prodotto, arrangiato e registrato dai Dottor Livingstone
Anna Basso: voce
Fabrizio "cit" Chiapello: chitarre, programmazione
Andrea Bove: tastiere, programmazione
Pietro Verri: basso
Paolo "gep" Cucco: batteria, programmazione
Corrado Carossa: sax
Elena Diana: violoncello
Barbara Rubin: Violino
Alessandro Galiazzo: sitar
まだ活動していたのですね、このグループ。前作(デビュー・アルバム)は1999年だそうですから、6年ぶりのニュー・アルバムになるのでしょうか(途中に1枚、リリースされなかった幻のアルバムがあるらしい)。
デビュー直後ころでしょうか、Dottor Livingstone(ドットール・リヴィングストン)のマネージャーを名乗るイタリア人(の友人だという日本人)から、彼らを日本で売り出したいのでウェブで紹介してくれ、また彼らに興味を持ちそうな日本のマスコミやレコード会社を教えてくれというメール(日本語に翻訳済み)をもらったことがあります。サンプルCDを送るから住所を教えろというので教えたのだけど、けっきょく送られてこなかった。同様の経緯があったAmedeo Minghi(アメデオ・ミンギ)のマネジメントは送ってきたのにな。
そんなわけで、音は知らないままに名前だけは印象に残っていたDottor Livingstoneのアルバムを、初めて聴いてみました。
ふ〜ん、こんな感じなんだ。いろんな表情を持った曲が入っていて、けっこうカラフルな印象ですね。デジタルなビートやシンセサイザーの響きがあるかと思えばストリングスやピアノのアコースティックな響きがかぶさってきたり、ヴォーカルも無機質だったり妖しい魅力を漂わせてみたり。
M1やM2は、どことなくエレクトリック・ポップなころのMatia Bazar(マティア・バザール)を、現代風に、おしゃれにしたような印象。
M4はデジタルなリズムに乗ったポップスなのだけど、キーボードがミステリアスな雰囲気を加えてます。
M5はストリングスと生ピアノの音が美しく、それらが電子楽器と、ときにハーモニーとなり、あるいはコントラストとなって広がりを感じさせるスローな曲で、ちょっとアート風。フレーズの最後でかすかにビブラートがかかる歌い方が、どことなくAntonella Ruggiero(アントネッラ・ルッジェーロ)を思い出させます。
M7はデジタルな雰囲気の強いロックで、エレキ・ギターのストロークがパンキッシュ。Bluvertigo(ブルヴェルティゴ)とかSubsonica(スブソニカ)とかにも似た雰囲気を醸しだしつつも、無機質なヴォーカルが独特のクールな印象を与えています。また、途中で静かで美しいパートを導入してロック・パートと対比させるなど、構成も楽しいです。
M8ではうっすらとエスニックな雰囲気もまとい、カラフルなアレンジが施されたポップスになっています。
ヴォーカリストのAnna Basso(アンナ・バッソ)は、クールに抑えて歌うときと、ほどよくエモーショナルに歌うときがあるようですが、エモーショナルに歌うときの歌い回しがなんとなく、Antonella Ruggieroが抑えて歌っているような印象で、けっこう気に入ってしまいました。声質もそれなりに個性があり、演奏とのマッチングもいい。アルバム全体に、なんだかアーティスティックな雰囲気がただよっています。なかなかいい感じの作品でした。