scritto da GIORGIO GABER e SANDRO LUPORTINI
tranne M9 di G.Alloisio-O.Colli-G.Gaber
registrazione dal vivo effettuata nel corso della stagione teatrale 1993/1994
direzione musicale: GIORGIO GABER
prodotto da PAOLO DAL BON
pianoforte e tastiere: Luigi Campoccia
basso: Claudio De Mattei
chitarre: Gianni Martini
tastiere e fiati: Luca Ravagni
batteria: Enrico Spigno
2003年の幕開けとともに亡くなってしまったヴェテラン・カンタウトーレ、Giorgio Gaberの1994年のアルバムです。
うすいキーボードの白玉に乗せて詩の朗読が行なわれ、そのうちエレキ・ギターが入りハードな展開へ……と、Ange(アンジュ)やMona Lisa(モナ・リザ)を思わせるようなシアトリカルなオープニング。そしてそのままシアトリカル・ロックへ……と続くわけはなく、2曲目の「Eppure sembra un uomo」はリラックスした軽いラテン・ポップスでした。ただ、このアルバムは劇場(シアター)でのコンサートの模様を収録したものですから、あながち「シアトリカル」な音楽という表現は間違いではないかもしれません。
M3「Io e le cose」ではまた一転して、ガット・ギターの爪弾きに落ち着いた声のヴォーカルが乗ります。さらにそのうしろに雄大なキーボードがかぶさるさまは、どことなくPremiata Forneria Marconi(プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ。PFM)の「The World Became The World(甦る世界)」風です。
M4「C'e' un aria」では「パッヘルベルのカノン」風のコード進行にフルートが入るという、これまた田園プログレッシヴ・ロック風のイントロで心ひかれます。歌が入ると牧歌的なフォーク・ソングになりますが、ところどころで入るフルートが幻想的で、意外とプログレッシヴ・ファンの守備範囲に入りそうな気もします。
M7「I cani sciolti」もやわらかなフォーク・ソングです。全体にこういった、どちらかというと繊細な感じの曲が多く収録されています。そんななか、M8「Io come persona」は骨太なヴォーカル・ロックで、アルバムのなかでアクセントになっています。
M9「La strana famiglia」ではヴォーカルの合間合間に観客の笑い声が聞こえるのですが、歌詞がユーモラスなのか、それともステージ上のパフォーマンスに笑いを誘う要素があったのかは、イタリア語のわからない自分にはわかりません。
タイプとしては歌詞を聴かせるシンガー&曲だと思うので、歌詞がわからないのは楽しむうえで大きなハンデかもしれません。でも、シアトリカルな要素を持ったフォーク/ロックなので、そういった雰囲気を楽しむことはできます。自分としてはそれなりに楽しめてしまう、なかなかよいアルバムだと思います。いわゆるイタリアン・ポップスのファンよりもプログレッシヴ系のファンのほうがなじみやすいのかもしれません。