1: GUIDA TU
2: SCHERZANDO SCHERZANDO
3: ALASSIO
4: UN CANE SCIOLTO
5: LORO COME FANNO
6: BATTI CINQUE (4/4 di silenzio)
7: MIO FRATELLO CHE GUARDI IL MONDO
8: QUANDO SAREMO PRONTI A VIVERE
9: L'AMICO
10: SIAMO IN TANTI
11: DA FRATELLO A FRATELLO
prodotto da DINO CEGLIE e FRANCO FASANO
ちょっとコアなイタリアン・ポップス・ファンの多くが待っていた、Franco Fasano(フランコ・ファザーノ)ひさしぶりの新作です。といっても完全なオリジナル・アルバムではなく、過去の3枚のアルバムからのベスト選曲(新録)+3曲の新曲というスタイルでリリースされました。
完全なニューアルバムを待ち望んでいたファンには少し不満の残るところではありますが、過去のアルバムがどれも入手困難な状況にあるので、これはこれで好ましいことであるといえるでしょう。
自分は、オリジナルなかたちのアルバムとしてはセカンドしか聴いたことがありませんが、すがすがしいイメージとやさしいメロディを持った曲のなかに突如、プログレッシヴ・ミュージックを思わせる深遠な世界を持った曲が現われるのがユニークでした。そのどちらのタイプの曲もが豊かなメロディを持っており、またヴォーカルも伸びやかで、カンタウトーレ作品として非常にクオリティの高いものでした。
そのセカンドにくらべると本作は、ベスト盤ということもあり、アルバムとしての求心力に欠けます。また曲想も、おだやかでポップなものだけで構成されているので、アルバムのなかでの起伏といったものも少なく、アレンジもすっきりとしているため、個性という点でも薄まっています。
とはいえ、なめらかなメロディと、少しひび割れたやわらかい歌声の魅力は、消えることはありません。イタリアン・ポップスの初心者などにはかえって、余計なクセがない分、このアルバムのほうが聴きやすいかもしれません。
カンタウトーレとしての高いポテンシャルを秘めている彼なので、次回はオリジナルなかたちでのニューアルバムによる完全復活を望みたいところです。その際には、今作に聴かれた、中途半端なエレポップ・アレンジやヒップホップ・アレンジは、なしにしてほしいものです。
なお、M7はIvano Fossati(イヴァーノ・フォッサーティ)の曲で、Gatto Panceri(ガット・パンチェーリ)とデュエットしています。