produzione artistica: Federico Poggipollini
arrangiamenti: Federico Poggipolini e band
Federico Poggipollini: voce, chitarre, harpsichord, piano, basso
Antonio (Ciullo) Bonetti: batteria
Marco Prati: basso, cori
Paolo Campioli: chitarre
Lucio Morelli: tastiere
Mel Previte: chitarra
Emi Pierro: batteria
Franco (Jamaica) Barletta: basso
ロック色の強いカンタウトーレ。Federico Poggipollini(フェデリコ・ポッジポッリーニ)は曲をつくって歌うだけでなく、マルチ・ミュージシャンでもあるようで、ギターのほかにハープシコード、ピアノ、ベースも演奏します。さらにプロデュースもアレンジも自分でやるという、とっても欲張りな人のようです。
少し粘った感じのクセのある声が特徴でしょうか。どことなくNek(ネック)を思い出させるところがあるのは、この声と曲調のせいかな。いろいろと演奏するFedericoですが、いちばん得意(あるいは好き)なのはギターなのでしょう。主に8ビートをきざむギターのストロークがもっとも前面に出ています。
しかし、平凡なアレンジだなぁ。メロディ自体は悪くもなくよくもなく、1970年代終わりから80年代前半頃のイギリスのロックを思わせるような、最近のイタリアの若いアーティストにありがちなものです。ありきたりといえばありきたりなんですが、このくらいのメロディがあれば、あとはアレンジと演奏次第で充分印象的になるはず。だけど、ベタッと空間を塗りつぶしたようなギターのアレンジと、単純に8分音符でルートを弾くばかりのベースという、いかにも若いギター小僧が考えたような素人臭いアレンジがされていて、すっかり平凡になってしまっています。ほんのときたまKinks(キンクス)の亡霊が横切ったような小気味よいギターも聴かれるのだけど、それが持続しないのですよ。
Federicoがどれくらいのキャリアを持ったシンガーなのかはわかりませんが、あまり名前の知られていない若いシンガーのセルフ・プロデュース/セルフ・アレンジ作品にありがちな、どこか独りよがりで素人くさい仕上がりになってしまっていると思います。でも、声にそれなりの個性があるし、メロディもそんなに悪くなく、磨けば光る、育てれば伸びる部分はあるように感じます。よいプロデューサー、よいアレンジャーに出会い、個性やよさをより引き出してもらえるようなサポートが受けられるようになるといいのだけど。いまのままでは、たくさんいる若手のなかのひとり以上の印象は与えられないだろうな。