FRANCESCO DE GREGORI
AMORE NEL POMERIGGIO (2001年)
フランチェスコ・デ・グレゴーリ / アモーレ・ネル・ポメリッジォ
(COLUMBIA / SONY MUSIC ENTERTAINMENT COL 499893 2 / イタリア盤CD)
- L'AGGETTIVO "MITICO"
- CANZONE PER L'ESTATE
- DERIVA
- SPAD VII S2489
- NATALE DI SECONDA MANO
- QUANDO E QUEI
- CONDANNATO A MORTE
- IL CUOCO DI SALO'
- CARTELLO ALLA PORTA
- CALDO E SCURO
- SEMPRE E PER SEMPRE
prodotto da GUIDO CUGLIELMINETTI
"Natale dei soconda mano" prodotto e arrangiato da NICOLA PIOVANI
"Il cuoco di solo'" prodotto e arrangiato da FRANCO BATTIATO
basso: Guido Guglielminetti
batteria: Massimo Buzzi, Alessandro Svampa
chitarra: Paolo Giovenchi
tastiere: Carlo Gaudiello
cori: Lalla Francia, Monica Magnani
chitarra: Francesco De Gregori, Dario Arianti, Slep
pianoforte: Alessandro Arianti, Nicola Piovani, Michele Ferdigotti, Francesco De Gregori
fisarmonica: Fabio Ceccarelli, Carlo Gaudiello
tastiere: Guido Guglieminetti
organo hammondo: Toto Torquati
banjo: Francesco De Gregori
mandolino: Marco Rosini
violino: Stefano Tavernese
contrabbasso: Greg Cohen
Antonello Venditti(アントネッロ・ヴェンディッティ)とともにTheorius Campus(テオリウス・カンプス)名義の同名アルバムで1972年にデヴューしたFrancesco De Gregori(フランチェスコ・デ・グレゴーリ)。
Antonelloと同様、いまも活動を続けるヴェテラン・カンタウトーレですが、Antonelloにくらべると、ちょっと存在が地味に感じます。それはたぶん、Francescoの書く曲が、メロディよりも歌詞に重点がおかれているタイプで、アレンジにも派手なところやこったところがなく、華やかさに欠けるからでしょう。
しかし、おだやかで素直なメロディ、淡々と歌う落ち着いた声は、どことなく夢見がちで、ロマンティックであるといえます。歌詞の意味がわかれば、さらにいろいろと趣き深いのでしょうが、歌と演奏を聴いているだけでも、素朴な歌の世界を楽しむことができます。
21世紀最初の年にリリースされたこのアルバムも、素朴なロマンティシズムにあふれた、おだやかな作品です。
世の中の音楽の流行が、よりリズミカルに、ポップに、そしてロックになっていこうとも、また、イタリアではまるで1980年代初頭のブリティッシュ・ニューウェーヴのような曲が好まれて演奏されているようになっていようとも、Francescoのアルバムにはむかしと変わらない詩情があり、優しさがあり、おだやかさがあります。派手さはありませんが、ゆるやかな空間を暖かに包み込むかのような彼の歌は、けっしてポップ・シーンのメイン・ストリームにはならないでしょうが、いつまでもその輝きを失わないタイプの音楽だといえるでしょう。
アコースティック・ギターやピアノを中心に、やわらかいオーケストレーション、控えめなストリングスやアコーディオンのアレンジなどが施された音楽は、タイプとしてはフォーク・ソングであり、ときに古き良き時代のアメリカをも思わせます。しかし、たんに古いタイプのフォークというわけではなく、女性ヴォーカルとデュエットしたり、多少の現代的ロック・フィーリングを入れたりと、演奏面・音楽面での工夫も施されています。
カンタウトーレらしい作品だと思います。
(2001.04.22)
Musica
Pensiero! -- la Stanza di MOA
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