prodotto da: DANILO AMERIO, UMBERTO FERRARA e SIMONE LAMPEDONE
arrangiamenti e realizzazione: DANILO AMERIO e SIMONE LAMPEDONE
Lele Melotti: batteria
Paolo Costa: basso
Max Arminchiardi: chitarre, e-bow
Fabio Gurian: sax soprano
Danilo Amerio: tastiere, shakuachi
Simone Lampedone: drum loop
Djalma Hutu: percussioni, minti, shinobue
cori: Susy Amerio, Andrea Russi, Umberto Ferrara, Viviana Porro, Simona Gherlone, Michele Centonza, Donatella Monza
cori bambini: 5 B della scuola elem. Baussano
cori gospel: The Spirit & Soul Singers
violini: Elena Gallafrio, Massimo Bairo, Efix Puleo, Piermichele Longhin
viole: Tamara Bairo, Andrea Alpestre
violoncelli: Marco Robino, Margherita Monnet
contrabbasso: Davide Vittone
archi diretti da: Fabio Gurian
前作『Fidati del tuo cuore』以来、およそ4年ぶりのアルバム。タイトルからすると、デジタル社会のことを歌っているのでしょうか。
アルバムのオープニングを飾るアルバム・タイトル曲「Ali digitali」にはコンピュータ音声やモデムのネゴシエーションの音などが取り入れられていて、デジタル社会な雰囲気を色濃く漂わせています。その一方でストリングス・セクションはキーボードではなく生のヴァイオリンやヴィオラを導入するなど、デジタルとアナログをバランスよく、効果的に組み合わせて曲をつくりあげています。もしかしたら、デジタルとアナログの融合がアルバムのテーマなのかも。
M2「Anni luce」では古いプッシュフォンのプッシュ音がSEに使われていて、Penguin Cafe Orchestra(ペンギン・カフェ・オーケストラ)を思い出しました。
M6「La stanza dei bottoni」などはClaudio Baglioni(クラウディオ・バッリォーニ)をこじんまりとさせたような印象もちょっとあります。
全体に、デジタルのスッキリした音色とリズムに、ストリングスが暖かみと厚みを加えるといったアレンジのものが多くあります。SEのふんだんな導入も、それほどうるさくなく聴けます。
Danilo Amerio(ダニーロ・アメリオ)の情熱的なひび割れ声はあいかわらず。初期のPaolo Vallesi(パオロ・ヴァッレージ)を情念的にしたような、あるいはMarco Masini(マルコ・マジーニ)の暑苦しさを少し薄めたようなメロディラインも健在で、熱唱だみ声叙情派カンタウトーレ(?)ファンの期待を裏切りません。
イタリアらしいパッションや哀愁を持った曲が多いですが、ところどころで東洋やアフリカなどを感じさせる部分もあります。リズムはデジタリックですが、生ストリングスの響きが「生きている」感じを与えているため、騒がしくも冷たくもなりません。あらためて、やはり生のストリングスの質感はいいものだなと感じます。
曲展開も極端にドラマティックになりすぎることもなく、しかし充分以上のドラマと哀愁を感じさせてくれます。こういった曲調のアルバムって、以前はイタリアにけっこうあったのですが、最近の若いシンガーやカンタウトーレたちの作品には見つけにくくなってしまいました。そういう意味では古いタイプのイタリアン・ポップスなのかもしれませんが、イタリアン・ポップスらしいよさや魅力が感じられるという点で、自分はこういった作品に好感を持ちます。
なお、音楽CDとDVDの2枚組パッケージでリリースされていますが、売価はCD1枚分と同じでお得です。DVDにはバックステージの様子などが収録されています。