prodotto da Marco Marati
produzione artistica e arrangiamenti: Gianni Salvatori, Fio Zanotti, Adriano Pennino
tastiere: Eric Buffat, Fio Zanotti, Adriano Pennino
programmazione: Eric Buffat, Samuele Dessi, Adriano Pennino
batteria: Lele Melotti, Vittorio Riva
basso: Cesare Chiodo, Aldo Mercurio
chitarre: Gianni Salvatori, Marco Formentini, Giorgio Cocilovo, Maurizio Fiordiliso
2003年のサンレモ音楽祭新人部門に参加した若い女性シンガー。これがデビュー・アルバム(ミニ・アルバムだけど)のようです。
もう、なんていうか、すごく正統派なイタリアン・ポップス。最近のイタリアン・ポップ・ミュージックを(だけでなく、世界中のポップ・ミュージックも)侵食しまくりのR&B/ヒップ・ホップ色が皆無で、個人的にとても好印象です(R&B/ヒップ・ホップ系って苦手)。
曲のタイプとしては、Laura Pausini(ラウラ・パウジーニ)直系といった感じでしょうか。イタリア語の響きの美しさを存分に生かした素直なメロディ。ゆったりとしてておおらかなフレーズ。シンプルだけどストレートに「きれいな旋律だよなぁ」と思う歌メロを丁寧にやさしく包み込むオーケストレーション。収録されているのはミディアム・スローなバラードが中心ですが、それぞれの曲にちょっとしたロング・トーン・パートがあり、イタリアらしい「歌い上げ系」ヴォーカルが堪能できます。
歌だけでなく、ルックスもちょっとLaura系でしょうか。ブックレットの最初に出てくる写真なんて、すごくLauraぽいと感じました。若いのに意外と老け顔なところも含めて(笑)。
ただ、デビュー当時からいかにも上品で清楚で素直で伸びやかな歌声を持っていたLauraにくらべると、Elsaのヴォーカルは、まだかなり粗い感じがします。少しひび割れ感のある低めの声質のせいもあるのでしょうが、フレーズのうたいまわしやビブラートのかけ方などが、あまりこなれてない。ちょっと無理して「上手に歌ってるように聞こえるように気をつけてます」といった感じがうかがえます。それと、こういった歌い上げ系の大きなメロディを歌うには、ちょっと声の出し方が不足気味かな。そういったことが重なって、Lauraよりもずっと俗っぽい印象を受けます。
曲自体はどれも質が高く、アルバムとしての出来はよいと思います。Elsaもその曲のよさを表現しようと頑張っているのがうかがえて、好ましいです。もう少しヴォイス・トレーニングをして、きちんと声を出せるようになったら、注目されるシンガーになりそうな感じです。