musiche: Gianni Togni
testi: Guido Morra
produzione e realizzazione: Gianni Togni
arrangiamenti: Fio Zanotti
batteria: Lele Melotti
basso: Gigi Cappellotto
chitarre: Giorgio Cocilovo
tastiere: Fio Zanotti
percussioni: Maurizio Preti
cori: Silvano Fossati, Paola Francia, Arturo Zitelli
fiati: M.Baiocco, G.Comeglio, P.Mucciolo, G.Bregoli, G.Capriolo
archi: G.Borghetti, A.Beghelli, L.Sarti, L.Tassinari, D.Veroni, S.D'Urbano, M.Morigi, G.Vandelli, L.Corti, L.Vieni, E.Guerzoni, E.Zanotti
Gianni Togni(ジァンニ・トーニ)の曲って、じつはあまり聴いたことがありません。アルバムもこれと、あとベスト盤を1枚しか持っていないので、彼の基本的な作風を知りません。
でも、このアルバムを聴くかぎり、ほどよくインターナショナル(というか、アメリカ的)な雰囲気を持ったカンタウトーレのように感じます。
明るくさわやかな曲調となめらかなメロディに、AORや産業ロックに匂いが漂っているのは、制作された年代の影響なのでしょうか。きらびやかな音色のキーボードが多用され、とてもスッキリした印象があります。
かといって、まったく英米的というわけではなく、フレーズの端々にイタリアらしいあたたかみと丸みを持った美しさが現われます。アメリカの持つ開放的な感じとイタリアの持つおおらかでフレンドリーな感じが、よい具合で混ざり合っているように思います。
2曲目の「E qualcosa c'e'」はユニゾンのコーラスが感動的なあたたかいバラード。続く「Ma noi vogliamo di piu'」は1980年代にイギリスではやったポップスに似た感じの曲があったような気がします。
5曲目の「Colpo di fulmine」はイントロがいかにもアメリカンな感じのキーボードで始まるロック。アメリカのロック・グループ、Touch(タッチ)を少し思い出しました。
6曲目の「Tutti quei giorni」は、広く深い愛情の感じられる大きなメロディが心に響く、なかなかのバラード。なんとなく、別の人の歌で聴いたことがあるような気がするのですが、誰かがカバーしてるのでしょうか。それとも、似たメロディの曲があるのかな。
どちらにしろ、Gianniのどちらかというと力のない心優しそうなヴォーカルが、この曲にさらなるあたたかみを与えているように感じますが、一方で、もっと声量のある人の歌でも聴いてみたいと思わせる佳曲だと思います。
8曲目の「Mattina presto」もバラードですが、こちらは単純なメロディにあまり抑揚のない展開で、なんとなく「捨て曲」ぽい感じ。アルバム最後を飾る「Come in quest'istante io che sto pensando a te」は、やわらかなエレキ・ピアノの響きが美しいミディアム・テンポのポップスで、どことなくToto(トト)を思わせます。
Gianniの場合、基本的にはやわらかな明るさを持ったポップな曲で魅力が生きるようです。もちろん「E qualcosa c'E'」や「Tutti quei giorni」のようなバラードにもいいものがありますが、構成のドラマ性で聴かせるという要素はあまり多くないように感じます。そのため、バラードでは曲が平板な印象になりがちです。
また彼の歌も、ドラマティックなものではない、さりげないものなので、曲的にもさりげないやさしさが感じられる明るめのもののほうがあうのでしょう。