FANDANGO


FANDANGO (1994年)

   ファンダンゴ / ファンダンゴ
    (CGD 4509-98318-2 / ドイツ盤CD)



    jacket photo
  1. CENTOMILA
  2. PICCOLISSIMI
  3. TI LASCIO VIVERE
  4. DA LONTANO
  5. CHI E'
  6. BALLANDO BALLANDO
  7. DOVE SEI
  8. CHE GROSSA NOSTALGIA
  9. NON CI PRENDERANNO MAI


produzione artistica e arrangiamenti:
Riccardo Galardini, Dado Parisini(M8), Fandango(M9)

FANDANGO:
Lilla Fiori - voce e pianoforte
Roberto Lanzo - chitarra e tastiere
Stefano Scoarughi - basso

Riccardo Galardini: chitarre
Gianni Salvatori: chitarre
Massimo Pacciani: batteria, percussioni
Eric L. Buffat: tastiere, pianoforte, programmazioni
Stefano Cantini: sax
Marco Papeschi e Claudio Freducci: violino
Antonio Flavio Pavani: viola
Damiano Puliti: violoncello







 Fandango(ファンダンゴ)はヴォーカル&ピアノの女性と、ギター、ベースの男性2人による、3人組のグループです。一部のイタリアン・ファンの間では人気があるらしいのですが、このアルバム以降の活動は、とくに伝わってきていません。

 明るく素直な女性ヴォーカルは好感が持てますが、憂いや奥行き、味わいには欠けます。曲想も明るく華やかな感じのものが多く、耳ざわりはよいのだけど、これといって心にひっかかるところがありません。
 タイプとしては、アメリカのAORと呼ばれるジャンルのポップスに近いかもしれません。しかし、AORを演奏するにはメンバーの年齢が若いのか、たとえばBoz Scaggs(ボズ・スキャッグス)などにくらべると、圧倒的に深みが足りません。メロディも、演奏も、ヴォーカルの声質や楽器の音色にも、やわらかな陽射しのような暖かさがあり、なめらかで美しいのに、そこから先に引き込むなにかが足りないのです。たぶん、グループとしての個性の強さ、主張といったものが、あまり感じられないからなのでしょう。

 逆にいえば、そういったものが希薄な分、楽曲としては非常にすっきりとしていて聴きやすいといえます。つまり、リスナーに要求するものがほとんどないわけです。ただやわらかな陽だまりのなかにいればそれでいいというようなタイプの音楽ともいえ、それはそれでよいと思います。
 要は、音楽になにを求めるか、どのように楽しむかといったスタンスの違いによって、聴くべき音楽は変わってくるわけですから。

 このアルバムに関しても、音楽に深みや豊かさ、精神性といったものはありませんが、BGMとして流しておくには充分に美しく、おしゃれであり、ロマンティックでもあります。ときにSheena Easton(シーナ・イーストン)を思わせるような(といっても、すごく小粒になったSheenaといった感じですが)女性ヴォーカルも、BGMとして聴くなら、余分な押し出しがない分、より楽しめるでしょう。
 そういった意味では、万人受けのするメロディアス・ポップスといえると思います。一般的なポップスのファンには、意外とおすすめなのかもしれません。
 ただ、自分としてはやはり、ただ聴きやすいだけでなく、アーティストとしての迫力のようなものを求めてしまいます。

(2001.04.22)







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