testi e musiche di Francesco De Gregori
realizzazione artistica: Edoardo De Angelis
tastiere: Italo Greco, Antonello Venditti, Francesco De Gregori, Renzo Zenobi, Edoardo De Angelis
chitarre: Francesco De Gregori, Olimpio Petrossi
basso: Olimpio Petrossi
percussioni: Tony Esposito
地味だ...
1970年代にデビューし、いまでもイタリア国内ではコアな人気があるFrancesco De Gregori(フランチェスコ・デ・グレゴーリ)。しかし日本ではほとんど人気がありませんねぇ。それはきっと、その地味ぃ〜な音楽性に理由があるのでしょう。おそらく、基本的には「歌詞を楽しむ」タイプのカンタウトーレなんでしょうね。自分のようにイタリア語がわからない人には、聴いて楽しむのはけっこうきついかもしれません。でも自分、そんなに苦手じゃないんだよな、Francescoの歌。
このアルバムは彼のデビュー作で、やっぱり思いっきり地味です。ほとんどアコースティック・ギターによる弾き語り状態の淡々としたフォーク風の曲が続きます。ときどき申し訳程度にピアノが入ったりしますが、ぼんやり聴いてるとギター以外の楽器がなっていることに気がつかないくらいの導入率です。それでもってヴォーカルも、とても地味に淡々と歌ってます。シンプルであまり動きのないメロディや構成に、素直に言葉を乗せている感じ。
歌も演奏も、とっても地味なんですが、でもね、なんだか引かれるところがあるのですよ。全体にゆるやかに漂うロマンティックでファンタジックな感じとか、わかりやすい力強さはないのだけど奥深い強さと包容力を感じさせる声とかが、淡々とした曲調の中でじんわりと伝わってくるのですわ。
それと、アルバム1曲目では混声(だと思う)のコーラスがそっと入ってて、すご〜く地味ぃ〜なSchola Cantorum(スコラ・カントルム)のようでもあり、これがけっこう自分の好みだったりするのです。アルバム冒頭でつかまれてしまったので、その後も聴き続けちゃったようなところはあるかもしれません。
最近のイタリアン・ポップスが好きという方には、なかなかすすめにくいし(地味だからね)、いわゆる「イタリアっぽさ」というのがあるのかといわれるとどうかなぁとも思うのだけど(カンタウトーレらしい、とは思う。ということはフォークっぽいということ)、ときにはこういうアルバムを落ち着いたおだやかな心持ちで聴くのもいいかなぁという感じです。