1: TU COSA FAI STASERA
2: E... E... POI...
3: DOLCE FIORE
4: CHE GUSTO C'E'
5: AUTOSTRADA
6: LA MIA TERRA LA MIA GUERRA
7: FALO' (AMICO E')
8: AMICO E' (INNO DELL'AMICIZIA)
9: SPIRITO DELLA TERRA
10: PREGHIERA PER LA MUSICA
11: ALBERI D'INVERNO
12: FAVOLA DI PRIMAVERA
13: INSIEME
14: VOCI DI CITTA'
ダリオ・バルダン・ベンボ(Dario Baldan Bembo)の1981年から83年の曲を集めたベスト盤。新録やリミックスとかではなく、当時の録音を収録しているようです。
M8はカテリーナ・カゼッリ(Catelina Caselli)が参加したシングル・ヴァージョンのようです。
ここでの彼はソロ・シンガーですが、アレンジャーや作曲家としての活動も盛んだったようで、初期のルチオ・バッティスティ(Lucio Battisti)のアルバムなどでも名前を見ることができます。また、1971年頃にはエクィペ・オッタンタ・クァトロ(Equipe 84)に在籍していたこともあるそうです。
作曲家・アレンジャーとしては有能なようだし、キーボーディストとしても評価が高いようですが、シンガーとしてはどうなんでしょうか。あまりうまいようには思えないのですが。
とくにこれといって特徴のない、ふつうの声で歌います。流れとしてはカンツォーネ/イタリア歌謡の延長上にある曲、ヴォーカル・スタイルではないかと思います。迫力や声量がないあたりが、その後のポップス風といえるのかな。
とはいえ、そっけない素朴な歌い方が、魅力といえば魅力なのかもしれません。
キーボードの使用度が高く、シンフォニック・プログレ系のファンにもおすすめといったように紹介されているのを見たことがありますが、オリジナル・アルバムではドラマティックな構成がされているのでしょうか? 少なくともこのCDでは、ベスト盤だからしかたがないにしても、あくまでも歌ものファンが楽しむべき音楽だと思います。
たしかに美しいオーケストレーションはありますが、プログレ的なドラマティックさはあまり感じません。また、曲調も明らかにポップス/イージーリスニング路線です。アルバトロス(Albatros)などに印象が近いのではないでしょうか。
1980年代の作品にしては、曲調がちょっと古臭い感じがしますが、やわらかく包み込むようなイタリアン・メロディがたくさんあります。全体のイメージとしては明るい曲が多いようです。
カンタウトーレ〜ロックとは違う流れのなかにあるので、最近の音楽が好きな人には、もうひとつかもしれません。そのかわり、昔のイタリア歌謡や古いサンレモ系の曲が好きな方などには、心引かれるところがあるのではないかと思います。
自分としては、曲的にはけっこう好きなのですが、ヴォーカルの弱さが気になります。もう少し味があれば、もう少し表現力があれば……それがすこし残念です。