GORAN KUZMINAC


TEMPO (1999年)

   ゴラン・クズミナク / テンポ
    (AZZURRA MUSIC / CLASSICI ITALIANI CI-30204-CD / イタリア盤CD)



jacket photo   1: GLI SPECCHI
  2: MALARIA
  3: BREVE
  4: E VA BENE COSI'
  5: EHI CI STAI
  6: CHE CARINO
  7: ROCK IN LA MAGGIORE
  8: TEMPO
  9: STASERA L'ARIA E' FRESCA
 10: TIRITERA
 11: STELLA DEL NORD
 12: IL BARONE ROSSO







 Goran Kuzminac(ゴラン・クズミナク)は1970年代から活動しているカンタウトーレのようです。イタリアのプログレッシヴ・レーベル/ディストリビュータのBTFで働いているMarco(マルコ)によると、Goranは1970年代のもっとも重要なカンタウトーレのうちのひとりだということですが、そのわりにはあまり有名ではない気がします。
 1998年ごろにも新譜をリリースしているのでたぶん、いまも現役ではないかと思いますが、あまり話題になったのを見た記憶がありません。

 このアルバムは1999年にリリースされたベスト盤です。収録されているのはオリジナル録音ではなく、たぶん再録されたものでしょう。

 少しひび割れた声は、イタリアン・カンタウトーレにはよくあるタイプだといえます。曲想は、地味でおとなしい感じのものが中心のようです。
 カントリーやフォークソング的な味わいのものと、ちょっと泥臭くブルージーなロックの2タイプに大きく分けられますが、Massimo Bubola(マッシモ・ブボラ)的な泥くさロックよりも、柔らかな空気とそこはかのない郷愁、そしてほのかな幻想味すら感じさせるフォーク的な曲に、彼の魅力があるように思います。このあたりは個人の趣味だとは思いますが、Goranならではの音楽性ということでは、フォーク的な曲のほうがより個性を発揮していると感じるのです。

 どちらにしろ、いわゆるイタリアン・ポップス、サンレモ系音楽とはタイプが違うので、ポップスのファンにはすすめづらいところもありますが、フォーク系の音楽も好きな人なら楽しめるでしょう。

 アルバム最後の曲「Il Barone rosso」では楽曲のクレジットに元Pierrot Lunaire(ピエロ・リュネール)のGaio Chiocchio(ガイオ・キォッキォ)の名前があります。
 また、曲によっては一時期のAmedeo Minghi(アメデオ・ミンギ)からクラシカルな装いを取り除いてフォーク的な味わいを付け加えたようなものもあり、Amedeoファンにはおもしろいかもしれません。

(2000.09.16)








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