にスローなバラード。メロディもオーケストレーションも単純かつ平凡で、あまり魅力を感じません。
M9「Il gioco del mare」はイタリアにありがちなメロディ&展開のミディアム・スローなポップス。ありがちなんですが、その分、安心して聴けますし、自分はもともとこういう曲が好きなので文句はありません。甘さと哀愁、明るさのバランスがよいと思います。
M11「Senza fiato」は伸びやかで大きなメロディが魅力的です。
全体的には『Fidati del tuo cuore』にくらべると少し落ちるなという印象がありますが、クオリティ的には水準以上のカンタウトーレ作品です。それぞれの曲が充分な情感を抱かせながらもあっさり終わってしまうのに一抹の寂しさ(?)のようなものはありますが、ダミ声メロディアス・ポップス作品ファンにはおすすめといえるでしょう。
しかし、アルバムの最後まであんなにあっさり終わらなくてもいいのになとは思いますが。