musiche e liriche di MAURIZIO VANDELLI
Franz Di Cioccio: batteria
Mario Totaro: hammond
Gisella, Ornella, Agnese, Mariangela: voci
Donatello: chitarra
1960年代から70年代に主に活動したポップス・グループ。タイプとしてはGiganti(ジガンティ)やDik Dik(ディク・ディク)などと同系統になるのでしょうか。もともとはビート・ポップスを演奏していたらしいです。そして、これらのグループと同様、1970年代の初期にプログレッシヴな要素を持った作品をリリースし、プログレッシヴ・ファンにも愛されているグループです。
このアルバムは、Equipe 84(エクィペ・オッタンタクァットロ)がそんなプログレ風な時代にリリースした作品のようです。
たしかに、メロトロンとプリミティヴなパーカッションによる神秘の森に迷い込んだかのようなオープニングはプログレっぽい感じです。
でもその後、一転して古いブリティッシュ・ポップスのような、やわらかくあたたかい曲につながっていきます。このあたりの展開は、おもしろいといえばおもしろいのですが、無理やりな感じもします。
その後は全体にやわらかなポップスが続きます。キーボードのオーケストレーションやフルートなども頻繁に現われますが、プログレ風というよりは、やはりブリティッシュ・ポップス風。Move(ムーヴ)や初期のElectric Light Orchestra(エレクトリック・ライト・オーケストラ。ELO)などのほうが近い感じで、イギリスからの影響が強くうかがえます。
ただ、そのなかに現われるフレーズのそれぞれにはイタリアらしいおおらかさとなめらかさがあり、よい時代のイギリスとイタリアのポップスのエッセンスがうまく混ざり合っている印象を受けます。意外と、1999年にリリースされたボローニャのボーイズ・グループ、Lunapop(ルナポップ)のデヴュー・アルバムなどと似た味わいかもしれません。
どちらのアルバムにも感じられるのは、メロディの美しさを大事にした音楽ということでしょうか。
ちなみに、全体にブリティッシュぽいのですが、5曲目の「Padre E figlio」はなぜかのんびりしたカウボーイ・ソング風です。それがなめらかなイタリアン・ポップスへとつながる流れと構成は、なかなかおもしろいです。