1: IL SERVO
2: BELLEZZA
3: UOMO IRREGOLARE
4: LA CITTA'
5: FIGLI DEL POPOLO
6: COMPUTER DI RAZZA
7: LUNA PARK
8: AFRICA
9: LA PISTOLA
produzione ed arrangiamenti: Gianni Marchetti
produzione esecutiva: Mario Simone
Gianni Marchetti: piano, tastiere
Stefano Senesi: piano
Massimo Fabreschi: basso
Maurizio De Lazzaretti e Walter Calloni: batteria
Vincenzo Mancuso, Giorgio Coccilovo e Franco Coletta: chitarra
Mauro Pagani: violino
Gianni Oddi: sax
1970年代に優れたアルバムを2枚リリースしたプログレッシヴ・ロック・グループ、Metamorfosi(メタモルフォシ)のヴォーカリストだったDavide Spitaleri(ダヴィデ・スピタレリ)によるソロ・アルバムです。
自分がまだ、プログレッシヴ・ロックを聴く比率が高く、カンタウトーレ系の作品を聴くようになってから日が浅かったころは、このアルバムを完全な歌もの、いわゆるカンタウトーレな作品と感じていました。
でも、さまざまなカンタウトーレの作品を数多く聴いてきたいま、改めてこのアルバムを聴くと、いわゆる歌もの、カンタウトーレ作品とは、言い切れないように思います。
もちろん、元Metamorfosiだからといって、このアルバムがプログレッシヴ・ロック作品だというわけではありません。ヴォーカルが中心の、そういう意味ではたしかに歌ものといえるでしょう。
でも、あちらこちらにプログレッシヴ・ロックの匂いがするのです。
その匂いの元は多分、演奏にあるのではなく、歌メロにあるのではないでしょうか。バックの演奏や曲の展開は歌もの的な、とくに仕掛けなどのない素直なものなのですが、ヴォーカル・ラインがどこか、いわゆる歌もの、カンタウトーレ作品とは違うように思えます。
いわば、プログレッシヴ・ロックの曲から歌だけを抽出し、そこにポップス風のアレンジや演奏をかぶせたといった感じでしょうか。
声や歌い方に特徴があるからかもしれませんが、プログレッシヴ・カンタウトーレの名作として知られるAlan Sorrenti(アラン・ソレンティ)の『Aria』などと、似た匂いを感じます。あるいは、プログレ的なところはないけれど、Premiata Forneria Marconi(プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ。PFM)が全面的にバックアップしたAlberto Fortis(アルベルト・フォルティス)のファーストなどにも通じるところがあるかもしれません。
とはいっても、プログレッシヴ・ロックのファンの人が、プログレッシヴ・ロック的な音を求めてこのアルバムを聴くことはおすすめしません。あくまでも「ポップス」「カンタウトーレ」のフィールドから聴くと、プログレ的な匂いがするというだけです。
全体的な印象は春のような暖かさを思わせるところもあるのですが、ファルセットを使ったリズミックな曲はいまひとつです。なぜ、こんな曲を入れたんでしょうか。