arrangiamenti e direzzione: A. Visco
tecnico del suono: E. Rizzo
最近はイタリア全国区での認知度も上がってきたようで、日本でもファンがけっこういるナポリ出身のカンタウトーレ、Gigi Finizio(ジジ・フィニツィオ)の、ナポリ・ローカルの時代のアルバムです。
ナポリのシンガーって、メジャー・レーベルで全国デビューする前に地元のレーベルから大量のアルバム(オリジナル・編集盤など)をリリースしていることが多いようで、GigiもナポリのZeusレーベルからけっこうな数のアルバムを出しています。しかも、時代のせいもあるのでしょうが、最初はカセットテープだけで、のちにCDもリリースされたアルバムとかもあるようで、どのアルバムが何年リリースなのかよくわかりません。このアルバムも、ZeusからのCDで(P)1999とはなっていますが、もともとはカセット・オンリーだったような感じで、オリジナルのリリース自体はもっと古いのかも。彼のファン・クラブでもこのあたりはよく把握できないのか、ディスコグラフィのページを見ても、メジャー・リリースになった最近(2000年以降)のアルバム以外はリリース年が書いてない、オフィシャル・サイトにはディスコグラフィ自体がない、という状態です。さすがナポリです(なにが?)。
のちのアルバムではずいぶんと都会的な要素を感じさせるナポリ・ポップスになり、サンレモ後のGigi D'Alessio(ジジ・ダレッシォ)やGianni Fiorellino(ジァンニ・フィオレッリーノ)とあんまり変わらなくなってきた気がするGigi Finizioですが、ナポリ・ローカル時代の彼は、もっともっとナポリ風。そこに微妙にチープ感をかもし出す薄っぺらなキーボード・アレンジなどがときおり入ってしまうところなども、サンレモ前のGigi D'AlessioやGianni Fiorellinoとあまり変わらない気がします。それでも、この3人のなかではFinizioがいちばん都会風なのかなぁ。
彼の伸びやかな歌声は、やはり魅力ですね。この濁りのない感じの歌声が、彼に都会風の印象を与えているのかもしれません。曲の感じなどはD'AlessioやFiorellinoとあんまり違わない気がするけれど、声の個性でFinizioらしさを主張しているように感じられます。
こういったナポリ・ポップ、一時は好きでよく聴いていたのですが、だんだんどれを聴いても誰を聴いても同じような気がしてきてしまい、最近ではあまり聴いていませんでした。でも、たまに聴くとやはりいい感じです。いかにもイタリア(それも南)なメロディや雰囲気は、太陽の国イタリアに対する憧れをかきたてます。
しかし、このCD、録音クオリティが悪いんだよな。音が割れがち。これだからマイナー・レーベルは... って、Zeusはナポリでは大メーカーなはずなんだけどなぁ。