digital mastering: Gianluca Lazzarin
そのむかし、まだ自分が小学生(中学生?)くらいの頃だったでしょうか、テレビで「カックラキン大放送」(だったと思う)というヴァラエティ番組がありまして、毎週、楽しみに見ていたのですよ。番組内の名物コーナー?、研ナオコさんの「ナオコばあちゃんの縁側日記」とか、野口五郎さんの「刑事ゴロンボ」とか、覚えてる方も多いかもしれません。
で、この番組のエンディング曲が、とても印象的なメロディで、ずっと耳に残っています。「楽しかったひとときが、いまはもうすぎてゆく」という歌詞つきで。
この印象的な曲が、実はイタリアの曲だと知ったのは、比較的最近のことです。Dario Baldan Bembo(ダリオ・バルダン・ベンボ)のベスト盤を聴いていたときに、なんだか聴いたことのあるメロディだなぁ、なんだったっけなぁと思い巡らしているときに突如、浮かんだのです。
「楽しかったひとときが、いまはもうすぎてゆく...」
あ、これってカックラキン大放送! いや、ビックリしましたね、あのときは。
というわけで、この曲のオリジナルは、イタリアのDaniel Sentacruz Ensemble(ダニエル・センタクルツ・アンサンブル)というグループの「Soleado」という曲だったのです。Dario Baldan Bemboは作曲だかアレンジだかにかかわっていたようですが、このグループ自体はCiro Dammicco(チロ・ダッミッコ)がいたグループということで日本のイタリアン・プログレッシヴ・ファンに知られていますね。
たしかに「Soleado」は印象的な美しいメロディを持った曲ですが、やはりBGM的なのはたしか。そしてこういった曲調は、このグループの印象そのものといった感じがします。意外と軽快な曲もあるのだけど、そしてそれらもメロディ的にはなめらかで印象的なのだけど、グループとしての個性や押し出しといったものは強くなく、やっぱりBGM的。
「Soleado」のような歌詞のないハミング?だけのインスト(といっていいのか?)曲も多く、ヴォーカルが入る曲もとくにヴォーカリストの個性で聴かせるというタイプではなく。ちなみにヴォーカルは女性がふたりくらいと男性がいるのですが、たとえばSchola Cantorum(スコラ・カントルム)のように複数ヴォーカルを生かしたアレンジがされているわけではなく、たんにメロディを奏でる楽器のひとつのような扱いに思えます。
そんなわけで、BGMとしてかけておくにはじゃまにならないし気持ちもいいのだけど、一生懸命聴くタイプのグループではないかなぁという感じ。印象としてはAlbatros(アルバトロス)のようなタイプ、いわゆるイージー・リスニングを演奏するグループだと思います。そう思って接すれば、なかなかかわいらしいグループだし音楽じゃないでしょうか。