DOMENICO MODUGNO


DOMENICO MODUGNO (1987年)

   ドメニコ・モデューニョ
    (FONIT CETRA CDM 2003 / 西ドイツ盤CD)



jacket photo   1: VECCHIO FRACK
  2: NEL BLU DIPINTO DI BLU
  3: PIOVE (CIAO CIAO BAMBINA)
  4: MUSETTO
  5: RESTA CU MME
  6: ADDIO... ADDIO
  7: MARINAI DONNE E GUAI
  8: STRADA 'NFOSA
  9: LAZZARELLA
 10: LIBERO
 11: TU SI 'NA COSA GRANDE
 12: LU PISCE SPADA
 13: 'O CCAFFE'
 14: LA DONNA RICCIA
 15: PASQUALINO MARAGIA'
 16: IO MAMMETA E TU
 17: 10
 18: STASERA PAGO IO







 1950年代から60年代までの曲を集めた、Fonit Cetraレーベルによるベスト盤。新録ではなく、オリジナル録音を集めたもののようです。

 Domenico Modugno(ドメニコ・モデューニョ)といえば「Volare(ヴォラーレ)」が非常に有名ですが、このCDはベスト盤のくせに、曲目一覧にこのタイトルがありません。じつは、この曲の正式なタイトルはM2の「Nel blu dipinto di blu」だということは、熱心なカンツォーネ・ファン以外には、あまり知られていないようです(自分も最近知りました)。

 この曲は1958年のサンレモ音楽祭優勝曲で、このときはジョニー・ドレルリという人と一緒に歌ったそうです。その後は彼自身の歌で全米1位、第1回グラミー賞受賞と、大ヒットとなりました。
 最近ではスパニッシュ色を前面に出したフランスのグループ、Gipsy Kings(ジプシー・キングス)がフラメンコ風にアレンジしカバーしたものが、日本でビールのコマーシャルソングに使われるなど、発表から40年以上経っても本質的な魅力が失われずにいる名曲といえるでしょう。
 ある意味で非常にカンツォーネ的な曲ともいえますが、その一方で、ノド開きっぱなし、大仰なアレンジで朗々と歌うといった、日本でいうカンツォーネのイメージ、あるいは「オ・ソーレ・ミオ」などのナポレターナなのイメージとは違った軽やかさと柔らかさ、そして可愛らしさがあります。

 日本ではカンツォーネ歌手というイメージが強い(と思います)Domenicoですが、彼はそれまでのカンツォーネ“歌手”と違い、自分で曲を書き歌うカンタウトーレ(シンガー・ソングライター)であることが、ステレオタイプなカンツォーネとの違いを生んだ理由のひとつなのでしょう。
 このアルバムに収録されているほかの曲も、英米の50's、60's的なところもありますが、それぞれがイタリアらしい柔らかさと可愛らしさを持っていて、今に続くイタリアン・ポップスの黎明を感じさせます。

(2000.08.13)








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