FIORELLA MANNOIA


I TRENI A VAPORE (1992年)

   フィオレッラ・マンノイア / イ・トレーニ・ア・ヴァポーレ (蒸気機関車)
    (TICKET / EPIC / SONY MUSIC ENTERTAINMENT: EPC 471187 2 / オランダ盤CD)



jacket photo
  1. I TRENI A VAPORE
  2. TUTTI CERCANO QUALCOSA
  3. IL CIELO D'IRLANDA
  4. 1991 L'AMORE PER AMORE
  5. I VENTI DEL CUORE
  6. SULL'ORLO
  7. INEVITABILMENTE
  8. PICCOLA SERENATA DIURNA


produzione e realizzazione: Piero Fabrizi
arrangiamenti: Fio Zanotti

batteria: Lele Melotti, Gavin Harrison, Walter Calloni
basso: Pier Michelatti, Paolo Costa
chitarre: Piero Fabrizi, Paolo Gianolio
fisarmonica: Fio Zanotti
tastiere: Fio Zanotti, Renato Cantele, Paolo Gianolio
piano: Fio Zanotti
organo: Fio Zanotti
violino: Lucio Fabbri
mandolino: Lucio Fabbri
flauto: Giancarlo Parisi
programmazione: Renato Cantele, Rilly, Paolo Gianolio, Emanuele Ruffinengo
cori: Naimy Hackett, Lalla Francia, Silvio Pozzoli, Moreno Ferrara








イタリアン・レストランなどでFiorella Mannoia(フィオレッラ・マンノイア)の曲がかかっていると、いつもまずは「この声、Alice(アリーチェ)だっけ?」と思ってしまう自分です。低くてふくらみのある声。こういう「甘さ」のない女性シンガーはけっこう好きです。甘くはないけど、やさしさとあたたかみにあふれているのがFiorellaの魅力ですね。その点、Aliceのほうがクールというか、ちょっと怖い。このクールさと怖さを突き詰めていくと、その先にはNico(ニコ)が待っている?(笑)

Fiorellaは、そのシンガーとしての実力が認められているのか、それとも人柄などで愛されているのかは知りませんが、才能のあるカンタウトーレから楽曲提供を受けることが多く、それゆえアルバム自体のクオリティも高くなり、さらにFiorella自身の評価も上がるという、とてもいいサークルのなかにいるように思います。今回のアルバムでも、アレンジはFio Zanotti(フィオ・ザノッティ)、曲提供はIvano Fossati(イヴァーノ・フォッサーティ)、Massimo Bubola(マッシモ・ブボラ)、Francesco De Gregori(フランチェスコ・デ・グレゴーリ)、Eugenio Finardi(エウジェニオ・フィナルディ)、Enrico Ruggeri(エンリコ・ルッジェーリ)と、ビッグ・ネームばかり。

派手さはないけれど、胸に深く静かに染み渡るような曲を書くカンタウトーレたちの曲が中心なので、アルバム全体にも落ち着きがあります。こういった曲調はFiorellaのヴォーカル・スタイルにも合っていますね。ロマンティックなIvanoや、素朴でトラッド風味も感じるMassimoの曲もいいのですが、メロディや構成的にはあまり盛り上がりのないFrancescoやEugenioの淡々とした曲をこれだけ上手に「聴かせる」女性シンガーって、あまりいないと思います。テクニックや表面的な起伏とはまったく別のところで、胸の奥から、心の深いところからにじみ出てくる「想い」のようなものが、静かに、穏やかに、聴き手に届きます。そしてそれを邪魔しないように、丁寧に控えめにバックアップするFioのオーケストレーション・アレンジ。

派手さはないけれど、とても穏やかで趣のある、いいアルバムだと思います。そしてやっぱりFiorellaって素敵なシンガーだ。

(2005.04.03)







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