EAST


JATEKOK (1981年)

   イースト / (なんて読むのでしょう?? ヤテコーク?)
    (HUNGAROTON: HCD 17679 / ハンガリー盤CD)



jacket photo
  1. NYITANY / OUVERTURE
  2. MESSZE A FELHOKKEL / FAR AWAY WITH THE CLOUDS
  3. SZALLJ MOST FEL / FLY UP NOW
  4. KEK-FEKETE LATOMAS / BLUE-BLACK VISION
  5. GYEMANTMADAR / DIAMOND BIRD
  6. LELEGZET / BREATH
  7. NEZZ RAM / LOOK AT ME
  8. UZENET / MESSAGE
  9. EPILOG / EPILOGUE
  10. REMENY / EXPECTATION


Kiraly Istvan: utohangszerek
Moczan Peter: basszusgitar
Palvolgyi Geza: billentyus hangszerek
Varga Janos: gitar
Zareczky Miklos: enek








ハンガリーのロック・グループ、East(イースト)のデビュー・アルバムでしたっけ。以前、日本盤も出ていたように思いますが、ずいぶんむかしに廃盤になって、その後あまりお店で見かけなくなってしまいました。前から聴きたいと思っていたのですが、ハンガリー盤を中古で安く見つけ、やっと聴くことができました。

セカンド・アルバムの『Huseg(Faith)』も日本盤が出ていて、これは学生時代にテープでよく聴いていたように思うのですが、もっとフュージョンぽい印象が残っています。でもこのデビュー・アルバムはけっこうロック的な要素が強く、個人的な好みからするとこちらのほうが好ましいな。

ハンガリーというとOmega(オメガ)という超ビッグ・ネームがいて、つい彼らとくらべてしまったりするんだけど、ド演歌ロックとも呼ばれるOmegaに対し、Eastはよりスタイリッシュな印象ですね。シンセサイザーの使い方や音づくりなどにOmegaや同じハンガリーのSolaris(ソラリス)などに似た匂いを感じる部分があったりしますが、Omegaほど歌の比重が高くなく、Solarisほど演奏の比重が高いわけでもない。その間あたりでバランスを取っているような感じを受けました。あと、ほんのりドイツのNovalis(ノヴァリス)に似たような香りもあるかな。

シンセサイザーによるコズミックでスペーシーな味付けと、ロックを感じさせる太い音のエレキギター。この組み合わせがなんとなく、音色的にはマッチしていないというか、いい意味での違和感を醸し出し、けっこうポップな曲調で印象が流れてしまうのを防いでいるように感じます。

そして、ハンガリー語によるヴォーカル。ハンガリー語って微妙にリズムに乗りにくい言語のような気がするのですが、それが独特の哀愁を加味します。Eastの音楽って意外と軽やかで明るいと思うのですが、そこにもっさりしたハンガリー語が乗ることで、東欧らしい陰影が生まれるのでしょう。これが英語のヴォーカルだったら、もっと軽いポンプ系の音に感じられそうに思います。

うん、なかなか気持ちのいいアルバムだな。自分けっこう、もっさりした哀愁の東欧プログレが好きなのですわ。

(2005.10.10)







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