GIORGIO FALETTI


NONSENSE (2000年)

   ジョルジォ・ファレッティ / ノンセンセ
    (NAR INTERNATIONAL / SONY MUSIC ENTERTAINMENT 498464 2 / オランダ盤CD)



jacket photo   1: RE DI FOGLIE
  2: QUESTE MACCHINE
  3: NONSENSE
  4: BALLERINI
  5: L'OMBRA
  6: L'ISOLA
  7: L'AMORE CHE NON ERI
  8: IL MATTO
  9: LANDRU
 10: LA GRANDE ATTRAZIONE
 11: LA REGINA DEL TORRONE
 12: RE DI FOGLIE (short symphony)


arrangiamenti definitivi e produzione artistica: DANILO AMERIO

Danilo Ballo: tastiere
Danilo Amerio: tastiere
Maurizio Sgaramella: batteria
Luciano Saracino: basso
Max Arminchiardi: chitarra, ghironda
Gianni Vallino: chitarra
Marco Priori: chitarra
Michele Lazzarini: bamboo flute, flauto peruviano, ocarina, midi-sax
Lucio Fabbri: violino
Angelo Aquilini: fisarmonica
Cecilia Chailly: arpa elettrica
Elena Roggero: voce solista in "Queste macchine"
Tiziana Ratel: voce danzante in "Ballerini"
Angelo Branduardi: alter ego in "La grande attrazione"

Sezione d'archi:
violino - Edoardo De Angelis, Alberto Bramani, Luca Di Gioia, Enrico Martinelli
viola - Valentina Giangaspero, Marco Di Giacomo
violoncello - Vanessa Petro', Bianca Fervidi
contrabbasso - Luciano Mitillo
trascrizione archi e arpa - Fabio Gurian







 Giorgio Faletti(ジョルジォ・ファレッティ)という人の名前を聞くのは、自分ははじめてですが、聞いた話によると彼はけっこうキャリアの長い人なのだそうです。
 まったく予備知識もなく入手したこのアルバムですが、なかなかの名盤でした。

 ストリングス・オーケストレーションがたおやかで美しいM1から始まり、中近東を思わせる力強いM2、アコーディオンが南欧の哀愁を感じさせるM4、アフリカの大地を思わせるM6など、それぞれの曲に情景が浮かびます。ほんの少しひび割れた感じの落ち着いた声も「歌」を感じさせます。
 全体に生のストリングスやキーボードが配されていますが、甘ったるくも暑苦しくもなることなく、曲にドラマ性を与えています。それもそのはず、アレンジはDanilo Amerio(ダニーロ・アメリオ)で、彼はキーボードでも参加しています。ほかにもLucio Fabri(ルーチォ・ファブリ)や、1曲だけのゲストですがAngelo Branduardi(アンジェロ・ブランデュアルディ)の名前もあります。

 声の感じは少しRenato Zero(レナート・ゼロ)に似ているでしょうか。全曲の作詞・作曲をGiorgio自身が行なっています。その曲づくりは、派手さはありませんが、すみずみまでよく神経が行き届いていて、たとえばVincenzo Spampinato(ヴィンチェンツォ・スパンピナート)のような肌触りもあります。
 バックの演奏陣も、DaniloとLucio以外はあまり見たことのない名前ばかりですが、たぶん優れたスタジオ・ミュージシャンなのでしょう。シンプルななかに広がりと奥行きを感じます。

 流れるようなメロディや大げさな展開、強い哀愁といったものはありませんが、それにまさるイタリアらしい「歌」があります。
 ところどころに地中海周辺色も交えながら進んでいくこのアルバムは、イタリアン・ポップスというよりはカンタウトーレ作品に、より近いでしょう。だからといって聴きにくいことはなく、適度なポップ/ロック・テイストもあります。

 ある程度リスナーを選ぶ作品でしょうから、イタリアン初心者や、最近の英米化されたイタリアン・ポップスのファンにはすすめにくいかもしれません。しかし、たとえばDeidda(デイッダ)のアルバムが好きな人などには楽しめるはずです。
 ノリと耳ざわりがよいだけのポップスとは違った、カンタウトーレならではのよさとストーリーが感じられる作品です。

(2001.01.21)








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