GIANLUIGI DI FRANCO


GIANLUIGI DI FRANCO (1988年)

   ジァンルイジ・ディ・フランコ
    (DISCHI RICORDI: CDMRL 6377 / オーストリア盤CD)



jacket photo
  1. SIREN LIGHEIA
  2. GO HEAVY (VAI PESANTE)
  3. LUNA
  4. SEMIRAMIDE
  5. NIGHI-NAGA
  6. INSH'ALLAH
  7. SCIROCCO
  8. CAN WE BE WRONG
  9. VURRIA ADDIVENTARE
  10. JINGLE IN THE JUNGLE
  11. PACHINDU-COM
  12. UNA VELA NELL'AZZURRO


arrantiamenti e produzzione artistica: Corrado Rustic
arrangiamenti vocali: Gianluigi Di Franco
prodotto da Dario Tiribello








イタリアのネット・ショップで安く売ってたので、なんとなく買ってみたのですが、この人、元Cervello(チェルヴェッロ)のヴォーカリストだそうです。このアルバムは彼のソロ・デビュー作らしいのですが、1990年には地中海コレクションの1枚として『青の中の帆』というタイトルがついた日本盤もリリースされていたらしい。地中海コレクションというと、Cristiano De Andre'(クリスティアーノ・デ・アンドレ)などもリリースされた、あれでしょうか。

Corrado Rustici(コッラード・ルスティチ)がアレンジとプロデュースをした(Cervelloつながり?)このアルバム。一部のファンのあいだではとても評価が高いようなのですが、う〜ん、どうなんでしょう。自分の好みからすると、ちょっと微妙です。なんか、アルバムとしてばらばらな感じ。

M1「Siren ligheia」は「ライオンは寝ている」風で、M10「Jingle in the jungle」は「バナナボート」風? M2「Go heavy (Vai pesante)」はチョッパー・ベースとやかましいキーボードの入った派手なポップスだし、M5「Nighi-Naga」やM7「Scirocco」は古いアメリカの歌謡曲ポップスみたい。ちなみにM5の「ニンギナガ・ニンギナガ・ニボンボン」っていうコーラスは楽しいな。

その一方で、M8「Can we wrong」やM12「Una vela nell'azzurro」のように、おとなしくなったPaolo Vallesi(パオロ・ヴァッレージ)のような、素直な流れと美しい展開を持ったイタリアらしいメロディがあったり。M8など、本当にありがちな感じのイタリアン・ポップスなのだけど、英語で歌われているのにイタリアン・ポップスらしさが強力に感じられるというのは、実はすごいことなのですよ。

そして、やはり気になるのは「地中海コレクション」に選ばれた所以ともいえる、エスニックな雰囲気を漂わせた曲たちです。ただ、自分はそれらの曲にあまり「地中海」を感じなかったのですけれど。

M3「Luna」はキーボードのアルペジオにオリエンタルな雰囲気が漂いますが、歌メロは優しい愛情を感じるなだらかで美しい、いかにもイタリア的なもの。サビにはやわらかな哀愁があります。M6「Insh'Allah」も地中海というよりは、どちらかというとアラブやアフリカのイメージ? さらにはほんのりオリエンタルな雰囲気も入っているように感じます。淡々としていて、ときにメディテーショナルですらあるヴォーカルと演奏、そして突然訪れる高揚は、どことなくプログレチックです。M9「Vurria addiventare」もアラブやエジプト風のエキゾティックなメロディが見え隠れし、なにかのサウンドトラックかしらとか思ってしまいます。

そんなわけで、アルバム全体としては方向性がよくわからないし、なんだかなぁという感じもあるのですが、イタリアらしいポップスを感じさせるいくつかの曲、そしてエスニック/エキゾティックな香りのするいくつかの曲は、なかなか興味深いです。

ちなみに、Gianluigiは2005年3月19日に亡くなったそうです。52歳だったとか。まだ若いのに。

(2007.07.29)







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