scritti e composati da ENZO GRAGNANIELLO
prodotto da NANDO COPPETO
arrangiamenti: ENZO GRAGNANIELLO e ADRIANO PENNINO
hanno suonato:
Adriano Pennino: programmazione, tastiere, fisarmonica, pianoforte
Vittorio Riva: batteria
Gigi De Rienzo: basso
Michele Montefusco: chitarra, mandola, chitarra bragueza
Enzo Gragnaniello: chitarra
Maurizio Fiordiliso: chitarra elettrica
Maurizio Pica: chitarra 12 corde
Michele Signori: violino
Rosario Lermano: percussioni
Rino Zurzolo: contrabasso
Aldo Mercurio: basso
Tony Cercola: bonghetti
Daniele Sepe: flauti
Gennaro Petrone: mandolino
Lello Giulivo e Maurizio Fiordiliso: cori
Enzo Gragnaniello(エンツォ・グラニャニエッロ)の歌声には、独特の個性と味わいがあります。自分がはじめて彼の歌を聴いたのは1999年にOrnella Vanoni(オルネッラ・ヴァノーニ)と一緒にサンレモ音楽祭に参加したときの曲「Alberi」ででしたが、そのときはイタリアン・ポップスやカンタウトーレというより、日本の演歌というか、猟師唄(鳥羽一郎?)のような印象を受け、自分の好きなタイプじゃないなと感じたのですが、その後、聴くほどに魅力ある声と歌に思われてきました。
Enzoはアルバムによって作風に違いがあるように思うのですが、このアルバムではキラメキと哀愁の交錯する地中海ポップスをベースにした音楽が楽しめます。広く東西ヨーロッパからアラブ、中近東へと広がるイメージが、現れては消えていきます。
タイトル曲のM1「Continuero'」は、少しセンチメンタルでやわらかな哀愁が漂っています。
M2「Hei mari'」は地中海らしい軽やかさと明るさ、そして哀愁が感じられる曲です。アコースティック・ギターのストロークが心地よく響きます。ちょっと雑多な印象のあるアレンジや演奏も地中海ポップス的です。
M4「Questi siamo noi」はちょっとさわやか風(?)のコーラスから始まり、Enzoの曲にしては変わった感じだなと思ったのもつかの間、すぐに民俗音楽っぽい打楽器が入り、そのままなんでもありな地中海ポップスもどきになっていきます。そこに、どことなくアメリカンな感じもするのがおもしろいです。
M7「Cercando il sole」ではパンパイプ(かな?)によるイントロが南イタリアのイメージを強く感じさせます。アコースティック・ギターのやわらかな音とEnzoのクセのあるヴォーカルが心地よく溶け合っています。フォルクローレ風の香りもあります。
なお、このM7とM9「Stringi di piu'」は1991年の曲で、Daniele Sepe(ダニエーレ・セーペ)がフルートで参加しています。
素朴なカンタウトーレ風であったり、雑多なアレンジの入り混じった地中海ポップス風であったりと、収録されている曲の感じには幅がありますが、Enzoの個性的なヴォーカルによって、アルバムとしての求心力が与えられています。一見ごちゃごちゃとしていながらも、なんとなくまとまっている感じがするところが、いかにも地中海的です。この感覚はDaniele Sepeのアルバムなどにも通じるところがあるでしょう。
一風変わった音楽ともいえそうなので、いわゆるイタリアン・ポップスのファンやカンタウトーレのファンよりも、地中海音楽や民俗音楽をベースにしたポップスなどのファンのほうが楽しめるかもしれません。でも、なかなかいいアルバムだと思います。