FABRIZIO DE ANDRE'


IN CONCERTO VOL.2 (1980年)

   ファブリツィオ・デ・アンドレ / イン・コンチェルト・ヴォルメ・デュエ
    (DISCHI RICORDI CDOR 8431 / イタリア盤CD)



deandre2   1: AVVENTURA A DURANGO
  2: PRESENTAZIONE
  3: SALLY
  4: VERRANNO A CHIEDERTI DEL NOSTRO AMORE
  5: RIMINI
  6: VIA DEL CAMPO
  7: MARIA NELLA BOTTEGA DEL FALEGNAME
  8: IL TESTAMENTO DI TITO







 前年にリリースされた『In Concerto』が好評だったのでリリースされたらしい、同じツアーの続編。当然、演奏はPFMです。
 Vol.1が10曲46分ほどの収録だったのに対し、こちらは38分と多少、短めになっています。ちなみにM2の「Presentazione」は曲ではなく、タイトルどおりメンバー等の紹介(これが4分弱もある)なので、収録曲数も7曲と少なめです。最初からリリースの予定ではなく、急きょ決まったんでしょうね。

 Vol.1とVol.2をくらべると、Vol.2のほうが選曲が地味です。
 Vol.1ではアップテンポの軽快な曲、舞踊曲風のものが多数含まれ、ところどころでPFMによる華麗なバックアップが比較的前面に出ていました(PFMそのものになってしまうことも)が、このアルバムは全体的にロマンティックな語り風の曲が中心になっています。たぶん、こちらのほうが、元々のファブリツィオの印象には近いんじゃないでしょうか。

 彼の曲には、イタリアの土着音楽はもちろん、それ以外にもいろいろな国のトラッドなどから影響を受けたのだろうなというのが感じられます。イタリアン・ポップスの枠には納まりきれない、もっと広いヨーロッパの音楽といったほうが、しっくりくるように思います。
 Vol.1ではそういった面が強く出ていましたが、このVol.2では、比較的イタリアらしい曲が中心になっています。派手な曲はありませんが、どれもイタリアの田舎町を思わせるような、素朴で美しいものばかりです。

 初心者でもなじみやすいのは、曲順や演奏にメリハリがあり、一聴してワールド・ポップス風のとっつきやすさがあるVol.1ではないかと思います。しかし、本当に味わい深いのは、じつはVol.2のほうではないでしょうか。
 ドラマティックな展開などなく、メロディ的には淡々としていますが、素朴なロマンティックさは非常に魅力的です。聴き込むほどに味の出る音楽でしょう。

 いまひとつとっつきにくい感じのするファブリツィオですが、1度そのよさが自分のものとして受け止められたら、長く愛し続けていける……そんなカンタウトーレなんでしょう。
 今回じっくりこの盤を聴きなおしてみて、スタジオ盤も集めてみたい気持ちになっています。

(1999.01.17)








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