FRANCOISE HARDY


MA JEUNESSE FOUT LE CAMP (1967年)

   フランソワーズ・アルディ / マ・ジュヌッス・フォウ・ル・キャンプ



    jacket photo
  1. MA JEUNESSE FOUR LE CAMP
  2. ET SI JE MEN VAIS AVANT TA
  3. POINT
  4. LONESOME TOWN
  5. SAN SALVADOR
  6. QUANDO MON AMOUR VA PRENDRE L'AIR
  7. COMMENT TE DIRE ADIEU (IT HURTS TO SAY GOODBYE)
  8. SI MI CABALLERO
  9. DES RONDS DANS L'EAU
  10. L'ECLAIRAGE
  11. LET IT BE ME
  12. MEME SOUS LA PLUIE
  13. MON MONDE N'EST PA VRAI (NEVER LEARN TO CRY)
  14. J'AI COUPE LE TELEPHONE







邦題は『もう森へなんかいかない』でしたっけ? 手元にあるのは、ずっとむかしにLPからカセットテープにコピーしたものをMDにダビングしたという、音質的にはわやなものなんですが、それでもアルバム・タイトル曲であるM1の、フランスでしかありえないといってよいであろう哀しみと哀愁と叙情に満ちた美しさは、いま聴いてもやはり胸にしみます。

Francoise Hardy(フランソワーズ・アルディ)って、日本では「アンニュイ」っていう言葉で表現されることが多いように思うんですが(いまはもういわないのかな)、それってなんか違う気がします。Francoise=フランス人=パリ=「パリのアンニュイ」みたいな連想からきたのかなぁ。そういえばデビュー当時の桃井かおりさんも「アンニュイ女優」といわれてましたね。映画のタイトルは『もう頬づえなんかつかない』でしたっけ? このアルバム・タイトルと似てますが、なにか関連があったのだろうか。

それはともかく、このアルバムで聴かれるFrancoiseの歌は、M1では美しい哀しみ、引き裂かれたような淋しさに満ちていますが、他の曲は、じつはけっこう明るい印象です。M3「Point」なんて、能天気なフレーズで「ぽわ〜ん」とか歌ってますし。

でも、どんな曲を歌っても、そこはかとない哀愁がただよってしまうのは、語り的要素の強いフランス語で歌われているからだろうし、Francoiseのちょっとウィスパー気味の歌い方のためでもあるでしょう。

ガットギターやオーケストラの使い方もツボを押さえていて、Francoiseの歌声を邪魔することなく、味わいを深めています。M8「Si mi caballero」ではむせび泣くようなハモンド・オルガンがヴォーカルのうしろで静かに響き、涙をそそります。

Francoiseのアルバムは数枚しか聴いたことがないのですが、なかでもやはり、このアルバムは名盤だと思います。いまではさまざまなフランスの情報が日本にも入ってきて、フランスという国についての印象は人それぞれなのだと思いますが、そうなる以前、まだヨーロッパに旅行するにはロシア(当時はソ連)を避けてアンカレッジ経由で24時間近くかけて行くしかなかったころ、ヨーロッパに1週間旅行するには100万円以上の費用が必要といわれていたころ、海外旅行自体が日本人にとって大イベントだったころに、多くの日本人がフランス(=パリ?)に対して抱いたイメージ、憧れの国の雰囲気を、存分に感じさせてくれるアルバムだし、シンガーなのではないかと思います。

そういえば、4年くらい前に日本に来たフランス人の学生さんが、Francoiseのアルバムが日本でたくさん売られていて驚いたといってました。本国ではもう過去の人になっているみたいですね。

(2004.07.25)







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