GIGI D'ALESSIO


DOVE MI PORTA IL CUORE (1994年)

   ジジ・ダレッシオ / ドーヴェ・ミ・ポルタ・イル・クオーレ
    (ZEUS RECORD ZCD 101 / イタリア盤CD)



jacket photo   1: SOTTO LE LENZUOLA
  2: A RIVA 'E MARE
  3: SCONFITTA D'AMORE
  4: 'E GUAGLIONE 'E NAPULE
  5: COMME SI FRAGILE
  6: NON RACCONTARLO AL TUO RAGAZZO
  7: NA CANZONA NOVA
  8: CARME'
  9: UN MOMENTO DI CRISI
 10: ADDO' ME PORTO 'O CORE
 11: COME IN UN FILM


arrangiamenti: GIGI D'ALESSIO
archi diretti: VINCE TEMPERA

UMBERTO CIMINO: programazzine, basso
LELE MELOTTI: batteria
MAURIZIO FIORDILISO: chitarre
MASSIMO LUCA: chitarre acustiche
ALBERTO CAPASSO: chitarre acustiche
RICCARDO FIORAVANTI: basso
MARIO VORRARO: mandolini
SALVATORE SPERINDE: mandole
MARCO ZURZOLO: sax, flauto
GIGI D'ALESSIO: pianoforte, tastiere, fisarmonica
LINA SORRENTINO, GIOVANNA RUSSO e MARIA D'ALESSIO: cori







 Gigi D'Alessio(ジジ・ダレッシオ)は、ナポリ出身のカンタトーレ。カンタトーレ(cantatore)ではあるけれど、どうやらカンタウトーレ(cantautore)ではないようです。つまり、自分で曲は書かないみたい。
 すべての曲にL.D'Alessioという人がクレジットされているのですが、Gigiの家族かなにかでしょうか?

 イタリア全国的な人気という点では、同じナポリのPino Daniele(ピーノ・ダニエーレ)や、たぶんNino D'Angelo(ニーノ・ダンジェロ)にも及ばないのだろうけれど、地元ではけっこう人気があるようで、アルバムも地元では相当数リリースされています。
 ただ、残念なことに、この作品もそうですが、古いアルバムは地元以外では手に入れづらいマイナーレーベルからのリリースのようで、メジャーなBMGからリリースされた最近のアルバム以外は、なかなか売っているのを見つけられません。もったいない話です。

 それはさておき、Gigiの魅力は、いかにもナポリ的なこぶし回しと哀愁に満ちた曲はもちろんですが、それ以上に、軽やかでポップな曲のなかに垣間見えるナポリ的な叙情だと、1998年リリースのライヴ『Tutto In Un Concerto』と99年リリースの『Portami Con Te』を聴いて思ったのですが、このアルバムではまだ、軽やかでポップな面はほとんど出ておらず、よりオーソドックスな哀愁に満ちたスローな曲が大半を占めています。バックのアレンジの野暮ったさは相変わらずで、それがときに日本のちょっと古い歌謡曲を思わせたりもしますが、やはりメロディの美しさは非常にイタリア的です。

 ヴォーカリストとしてとらえた場合、GigiにはNino D'Angeloほどの個性はないと思います。その点では、近作のポップな作風のほうがGigiのヴォーカル・スタイルにあっているし、彼の特徴をより表現できるといえるでしょう。
 とはいえ、こういった、わりと普通なポップ・ミュージックも充分、魅力的ですし、こういう曲を聴いているとイタリアン・ポップスのファンでよかったと感じます。

 いわゆるカンツォーネやナポレターナのファンなどにもアピールするでしょうが、2000年のサンレモ音楽祭への出場を機に、より幅広いイタリアン・ポップス・ファンに愛されるようになるといいなと思います。

(2000.02.11)








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